あつい夏だから
桃づくしの“こおり”へ
2026 Jul.
Today’s LOCORECO trip!
福島県の北の玄関口、奥州街道の宿場町として栄えた桑折町(こおりまち)。「献上桃の郷」と呼ばれる桃のふるさとであり、かつての銀山や明治の洋館が今も息づく、実りと歴史のまちです。
もぎたての桃をほおばる畑、和と洋がとけあう桃スイーツ、銀山のまちで味わうクラフトビール。矢吹 奈子さんの桑折をめぐる旅が、いま始まります。
(文/兼子 雄治・写真/はるき としひろ)
※営業時間や価格は、すべて取材当時のものです。
福島県桑折町について
人口:10,690人
面積:42.97km²
(2026年6月1日現在)
豆知識:
青りんごの代表品種「王林」は、桑折町生まれ。
桃のまちは、りんごのふるさとでもある。
福島県/桑折町KOORI TOWN
福島県の北の玄関口に位置する桑折町。江戸時代には奥州街道と羽州街道が分岐する宿場町として栄え、参勤交代の大名行列も行き交った。盆地ならではの昼夜の寒暖差と豊かな水に恵まれ、果樹の生育に適した土壌が広がっている。
このまちを語るうえで欠かせないのが、桃の存在。看板品種「あかつき」は1994年から献上桃に選ばれ続け、2016年には「献上桃の郷」が商標に登録された。阿武隈川沿いに広がる桃畑を貫く道が「桑折ピーチライン」。春にはいっせいに花が咲く。摘花(てきか)が始まるまでのわずかな期間だけの、車窓の花見だ。
歴史の見どころも多彩で、桑折西山城跡は、のちに仙台藩主となる伊達氏が戦国時代に本拠を置いた城。伊達 政宗の曽祖父・稙宗(たねむね)が1532年に居城を移した地で、跡は国の史跡に指定されている。1883年(明治16年)築の旧伊達郡役所は現存する郡役所建築で最大規模の重要文化財に指定されている。かつて日本きっての鉱山といわれた半田銀山も、明治期には国内有数の産銀量を誇った。実りと歴史を受け継ぎながら、桃のまちは今日も甘い香りに包まれている。
INTRODUCTION
矢吹奈子やぶき なこ
Profile
2001年6月18日生まれ。
東京都出身。HKT48・IZ*ONEのメンバーとして世界でも活躍する。グループ卒業後は連続ドラマのヒロインを務めるなど、現在は俳優業を中心に活動の幅を広げている。
衣装協力: Birthdayroom、Unitage、Su1.
桃がまるごとピザに⁉
名店プロデュースのピザ
見わたすかぎりに広がる、桃畑。桑折町の桃は6月下旬から9月下旬まで、十数種類がリレーのように季節をつないでいきます。「はつひめ、まどか、川中島白桃、幸茜桃」、名前を挙げればきりがありません。
なかでも町を代表する品種が「あかつき」。太陽をたっぷり浴びて濃く色づき、実は大きく肉厚。あふれる果汁とやわらかな果肉、そしてとびきり甘いのに後を引かない、甘みと酸味の絶妙なバランス。
その総合力で、桑折町産の「あかつき」は国内でも最高峰の桃として知られています。盆地ならではの大きな寒暖差が育てたこの「あかつき」こそ、1994年から献上桃に選ばれ続けてきた、桑折町の看板です。
そんな桃畑に、やってきた矢吹さん。「たくさんの桃に囲まれてます!見渡す限り、桃!」と、初めての桃畑に大興奮。そこで矢吹さんに声をかけてくれたのは、桃農家の南 祐宏(みなみ まさひろ)さんです。1本の木に200〜300個もの実がなるという畑で、「もしよかったら、ひとつ食べてみませんか」とうれしいお誘いが。もぎたてを丸ごとガブリ。「桃の香りが口に広がりますね!」と矢吹さん。いただいたのは、「あかつき」から生まれた早生品種「暁星(ぎょうせい)」。「みずみずしい味や綺麗な色、芳醇な香り!私、大好きです」と、お気に入りの様子。
南さんにお礼を伝え、桃畑をさらに進むと、作業中のおふたりの姿が。「もしかしておふたりがロコレコさんですか?」と声をかける矢吹さんに「ロコレコです!」と、息の合ったファイティングポーズで迎えてくれたのが、この旅最初のロコレコさん、坂田 星成(さかた せな)さんと山本 博史(やまもと ひろふみ)さんです。
