
新しい発見と変わらない懐かしさ
思い出の“みなとまち”を巡る旅路
2025 Jul.
Today’s LOCORECO trip!
豊かな自然と洗練された都市の風景が交錯する魅力的な地域、神戸市。
美しい風景や多くの観光名所、様々なグルメスポットを擁する港町を旅したのは、神戸市出身の山之内 すずさんです。
(文/兼子雄治・写真/鈴木大喜)
※営業時間や価格は、すべて取材当時のものです。




兵庫県神戸市について
人口: 1,487,990人
面積: 552.3k㎡
(2025年6月1日現在)
豆知識:神戸市は、神戸三社(神戸三大神社)をはじめとする市内・国内にある神社の神事に使うお神酒の生産に古くから係わっていた。

兵庫県 / 神戸市KOBE CITY
兵庫県の南東部に位置する神戸市。県庁所在地及び人口が最多の市で、政令指定都市である。 市域は東灘区・灘区・中央区・兵庫区・北区・長田区・須磨区・垂水区・西区の9区から構成される。 海と山の迫る東西に細長い市街地を持ち、十分な水深のある扇状の入り江部に発展した神戸港を有する日本を代表する港町である。 幕末の開港以来、横浜港を擁する横浜市とともに舶来品や西洋文化の流入する日本の玄関口となり、今なお旧居留地や北野異人館街などの西洋風の街並みに、その歴史や影響を見ることができる。 また、神戸ポートタワーやメリケンパークなどのベイエリアや日本有数の温泉地、有馬温泉も人気の観光スポット。
INTRODUCTION



山之内 すずやまのうち すず
Profile
2001年10月3日 兵庫県神戸市生まれ。
2019年AbemaTVの恋愛リアリティーショー「白雪とオオカミくんには騙されない♡」の出演をきっかけに芸能界デビュー。 SNS総フォロワー数は110万人を超え、現在ではTVCM、地上波テレビ番組、更に俳優として映像作品にも活動の幅を広げている。
衣装協力:
lanan
神戸の新エリアで
新しい風を感じる



国内有数の港町である神戸市は、異国情緒あふれるオシャレな街並みや様々なグルメが人気の街です。なかでも観光スポットとして有名で、JR神戸線元町駅から徒歩10分のベイエリア、メリケンパークにやってきました。2017年に神戸開港150年を記念して設置された「BE KOBE」モニュメントから山之内さんの地元旅のはじまりです。


こちらで出会ったのは、1人目のロコレコさん・YUHKIさんです。
もともと教員として働いていたYUHKIさんは、エンターテインメントで地元を盛り上げるため、神戸を拠点にプロのフラダンサーとして活躍しています。
そんなYUHKIさんがレコしてくれるのは、神戸ウォーターフロントの新エリア「ニューシーポート」とのこと。


メリケンパークのお隣「ニューシーポート」エリアにやってきました。
倉庫街として日本の海上物流を支えた「ニューシーポート(新港町)」エリアには、近代日本の歴史的建築物が現存し、港町ならではの風景を残す一方、近、年デザインやアート、食、文化など新たなスポットが続々と誕生している注目のエリアです。


「こちら側から神戸ポートタワーを見るのはすごく新鮮です」と興味津々の山之内さん。YUHKIさんの案内で「ニューシーポート」エリアを散策します。
都市型水族館「AQUARIUM × ART átoa(アトア)」、「神戸みなと温泉 蓮」、イベント会場「神戸ポートオアシス」、ラスイートグループの複合施設「ラスイートルパンビル」、「TOTTEI・ジーライオンアリーナ神戸」などの新しい施設や、歴史的な建物をリノベーションした、デザイン・クリエイティブセンター神戸。通称「KIITO」など新旧の文化を感じる街並みを楽しみます。


そんな「ニューシーポート」エリアでYUHKIさんに「ぜひ紹介したい」と連れてきたもらったのは、2025年3月にオープンしたラスイートルパンビルの1階にある「ル・パン神戸北野」の総本店です。
「すずさんも知っているかと思いますが、神戸にはパンの名店がたくさんあるんです。そんな神戸でパン好きの間でも話題のお店なんですよ」とYUHKIさん。
一説によると、神戸開港以来の歴史と、神戸港を介して西洋文化が流入した際にパン食文化が根付いたことで神戸市はパンの有名店が多いそうです。


「ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド」直営のスイーツ&ベーカリーとして誕生したル・パン神戸北野の総本店では、店内で焼き上げるパンやスイーツを、工房の様子を見ながら購入できます。
また、イートインスペースや、隣接する「神戸みなと温泉 蓮」の天然温泉を利用した足湯に浸かりながら、テイクアウト商品を食せるスペースがあり、購入した商品をその場で楽しむことができます。
山之内さんは一番人気の「淡路産自凝雫塩(おのころしずくしお)パン」と関西の食文化である牛すじを入れたこだわりの「焼きカレーパン(牛すじ入り)」をチョイスしました。


