
豊かな自然と海の幸
五感で体感!アジな旅!
2025 Aug.
Today’s LOCORECO trip!
「アジフライの街 」として全国的にも有名な松浦市。
豊かな自然や新鮮な海の幸、そして、迎えてくれる温かい人々に会いに来たのは、俳優の矢吹 奈子さんです。
(文/兼子雄治・写真/鈴木大喜)
※営業時間や価格は、すべて取材当時のものです。




長崎県松浦市について
人口: 20,155人
面積:130.55k㎡
(2025年6月30日現在)
豆知識:
「魏志倭人伝」には「末盧国(まつらこく)」という地名が登場し、現在の松浦市周辺を指すとされている。この「末盧」が「松浦」という地名の由来のひとつであると考えられている。

長崎県 / 松浦市MATSUURA CITY
長崎県の北松浦半島北部に位置し、北は玄界灘から伊万里湾に面し、西は平戸市、南は佐世保市、東は佐賀県伊万里市に接しているのが、今回訪れる松浦市。 豊かな自然、新鮮な海の幸、また農業や漁業、民泊体験など、地元の人々と触れ合いながら体験できるプログラムが充実しており、訪れる人々を楽しませてくれる。 水揚げ量が全国トップクラスのアジをはじめ、養殖量が日本随一のトラフグ、車エビや本マグロなど海の幸が豊富で、市内外から多くの観光客が訪れる。 水産物以外にもアスパラガス、ブロッコリー、松浦メロン、御厨ぶどう、牛、豚、鶏など、多くの食材に恵まれている。
INTRODUCTION



矢吹奈子やぶき なこ
Profile
2001年6月18日生まれ。東京都出身。HKT48・IZ*ONEのメンバーとして世界でも活躍する。グループ卒業後は連続ドラマのヒロインを務めるなど、現在は俳優業を中心に活動の幅を広げている。
自分で作るアジフライ
釣って、さばいて、味わって



長崎県の北部に位置する松浦市は、福島町、鷹島町、青島、黒島、飛島などの島も含めた美しい海に面した街です。そんな松浦市で矢吹さんが最初のロコレコさんに会いに訪れたのは北松浦半島の北部に位置する「御厨港(みくりやこう)」です。


港の景色を楽しんでいると船の方から「おーい!矢吹さーん!こんにちはー!」と呼ぶ声が。
船から颯爽と登場したのが、この旅1人目のロコレコ、松尾 文博さん。松尾さんは元漁師で、現在は海上タクシーなどを運行している生粋の船乗りです。


船に乗っての登場に驚いていると、「松浦はアジフライの聖地と呼ばれています。まずは、そのアジフライを味わっていただきたいと思います」と松尾さん。
「それではオススメのお店に行くんですね?」という矢吹さんに「自分で釣って、さばいて、料理して召し上がっていただきたいので船に乗ってアジを釣りましょう!」と応える松尾さん。
驚く矢吹さんですが、ライフジャケットを着て早速の出発です。

船に乗ってアジ釣りのポイントに向かいます。
アジ釣りは初めてだという矢吹さんに「小さ目のものはアジフライに、大きめのものは刺身用に両方釣れる様に頑張りましょう!」と松尾さんが声をかけてくれます。
「色々なサイズのアジが、たくさん釣れる様に頑張ります!」と気合いが入る矢吹さん。


船はアジ釣りのポイントに到着。こちらでは漁師歴約50年の山下 與範(くみのり)さんに教えてもらいながら、松尾さんとの釣り対決をすることになりました。
松尾さんと山下さんは、自然体験型観光プログラム「ほんなもん体験」のインストラクターもされているので、教え方は天下一品です。

山下さんの指導により矢吹さんもアジを釣りました!
「やりましたー!楽しいです!」と矢吹さん。「ゲームみたいに速くリールを巻いてしまうんですが、実際は駆け引きが必要なんですね!」と笑顔で釣りを楽しみます!


3人の今回の釣果は真アジと青アジ合わせて10匹。矢吹さんは、一番大きい真アジ1匹と青アジ2匹を釣りました。
狙っていた真アジは矢吹さんチームが矢吹さん1匹、山下さん1匹の2匹。松尾さんも2匹釣り、釣り対決の勝負は2対2の引き分けとなりました。
ちなみに真アジは体高が高く平たい体型、青アジは体高が低く丸みを帯びた体型で、一般的には真アジの方が食味が良いとされているそうです。


釣りあげたアジでアジフライを作るため、青島に到着しました。
こちらの青島は松尾さんが生まれ育った場所なんだそうです。「ここで最高のアジフライを作って食べましょう!」と松尾さんに誘われ海をバックにお料理スタートです!