おふたりは、ともに33歳の桃農家。青森県十和田市出身の坂田さんと、長野県安曇野市出身の山本さんは、関東の大学で出会った同級生です。「将来的に一緒に何かやりたい」と4年前に桑折町へ移り住み、3年間の研修を経て、昨年ついに就農。「親友だったのが、今はもう仕事仲間です」と笑い合う、自他ともに認める仲良しコンビです。
「今日は桑折町の桃を使った、桃づくしのおいしいグルメをレコしたいと思います」の宣言に、「やったー!桃大好きなので嬉しいです」と矢吹さんも思わずガッツポーズです。
おふたりが連れてきてくれたのは「Legare Koori(レガーレ コオリ)」。もともと幼稚園だった建物をリノベーションした施設で、庭には芝生や鉄棒がそのまま残っています。
「芝生があって鉄棒もあって、なんだか公園みたいで雰囲気がいいですね。外観も可愛い」と、矢吹さんもすっかり気に入った様子です。その施設内にあるのが今回訪れる「PizzaSta by Al che-cciano(ピザスタ バイ アル ケッチァーノ)」です。
こちらのメニューを監修するのは、山形・庄内の人気イタリアン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ、奥田 政行(おくだ まさゆき)氏。2000年に鶴岡市で同店を開き、地元の農家をたずね歩いては在来野菜や旬の食材の持ち味を引き出す料理で知られ、「食の都・庄内」を全国に広めた立役者です。じつは店名も、庄内弁の「うめもんがあるけっちゃーのぉ(おいしいものがあるんだよ)」から生まれたもの。足元にこそ宝がある。その哲学が光る「ピザスタ」で腕を振るう料理長は奥田氏の下で修行を積んだ佐々木 健(ささき けん)さんです。
店内に足を踏み入れると、「おー!大きなピザ窯!ピザ楽しみです!」と矢吹さん。「もちろんピザもなんですけど、他にもいろいろあるので」と、おふたりはにやり。すすめてくれたのは、店頭で販売している桑折町産あかつきの果汁を使った桃のグミです。ひと粒ほおばれば「結構な歯ごたえがありますね。桃の香りがすごくて、おいしい!これ、みんなが好きな味です」と止まらないおいしさ。「他にもゼリーや飴もあって、お土産によく買っていきます」と坂田さん。
席に着くと、運ばれてきたのは「桑折町産 桃とハムのピッツァビアンカ」。ビアンカはイタリア語で“白い”の意味。生地の上に、旬の桃がなんとまるごと1個分のっています。「桃がふんだんに使われてますね!」と歓声を上げつつ、豪快にガブリ。
「桃もチーズも生ハムも、全部合いますね。完璧なマッチ!甘じょっぱさが素晴らしいです」と、笑顔があふれます。チーズはモッツァレラや自家製マスカルポーネなど3種類を「桃を邪魔しないように」と使い分け。桃は繊細な香りを守るため、焼かずに生のまま後のせという徹底ぶりです。「生地もふわふわもちもちで、耳まで最高においしいです」の言葉に、「ピザ職人としては一番うれしいです」と、料理長の佐々木さんもにっこり。
デザートは、あかつきの果汁を75%も使った桃のソルベ。「あっさりかと思いきや、果汁がいっぱいだから濃厚!シャリッとして、夏にぴったりです」と、止まりません。
「こうやって喜んでもらえて、私たちは嬉しいです」と坂田さん。ピザの桃は時期ごとに旬の品種へ変わっていくそうで、「何回来てもいいってことですね」と矢吹さん。親友コンビの人柄と桑折町の桃がとけあう、ここにしかない味を堪能した時間でした。
PizzaSta by Al che-cciano
(ピザスタ バイ アル ケッチァーノ)
坂田 星成さん・山本 博史さん
Profile
関東の大学で出会った親友同士。桑折町で桃農家を始めて1年目。ふたりで育てる桃づくりに、今日も汗を流す。
MOVIE
旬の桃を丸ごと贅沢ピザ
豚も、桃で育つまち
炭火を囲んで女子会BBQ