パンを購入し“新しい神戸を感じられる場所”としてYUHKIさんに連れてきてもらったのは、2025年4月にオープンした最大1万人収容可能でプロバスケットボールチーム「神戸ストークス」の試合や、様々なアーティストのライブが開催される「ジーライオンアリーナ神戸」併設の全天候型・屋外スポット「TOTTEI PARK」です。


“みなとまち神戸”を全身で感じられる、新たな憩いの場「TOTTEI PARK」で、美味しいパンを楽しみました。
「神戸の街を見渡せて、とても気持ちの良い場所ですね。パンも最高に美味しいです。もし学生の頃に、この施設があったら、ずっと入り浸っていたと思います」とお気に入りの様子の山之内さん。

気持ちの良い時間を過ごしたおふたり。「このエリアから、すずさんに見せたいとっておきの景色があります」とYUHKIさんに誘われ夜景を見に行くことに。
「夜のニューシーポートエリアもすごく素敵ですね」と期待が高まります。

「すごい!これぞ神戸!という感じの夜景ですね。美しいです。こちら側からメリケンパークの夜景を見るのは初めてです」と笑顔の山之内さん。
「この景色をみてもらえて本当に嬉しいです。神戸ってとても良い街ですよね」とYUHKIさんも笑顔です。
素敵な夜景の中、地元女子トークに花が咲きました。
ル・パン 総本店

2012年にベーカリー激戦区の神戸・北野に「ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド」直営のスイーツ&ベーカリーとして誕生した「ル・パン神戸北野」。「ラ・スイート」の朝食パン提供から始まり、伊丹空港や関西国際空港にも店舗を構えた。より多くのお客様に届く様、製造拠点を北野からスイートルパンビル内に移し、ル・パン総本店が誕生した。



YUHKIさん
Profile
プロフラダンサー。
フラダンスを通じて地元・神戸を盛り上げる活動をしている。
MOVIE
みなとまち神戸の新たな魅力
知る人ぞ知る!
有馬っ子とっておきのグルメ




続いて山之内さんがやって来たのは、約4年ぶりに訪れたという有馬温泉エリア。
有馬温泉は、神戸市街地から電車で約30分、車で約10分、神戸市北区に位置する日本有数の温泉地で、保温・保湿性に優れたお湯で、温泉から上がった後のお肌はスベスベで柔らかくなる”美人の湯”としても知られています。
また、「炭酸せんべい」や「有馬サイダー」をはじめ、「神戸牛コロッケ」や「明石焼」、「金泉塩パン」など、ご当地グルメも楽しめます。


こちらで出会った2人目のロコレコさんは、有馬温泉の観光協会で働く関口 純子さん。地元の大学生がデザインしたという有馬温泉Tシャツでご登場です。
「ここの川沿い、涼しくてすごく気持ち良いですね」という山之内さんにとっておきの情報を教えてくれました。
「実は7月25日(金)から8月17日(日)まで毎晩「有馬涼風ビアガーデン」というイベントが開かれているんですよ。知る人ぞ知る有馬の夏の風物詩です」とのこと。
地元の方をはじめ国内外から「有馬川親水広場」に訪れるイベントだそうです。「夜はさらに涼しそうで気持ちよさそうですね。私も行ってみたいです!」と山之内さん。
「有馬涼風ビアガーデン」の詳細はこちら。


関口さんの案内で有馬温泉エリアを散策します。
「有馬温泉と言ったら、大体の方が有馬川をのぼった先にある湯本坂の辺りに行くんですが、今回すずさんに紹介したいのは有馬川をくだった有馬温泉駅の近くにあるお店なんです」と関口さん。
「確かに以前、来た時は湯本坂を歩きました。今回は地元の方だからこそ知っているお店ということですね!すごく楽しみです」と山之内さん。
レコしてくれるのは神戸名店百選に選ばれた老舗「浪花鮓・まえなか」です。地元の方のソウルフードで、駅近ながら知る人ぞ知る名店です。


店内に入ると迎えてくれたのは大将の前中 勝征さんです。
「大将の前中さんは81歳。すごくパワフルで本当に美味しいお寿司を食べさせてくれるんですよ」と関口さんに紹介してもらいます。
創業から76年の同店は、ご家族でお店を営んでおり、アットホームな雰囲気。地元の方に愛されています。


関口さんオススメの定食(税込1,000円)をいただきます。
「すずさん、こちらの定食は、にぎりや巻すしやいなりなどの好きなお寿司メニューに加えて、うどんかそばを選べるんです」と関口さん。
「すごい!こんなにお得なセットがこのお値段なんて、本当に嬉しいです」と山之内さん。
にぎりと冷たいそばの組み合わせで定食をオーダーしました。