松尾さんと山下さんのレクチャーのもと、楽しみにしていたという調理をしていきます。
今回は“ひらき”の形ではなく、3枚におろしていきます。
「初めてとは思えないくらい上手」と山下さんが驚くほどスムースにさばく矢吹さん。

「じゃーん!3枚おろしできましたー!」と笑顔の矢吹さん。
「本当に上手ですね。すごく器用だし美しく切れていますね」と松尾さんも笑顔です。


調理は最終工程に。衣をつけて揚げていきます。
「自分で釣った魚を自分でさばいて、自分で調理して食べるなんて素敵ですね!」と矢吹さん。
「すごく美味しいですよ!実はなかなかできない体験ですよね」と松尾さん。
楽しく会話をしている間にアジフライが、どんどん完成していきます。


「美味しそうにできましたー!」と喜ぶ矢吹さん。
早速いただきます。「まずは、何もつけずそのままで食べてみます。美味しい!身の厚さが普段と違います。フワフワしてる!」と矢吹さん。

「自分で釣ったアジをすぐに食べられるなんて、なかなかできない体験でした!しかもこんな大自然の中、海風を感じて贅沢で楽しくて貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!」と矢吹さん。
アジフライを五感で味わったのでした。



松尾 文博さん
Profile
船乗り。観光遊覧船、島の小中学校への給食を配達する給食船など、毎日船に乗っている。
MOVIE
“アジフライの聖地”で釣れたてを!
松浦の魅力いっぱい!
絶景バーベキューに大満足




続いてのロコレコさんに会いにやって来たのは、鷹島(たかしま)エリア。鷹島は松浦市に5つある島の内のひとつで、近海でとれるアジやサバはもとより、生産量が日本トップクラスの本マグロとトラフグの養殖が盛んに行われています。また、元寇があった地と言われており、島の周囲、特に南側の沖合いには沈没した元軍の艦船が今なお眠っているそうです。その歴史的重要性から水中考古学の貴重な資源を有する島としても注目されている島です。


「アジフライのモニュメント発見しました!なんだか可愛いですね!」と記念撮影をしていると「矢吹さーん!ようこそ松浦へ!」と声をかけてくれたのが、2人目のロコレコさん、北川 桃子さんです。北川さんは鷹島が大好きで13年ほど前に嫁いできたそうです。
「ここ鷹島町は、伊万里湾口部に浮かぶ島です。鷹島肥前大橋を向こう側に渡ると佐賀県唐津市なんですよ。自然豊かで美味しいものもたくさんある魅力的なスポットなんです」と北川さん。


「私が紹介したいのは、鷹島が誇る絶景バーベキューです!ちょうどこちらは道の駅になっているので、お買い物をしましょう!」と北川さんに誘われ「道の駅 鷹ら島」で食材を調達します。
肥前鷹島大橋のたもとにある「道の駅 鷹ら島」では、豊富な海の幸をはじめ豊かな土壌で育まれた農産物や地域の特産品がズラリとならんでいます。

「バーベキューのメイン食材も見に行きましょう。たくさんの部位があって難しいので、私より詳しい人に聞いてみましょう」と北川さんに紹介してもらったのは道の駅で働く松本 弘二さんです。
「バーベキューのメインはお肉じゃないんですね!」と驚く矢吹さんに、松本さんが美味しい部位をセレクトしてくれます。「なかなか市場に出回らないマグロのカマ、これを豪快に焼いて、希少部位のホホ肉などは刺身で」とオススメを購入します。


「鮮魚以外でもオススメはたくさんあるんですが、オススメなのは私が住んでいるエリアで育てられている長崎和牛の中でも鷹島牛です。シャトーブリアンは特に美味しいですよ!あとはやっぱりアジフライ。松浦市のふるさと納税でも人気なんですよ」と北川さん。
「すごい!お肉もお魚もあって豪華ですね!」と期待が高まる矢吹さん。
あとは揚げるだけの状態に調理されたアジフライは、松浦市のふるさと納税返礼品としても大人気。
ご自宅でも、味わってみては?詳細は下記のリンクより!
「ふるラボ」


バーベキューの食材を調達して移動してきたのは「toto・ん・トコ」というキャンプ場です。
「すぐ目の前が海なんですね!ここでバーベキューしたら格別でしょうね!」とテンションが上がる矢吹さん。
「本当に気持ちの良い場所なんですよ。行ってみましょう!ここは割と穴場スポットだと思いますよ」と北川さん。