続いてやって来たのは、JAふくしま未来の農産物直売所「フレッシュBOX」。「献上桃の郷」と掲げた大きな看板と、桃の妖精「ホタピー」がお出迎えです。「ホタルとピーチでホタピー。かわいい!さすが桃の町ですね」と矢吹さん。桃の季節には大行列ができるという人気の直売所で、この日も平日の朝からお客さんが列を作っていました。
ここで待っていてくれたのが、2人目のロコレコさん、本田 千桜(ほんだ ちお)さん。「桑折町でボランティア活動をさせてもらっている本田 千桜と申します」と、はつらつとご挨拶。約1年前から桑折町に通う大学1年生です。「桃の色と一緒で素敵なお召し物ですね?すごくかわいい!」という本田さんに、「そうなんです!今回、桃に合わせてみました」と矢吹さん。さっそく話も弾みます。
本田さんの案内で向かったのは、2024年3月にオープンしたグランピング施設「GLAMQUET KOORI(グランケット桑折)」。ゲートをくぐった矢吹さんから、「プライベート空間が広がってますね。最高!」と歓声が上がります。BBQはもちろん、宿泊もできる、“おいしいがあふれるご馳走キャンプ”がテーマの施設です。「このドーム型のテント、かわいいですね」と矢吹さんの期待も高まります。
さっそくドームの中へ。「素敵な空間で色味もいいですね」と矢吹さん。「本当に、女子が好きなインテリアですよね」と、本田さんが応えます。白とベージュを基調にした空間にうっとりした様子のおふたり。ベッドに腰かければ「ふわふわ、気持ちいい」と、すっかりくつろぎモードです。
ドームの一面は大きく空に向かって開けていて、「夜になると、ここから星空が綺麗に見えるんです」と本田さん。「こんなに空が見えるんですね。座って星を見ながらおしゃべりしたり、癒やされますね。いつまでも見られちゃうので、あっという間に時間が過ぎちゃいそうです」と笑顔です。
「うわぁ、泊まりたい!」と、矢吹さんの想像はふくらむばかり。
ドームの外に出ると、待っていてくれたのは本田さんの友人おふたり。「こちらが友人の菊池 咲良(きくち さくら)さんと、栗原 光里(くりはら ひかり)さんです」と本田さんが紹介してくれました。「よろしくお願いします」と挨拶を交わせば、初対面とは思えないほど場がなごみます。青空の下、芝生が広がる開放的な庭で、いよいよ女子会BBQの始まりです。
主役は、ブランド豚「ロイヤルピーチポーク」(お肉の写真左上2種)。桑折町産の桃と、日本酒「辛口桑折」の酒粕を飼料に育てられた豚で、臭みが少なくやわらかいのが持ち味です。「ロイヤル」の名は、もちろん献上桃の郷にちなんだもの。桃のまちが誇る一皿が炭火の上でジュージューと音を立てはじめたら、もう待ちきれません。
タレをつけてひと口。「柔らかい!おいしい!」と、矢吹さんの表情がほころびます。「脂はしっかりしているんですが、全然くどくない!あっさり食べられる感じがします!甘みも伝わってきました!」と、味わいをひとつずつ言葉に。「柔らかさと甘みが強いですね」「外で食べるから、より一層おいしいかも」と、みんなの箸がどんどん進みます。桃と酒粕を食べて育った豚のやさしい甘みが、青空の下で際立ちました。
おいしいお肉を囲めば、自然と話も弾むもの。学校のこと、そして恋の話。女子トークに花が咲いて、ドームのまわりには笑い声が絶えません。青空の下、桑折町の“おいしい”と“楽しい”をまるごと味わうひとときになりました。
GLAMQUET KOORI
(グランケット コオリ)
JR桑折駅から歩いて6分。スーパーマーケットチェーンの「いちい」が手がける複合施設「momomo KOORI(もももこおり)」の一角に、2024年3月オープンしたグランピング施設。宿泊はドームテントと木製キャビンの2タイプで、BBQだけの利用や、約560坪のフリーサイトにテントを張るキャンプも楽しめる。敷地からは町のシンボル・半田山を望み、食材付きのセットプランやギアのレンタルもそろうから、手ぶらで訪れても大丈夫。隣接するスーパーで追加の食材を買い足せるのもうれしい。矢吹さんの言う通り夜の雰囲気も魅力的!