「すごく大きくておいしそう!これはお得ですね!しかも新鮮そうですね。贅沢感がすごい!」と山之内さん。
大将の前中さんによると本日のメニューは「カンパチ、マグロ、エビ、タイ」。毎朝、神戸の市場から運ばれる新鮮な魚を仕入れているそうです。
また、お寿司は醤油をつけるのではなく、タレをハケで塗っていただきます。白だしと、たまり醤油と砂糖で味付けされた自家製のタレは甘味を感じる優しい美味しさです。


お寿司のメニューは、ほかにもバッテラやアナゴなど、15種類から頼むことができます。
「本当においしいです!たくさんメニューがあるから、毎日来ても楽しめますね!」とお気に入りの様子の山之内さん。
「こちらのお店が紹介できて本当に嬉しいです。喜んでいただけて良かったです!」と関口さんも笑顔でした。
浪花鮓・まえなか

神戸電鉄有馬温泉駅のすぐ目の前にある寿司処。
お得な定食をはじめ、寿司、うどん、そばの豊富なメニューで地元の方に愛されている。
お寿司のシャリは「おなかいっぱいになって欲しい」との思いをこめて大きく作られている。アットホームな雰囲気も人気の秘訣。



関口 純子さん
Profile
ご出産を機に有馬温泉に移住し23年。有馬温泉の観光協会で働いている。
MOVIE
有馬のとっておきソウルフード
学生時代からの思い出の味
“すずスペシャル”とは!?




「次のお店を紹介するロコレコさんは、なんと!私、山之内 すずです!」とやってきたのは、地下鉄県庁前より北西、徒歩10分にある「鉄板焼 さかえ」です。
山之内さんが高校生の時からお世話になっていたお店で感謝しても感謝しきれない大好きなお店なんだそうです。
親戚の様な間柄だという、こちらのお店で思い出の味をいただきます!


「鉄板焼 さかえ」は2011年5月にカウンター6名、屋台風のお店をオープン。 2018年11月に現在の場所に移転オープンし、昨年 2024年10月には店内フルリニューアル。カウンター6名テーブル4名の10名でゆったりくつろげる空間になったそうです。
リニューアル前の壁に山之内さんが書いたサインは、現在のお店にも当時のまま残されており店主の愛を感じる空間です。


「おかえり!」と迎えてくれたのは店主の岩田 浩一さんと奥様の真梨子さん。
「実は、今年に入って、もう3回目なんです!」と照れくさそうな表情の山之内さん。おふたりの前で笑顔がこぼれます。
「私が15歳の頃からお世話になっているお店で、破格のお値段でたくさん食べさせてもらっていました」と山之内さん。
「常連さんからも愛されていて、みんながすずちゃんに料理をごちそうしていました」と岩田さんも当時の思い出に笑顔です。


1品目にいただいたのは、山之内さんもこの日初めて食べる新作「爆弾玉ひもの和牛包み炙り」です。
「これは一口で食べて欲しいです。みんな目を丸くするくらい美味しいんですよ!口の中ですき焼きが完成する様な感じなんです」と岩田さん。
「美味しい!何ですかコレ?想像以上にはじけます!最高です」と驚く山之内さん。
玉ひもとは、鶏未成熟卵の黄身の部分で、濃厚な味が特徴。別名“きんかん”とも呼ばれる部位です。

「最初に来た頃はジュースを飲んでいましたが、大人になってからお酒を飲みながら、料理を作ってくれる所を見ています」と真剣な表情で岩田さんの姿を見つめます。
「ここで初めて食べるものや、色々な体験をさせていただきました」と懐かしそうな山之内さん。
「こうやって戻ってきてくれて食べに来てくれる。昔のことを思い出して感動しますね」と岩田さん。


「いつも、すずちゃんには、こうやってワンプレートの定食を出すんです。松・竹・梅どれにする?って聞いて、楽しい時間でした。出す内容は決まっているんですけどね」笑う岩田さん。
山之内さん定番のガーリックライス、アコウ薄造り、伝助穴子焼き霜、赤身のステーキ、ポテトサラダ、あら汁の“すずスペシャル”です。
「いつもこうやって定食を出していただいてました。こだわりの料理とガーリックライス、いつ食べても本当に最高です!感慨深いです」と山之内さん。

「神戸に帰ってきた!って、すごく感じられる場所です。ここでは、ごはんを食べていただけではなくて、たくさんの経験をさせていただきました」と笑顔の山之内さん。
「良い食べっぷりやな!ずっと変わらないのは、本当にすずちゃんの良い所!」と岩田さんも嬉しそうです。
この後も思い出話は尽きることはありませんでした。
鉄板焼 さかえ

こだわり抜いた仕入れの天然のお刺身や、猟師さんから仕入れたジビエ、鉄板焼き、一品料理など、オリジナリティあふれるメニューが揃う人気店。豊富な種類の日本酒も楽しむことができる。
また、店主の岩田さんが趣味から始めた時計作り。こちらの腕時計の購入も可能。山之内さんも保有しているオシャレな腕時計は下記サイトからチェックできる。



山之内 すずさん
Profile
地元の人にオススメの場所を聞き、街の魅力を紹介するロコレコリポーターとして活躍中。
MOVIE
思い出の”すずスペシャル”
思い出の一枚を
記憶にも記録にも残したい!