「トトさーん!お客様いらっしゃいましたよー!」と北川さんが声をかけると迎えてくれたのは、トトさんこと道の駅で食材を一緒に選んでくれた松本さんです。
「あれ!私も知っている方ですね!キャンプ場にもいらっしゃる?」と不思議そうな矢吹さん。
「実はトトさんは、道の駅でも働いていますし、こちらのキャンプ場のオーナーでもあるんですよ」と北川さん。


「ようこそ!今日はバーベキューを一緒に楽しみましょう!」とトトさんとバーベキューの準備をします。
機材を運び、一緒に椅子や机を組み立てます。「みんなでやると準備も楽しいですね」と矢吹さん。
すると「ここからは、私が用意しておくから、ふたりはお散歩でもしておいでよ」とトトさん。


「実は写真映えするスポットが近くにあるんですが、行ってみませんか?」と北川さんに誘われ目の前に広がる海の方へ行ってみることに。
「あちらの先にある希岩(まれいわ)と呼ばれる恐竜の頭みたいな岩まで行きましょう」と北川さん。


高さ15メートルほどの砂岩、通称「希岩」に到着しました。
「すごい!近くで見ると、本当に神秘的な雰囲気です」と矢吹さん。
「撮影スポットとして最近定着しつつある場所なんですよ。地層に詳しい方も見に来たりしているみたいです」と北川さん。ふたりで写真撮影を楽しみました。


キャンプ場に戻ってくると、トトさんが準備を終わらせてくれていました。
「おかえりなさーい!こちらにバーベキューの準備ができていますよー!まずはビールで乾杯しましょう!」とトトさん。
「わー!嬉しいです!カンパーイ!」と笑顔の矢吹さん。


まずはお刺身からいただく事に。写真左下から、大トロ、赤身、中トロ、希少部位のホホ肉です。
トトさんのオススメする食べ方は、醤油とワサビのほか、道の駅で購入可能な「マグロ丼のタレ」とのこと。また、希少部位のホホ肉は醤油にショウガをつけて食べると美味しいんだとか。お刺身を食べる間に鷹島牛やアジフライも準備します。
「マグロのお刺身がとろけます。ホホ肉はなんだか馬刺しみたいなイメージ。初めてですが美味しいです!」と矢吹さん。

「お刺身ももろんだけど、このカマも最高だよ!朝まで泳いでいたマグロだからね!これが楽しめるのは鷹島の魅力だよね!」とトトさん。
「カマ!豪快!すごく大きいですね!とろけちゃう様な食感で美味しすぎます!焼くのも良いですね。甘口の醤油もすごく合います。」とお気に入りの様子の矢吹さん。


そして、シャトーブリアンとアジフライ。「シャトーブリアン、柔らかくて本当に美味しいです。塩で食べるとお肉の味がすっごく伝わってくるし、ワサビ醤油で食べても、お肉の脂がキリっとしまって美味しい!」と矢吹さん。「シャトーブリアンって、普段から家庭で食べる事が少ないと思いますけど、これが道の駅で買えてバーベキューで楽しめるって最高ですよね」と北川さん。
「アジフライもやっぱり美味しい!自分で釣ったもののも食べましたが、こちらもまた格別!外はサクサク、中はふんわり!」と大満足の矢吹さん。


「美しい景色の中で地元の食材バーベキュー、本当に楽しくて美味しかったです!ありがとうございます!」と矢吹さん。
「松浦市の魅力を知ってもらえて私たちもすごく嬉しいです!」と北川さんも応えます。
ゆっくりと贅沢に流れる楽しい時間は続いたのでした。
道の駅 鷹ら島

島の小さなキャンプ場「 toto・ん・トコ」




北川 桃子さん
Profile
鷹島を愛する主婦。13年ほど前に嫁いで来た事をきっかけに移住。
MOVIE
絶景で頂く!松浦の味
オトナの隠れ家で楽しむ
みんなのアジフライ




続いてのロコレコさんに会いにやって来たのは、星鹿町(ほしかちょう)にある姫神社です。
「海の近くでとても気持ちが良くて、すごく空気が澄んでいる感じがしますね」と境内を散歩する矢吹さん。


「矢吹さん、こんにちは!」と声をかけてくれたのは、松浦市役所文化観光課に勤める福守 真由さんです。
「ここ姫神社の境内の中にある境内社(けいだいしゃ)が奥にもあるので、そちらもお参りしてみませんか?」と福守さんに誘われ、さらに奥へと進みます。