本田 千桜さん
Profile
約1年前からボランティア活動で桑折町に通う大学1年生。おいしい桃と、まちのために奮闘する人たちに惹かれている。
MOVIE
桃の町ならでは!ブランド豚でBBQ
洋館から歩いて1分
和も洋も、桃仕立て
続いてやって来たのは、1883年建築の旧伊達郡役所。現存する郡役所建築として最大規模を誇る、国の重要文化財です。「すごい素敵な建物ですね。洋風の中に、和の雰囲気もあって。窓のガラスがカラフルで綺麗です」と矢吹さん。西洋の建築を手本にしながら、日本の大工が自分たちの技で建てた。そんな明治ならではの意匠に、思わず見とれます。
かつて会議などにも使われた館内は、明治の面影をそのまま残す、まちのランドマーク。歩くたびにきしむ床も「歴史を感じますね」と、愛おしそうな様子。2階のベランダに出れば、桑折町のまちなみが一望できます。
ここで出会ったのが、3人目のロコレコさん、和泉 真司(いずみ まさし)さん。桑折町商工会青年部の部長です。ベランダからまちを眺めながら「向かう先は、あそこです」と指さしたのは、「昔からお世話になっている先輩のスイーツ店。うちは6人家族で、年に6回あそこで誕生日ケーキを買うんです」という自慢のお店です。
歩くこと約1分。たどり着いたのは、1950年(昭和25年)創業の「手作り菓子工房 大野屋」。
ほんのり桃色の外観に、「桃の町だからでしょうか」と、入る前から心が躍ります。
迎えてくれたのは、和泉さんの小中学校の先輩でもある3代目の大野 雅史(おおの まさふみ)さん。
和菓子と洋菓子の両方を手がけるお店で、「店内が和菓子と洋菓子で分かれてるんですね!」とさっそく気づく矢吹さん。ちなみに和菓子側の人気No.1は、あんぱんなんだとか。そしてこの夏のお目当ては、桑折町の桃を使った手づくりお菓子たちです。
まずは、桑折町産の桃がゴロゴロ入った「桑折桃ふく」。「持っただけで、もっちもち。白あんがすごく上品な甘さ。桃でさっぱりしますね。すごくいい塩梅!」と矢吹さん。大きな果肉は「柔らかすぎず、コリッとした食感がアクセントになっています。クリームも白あんも桃も、全部おいしいものが集まって!最高です!和も洋も、見事な融合ですね」と、あっという間に完食です。
続いては、山のような形がユニークな「クラシックショコラ」と、夏の名物「もものかき氷」。「ビジュアルが完璧!初めて見る形です」というクラシックショコラは、ベルギーチョコの生地に自慢の生クリームをたっぷりサンド。「甘すぎないビターなチョコに、口どけのいい生クリーム。いくらでも食べられます」と矢吹さん。和泉さんも「ホールで作ってもらったことがあるくらい大好き」という逸品です。かき氷は、夏の初めに穫れる「はつひめ」を1個半も使った贅沢な1杯。
白ワインとレモン、バニラビーンズで甘く煮た桃と手作りの練乳が、ふわふわの氷に層をなします。「口に入れた瞬間、桃の丸絞りジュースのようで!桃の実もゴロゴロ入っていて、宝探しみたい」とスプーンが止まりません。
「クセがないのに、ここでしか食べられない特別なおいしさがある」、旅を終えた矢吹さんがそう振り返った、大野屋の味。「愛されている理由が分かりました」。和と洋、伝統と新しさがひとつにとけあう、桑折町の甘い底力を感じた時間でした。
手作り菓子工房 大野屋
(てづくりかしこうぼう おおのや)
1950年(昭和25年)、初代の大野 寛男さんが創業した和洋菓子店。旧伊達郡役所からは歩いて1分、JR桑折駅からは15分ほどの町なかにある。桑折町産の桃をゴロゴロ入れ、上品な白あんと生クリームをくず粉入りの生地で包んだ「桑折桃ふく」。山のような形が目を引くベルギーチョコの「クラシックショコラ」は、たっぷりの自家製生クリームを抱いた人気者だ。夏には桃を1個半も使う「もものかき氷」があり、人気のあんぱんも並ぶ。和も洋も手作りにこだわる、懐の深い1軒。こだわりが詰まったメニューはどれも必食!