この旅最後にやって来たのは、灘五郷(兵庫県の灘一帯にある5つの酒造地の総称)のひとつ“御影郷”エリアです。国内で日本酒生産量が最も多い地域であり、国内生産量の約25%を占めています。
エリアには「灘五郷酒所」という施設もあり、灘五郷全26蔵の日本酒と「旬、地元、相性、発酵」をテーマにした食とのペアリングやイベントなどを楽しむこともできます。


最近日本酒にハマっているという山之内さん、ずっと来てみたかったという「白鶴酒造博物館」に興味津々です。1969年3月まで実際に清酒醸造に使われていた本店壱号蔵を改造して開設された同博物館。酒造工程が分かりやすく展示されているほか、ショップや、日本酒の試飲が楽しめます。


酒造りについて学んでいた山之内さんに「すずさん、こんにちは!」と声をかけてくれたのはロコレコさんでフォトグラファーの蒲田 風花さんです。「フォトグラファーさんなんですね?普段はどういった撮影をされているんですか?」という山之内さんに蒲田さんが応えてくれます。「四季折々の自然の風景や、我が家の猫を撮っています。神戸は絵になるので本当に撮り甲斐があるんですよ」とのこと。


「私が大好きな場所をすずさんと一緒に 写真を撮ってまわりたいです。スマホでも簡単に綺麗に撮れる方法をお伝えしたいと思います」と蒲田さんに連れてきてもらったのは「神戸布引ハーブ園」です。
ロープウェイでガーデンに向かいます。


ロープウェイに乗ってたどり着いた「神戸布引ハーブ園」は、約200種75,000株の花やハーブが咲き誇る日本最大級のハーブ園。
テーマの異なる12のガーデンがあり、四季折々、楽しむことができます。


さっそく蒲田さんに写真の撮り方のレクチャーをしていただきます。
「人物を入れて撮る事って、よくあると思うんですが、人物を撮る時はどうしたら良いですか?」と山之内さん。
すると「何もない空間よりカラフルなお花などを入れてインカメラで撮るのが良いのではないかと思います。後ろにレンガがあるので、水平を意識して撮りたいと思います。スマホの機能でグリッド線が出せるので、グリッド線を出す設定にすると良いと思います」と蒲田さん。(2枚目写真は蒲田さん撮影)


散策を続けているとラベンダー畑がありました。
「ここも綺麗なので撮影してみませんか?」と蒲田さんに誘われラベンダーに近づきます。
すると「赤ちゃんカマキリがいます!この子を撮りたいです!」と山之内さん。
「赤ちゃんカマキリにピントを合わせて背景のラベンダーをぼかして撮ると素敵かもしれません」と蒲田さんからのアドバイス。
「上手に撮れたかと思います!」と満足そうな山之内さん。(2枚目写真は山之内さん撮影)


「すごく素敵な写真が撮れていましたね!」と蒲田さんにお墨付きをもらい嬉しそうな山之内さん。
「本当に勉強になりましたし、楽しかったです!神戸の旅の思い出を残せて大満足です!」と笑顔で旅を締めくくったのでした。
神戸布引ハーブ園

白鶴酒造資料館




蒲田 風花さん
Profile
フォトグラファー。当コーナー「ロコレコ」の大ファン。
MOVIE
ハーブ園で撮影大会!
Special Interview山之内 すず
魅力がつまった街だと再確認できました!



神戸にはよく帰ってきていますが、気づかない間に新しくなっている所があって、まだまだ知らないことがたくさんありました。

帰省した時は、同じ場所、同じ人に会うことがどうしても多いんですが、旅を通して色々な面から見られたのは良かったですし、より神戸を誇りに思いました。


都会のイメージがあると言われることが多いですけど、山と海が近くて本当に環境が良いんです。
この景色は神戸ならではだな。と改めて思いました。観光で来た時の見どころもたくさんあるし、生活もしやすいんです!

地元愛が強めな私ですが、少し離れて気づいた良い所がたくさんありました。これからも一層、神戸っ子魂で頑張ります!地元のみなさん!一緒に神戸を盛り上げていきましょう!

撮影・取材協力 神戸観光局