「すごい!金色の鳥居ですね。福宝神社(みたから)っていうんですね?」と矢吹さん。
「実はこちらの福宝神社は、金運が上がる神社なんです。昔、姫神社の宮司さんの夢枕に神様が訪れて「木の根元に財宝があるよ」というお告げがあったそうで。実際に掘ったところ本当に財宝がでてきたという話が残っているんですよ」と福守さん。
話を聞いて「しっかりとお参りしておきます」と矢吹さん。


「神社ももちろんなんですが、私がオススメしたいのは、やっぱりアジフライのお店です!でも、普通のお店と違うのが、松浦のオシャレスポットで、音楽と美味が詰まった大人の隠れ家バーなんですよ」と福守さん。
やって来たのは「SUNNY SIDE KITCHEN」です。


店内に入ると、オシャレなライブバー空間がひろがっていました。
「すごい!ステージもあるし、素敵なお店ですね。ここでアジフライが食べれるんですね。楽しみです!」と矢吹さん。
「そうなんです。 こちらは誰でも使えるバンドセットが置いてあって定期的にライブが行われているんですよ」と福守さんが教えてくれます。

こちらで迎えてくれたのは、店主の関 洋美さん。
さっそく「アジフライ定食」をオーダーします。また、バーということで、アジフライに合うお酒も頼みます。関さんオススメの「小みかんサワー」もオーダーしました。


するとアジフライ定食が運ばれてきました。
「まずは何もつけずに召し上がってほしいです」と福守さん。
「身がフワフワで、アジの美味しさがそのまま伝わってきます」と矢吹さん。
また、同店オリジナルの“レモンだれ”でもいただきます。
「初めて食べますが、すっきり爽やかで美味しいです!これはハマりそう」と笑顔の矢吹さん。


近所の方が届けてくれたという地元のみかんを使った「小みかんサワー」もいただきます。
「すごく爽やかなお味で、アジフライに合います!食がどんどん進みます」とお気に入りの様子の矢吹さん。
福守さんと乾杯して食事と会話を楽しみます。
会話の中でたくさんのアジフライの食べ方があることに気づいた矢吹さん。オススメの調味料を店主の関さんに聞いてみる事に。


「お店ではオリジナルのタルタルと、レモンだれ、塩をアジフライ定食につけているのですが、醤油もソースも松浦市で作られているアジフライスパイスも出せますよ。みなさん、お好きな食べ方がおありなんですよ」と関さん。
「そうなんです!本当に色々な食べ方があるんです。でも何が正解っていう訳ではなくて…そこで松浦市では2021年にアジフライ宣言を出したんです」と福守さん。
「本当だ!三番のところ、“ソース派も醤油派もタルタル派も仲良く食べること”って。なんだか可愛くて素敵な宣言ですね!さすがアジフライの街ですね」と矢吹さん。


アジフライを楽しんだ後は、なんと生ライブを聞けることに。
ギターボーカルの樋渡 達雄さん、ベースの小嶋 英司さん、 キーボードの中原 みどりさん、PA(音響)の中村 哲郎さん。ドラムは店主である関さんの旦那様、関 隆之さんです。オリジナルソング「ロンリーガール」を楽しみました。
「素敵です!ありがとうございました!格好良かったです!」と目を輝かせる矢吹さん。

バンドのみなさんや常連のみなさんにも聞いてみるとアジフライには、それぞれの食べ方がありました。
ソース派も醤油派もタルタル派もみんな仲良く記念写真を撮って、旅を締めくくったのでした。
SUNNY SIDE KITCHEN(サニーサイドキッチン)




福守 真由さん
Profile
松浦市役所文化観光課で松浦市の魅力をPRしている。アジフライグッズを豊富に持っているアジフライ通。
MOVIE
アジフライとお酒と音楽と
Special Interview矢吹奈子
初めて訪れた街で
景色・人・食に癒やされた旅の終わりに


みなさん本当に温かくて優しくて、方言も少し可愛く聞こえてきて友達みたいに話してくれた事が嬉しくてすごく癒やされました。


自分でアジを釣って、さばいて、料理して食べたアジフライは思い出に残りましたし、すごく貴重な体験をできました。本当に楽しかったです。


海の幸が本当に豊富で、全部美味しくて。まだまだ食べたいものも発見できた旅でした。
自分で作ったり、バーベキューだったり、お店で食べたり。今まで食べてきたアジフライとは、どれも違っていて、そして美味しい!本物のアジフライに出会えたと思いました。

もっと色々な魅力がまだまだあると思うので、また絶対に松浦市に遊びに来たいと思いました。
松浦市のみなさん、本当にありがとうございました!

撮影・取材協力 松浦市