和泉 真司さん
Profile
有限会社ゑびやの常務取締役。桑折町商工会青年部の部長として、まちを盛り上げる仕掛け人でもある。
MOVIE
和菓子も洋菓子も桃づくしスイーツ
飲みくらべる5つの個性
銀山のまちのクラフトビール
「もう1軒、とっておきがあるんです」と和泉さんが案内してくれたのは、「半田銀山ブルワリー」。かつて日本有数の銀山だった半田銀山の名を受け継ぐ、2020年創業のクラフトビール醸造所です。併設のビアレストラン「上町CHEERS(うわまちチアーズ)」で、できたての生ビールが味わえます。
迎えてくれたのは、醸造責任者の鈴木 翔之(すずき しょうじ)さん。「ビールが苦手な人でも飲みやすいものを揃えているので、楽しみにしていただければ」と頼もしいひと言。定番から変わり種まで、個性豊かな8種のビールが待っています。
本日いただくのは、8種の中から5杯。まずは和泉さんおすすめの「半田銀山ペールエール」をサーバーからグラスに注いでいただき、「乾杯!」。歩いた後の1杯が、五臓六腑に染みわたります。
「ホップの香りが、鼻からふわっと抜けますね」と、1杯目の「半田銀山ペールエール」。2杯目の「王林ペールエール」は、桑折町生まれの青りんご「王林」の果汁を使った1杯です。グラスを近づけただけで、りんごの甘い香りがふわり。桃のまちのもうひとつの誇りが、グラスの中で香ります。
3杯目は、桃のクラフトビール「暁(あかつき)」。桑折町自慢の桃の果汁を使った1杯です。のちに「最初に“これが好き”って思ったのは、桃のクラフトビールだったんです」と振り返るほど、矢吹さんのお気に入りに。桃のまちならではの味わいです。
さらに「ウワマチコーヒースタウト」、そして締めくくりは、その名も「桜餅」。「本当に桜餅なんですよね、そのまんま!正直、合わないんじゃないかなって最初思っちゃったんですけど。癖になって、また飲みたいって思う味です」と、意外な出会いに目を丸くします。桜の葉が香る、あんこの材料から発想したという個性派です。
「食後にも飲みたいビールがあるんだ、って。ビールってみんな1杯目のイメージだから、食後ビール、新しいです」と矢吹さん。どの1杯にも、桑折町の素材と作り手の遊び心がぎゅっと詰まっていました。銀山のまちに湧き出した、新しい名物を飲みくらべご満悦の矢吹さんでした。
半田銀山ブルワリー(はんだぎんざんブルワリー)
上町CHEERS(うわまちチアーズ)
JR桑折駅から歩いて5分。2020年に醸造を始めたクラフトビール醸造所と、併設のビアレストラン。ビールのブランド名「SOLDER CRAFT(ソルダークラフト) 」は、はんだ付けを意味する「SOLDER(ソルダー)」にちなんだもので、人とまちをつなぐ願いと半田銀山の“はんだ”が掛けられている。その味は折り紙つきで、桑折町生まれの青りんごを使った「王林ペールエール」はジャパン・グレートビア・アワーズ2022のフルーツビール部門で銀賞、「半田銀山IPA」は同アワーズのアメリカンスタイルIPA部門で銅賞に輝いた。地元の恵みを生かした個性豊かな一杯を、できたての生で味わえる。このまちで散策の後はオシャレな同店で、桑折町ならではの味を楽しみたいもの。
MOVIE
個性豊かなクラフトビールの世界
Special Interview矢吹 奈子
桃をいっぱい食べられて、
ずっと幸せでした!
福島県に来たのは、今回が初めてだったんです。その最初の一歩が「献上桃の郷」桑折町だと思うと、本当にうれしくて。1日に桃をいっぱい食べることって、なかなかないじゃないですか。そんな贅沢はできないから、ずっと幸せでした。実は私、桃の香りの香水をつけていた時期があるくらい桃が好きなんです。だから畑でふわっと桃が香ってきたときは、もう本当に最高な時間でした。
桃農家の坂田さんと山本さんは、別々の場所で生まれて、関東の大学で出会って農家を始めたそうで。よっぽど仲が良くないとできないですよね。あのおふたりだからできている桃なんだなと思うと、より素敵だなと思いました。
桃のピザは、正直、私フルーツをお料理に入れるのが得意じゃなくて。でも、これは革命かもしれない。桃の甘さに生ハムの塩気が効いて、チーズとのバランスも完璧で。デザート感覚でも、お食事としても食べられる新しいピザでした。耳まで、本当においしかったです!
グランケットは、プライベート空間が広くて、仲のいい友達と来たら何時間でも楽しめそうでしたね。今回はお昼だったので、次は泊まって夜空を眺めたいな。ピーチポークは柔らかくて甘いお肉でした。旧伊達郡役所は、床がボコボコしているのが新鮮で、歴史を感じましたね。大野屋さんは、洋菓子店と和菓子店が合体しているのが今までにない発想。愛される理由が分かりました。ブルワリーでは、最後に飲んだ桜餅のビールが、最初は合わないかもと思ったのに、今でも思い出すくらい印象的でした。
桑折町は、みなさんが本当に温かくて、ずっと癒やされていました。ありがとうございました!
撮影・取材協力・写真提供
福島県・桑折町
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