今年は特に良い!?
隠れパワースポット




井口さんが日光市で最初にやって来たのは「日光東照宮」です。「日光東照宮」は日本全国の東照宮の総本社的存在で隣接する「輪王寺(りんのうじ)」と「日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)」を含めた二社一寺は「日光の社寺」としてユネスコ世界文化遺産に登録されている由緒正しき神社です。「学生の頃に来た以来、10年ぶりくらいに来ました。初めてのロコレコ、どんな人やどんな場所に出会えるのか楽しみです 」


日本屈指の観光名所として国内外から人気が高く、国宝や重要文化財に指定された、多くの豪華絢爛な社殿群が訪れた観光客を魅了する「日光東照宮」。日本の伝統的な技術や芸術性の高さを示した建築美が魅力のひとつ。観光スポットとして有名な「五重塔」や「眠り猫」「三猿」「陽明門」などをはじめ、華やかな装飾が施された建物、数多くの彫刻作品があちこちに飾られています。


江戸時代初期の名彫刻家である左甚五郎(ひだりじんごろう)作と言われる「悪いことを見てはいけない、言ってはいけない、聞いてはいけない」という教えで有名な「三猿」を見ていると声をかけてくれたのが、最初のロコレコさん、春日 武之さんです。生まれも育ちも日光市の春日さんは、江戸時代から続くといわれる「堂者引き(どうじゃびき)」という二社一寺をはじめとする現地観光ガイドさんです。

そんな日光東照宮を知り尽くす春日さんが、パワースポットが好きだという井口さんに東照宮随一のスポットを早速教えてくれました。「境内の石畳のある1枚の上に立ち「陽明門」の方へ向くと、石段前に立つ「唐銅鳥居(二の鳥居)」の中に「陽明門」がすっぽりとおさまる場所があり、そこが特に御利益がある」そうです。「すごい!本当にきれいに見ることができますね!」と驚く井口さんでしたが、さらにとっておきの場所に連れて行っていただく事に。

日光の社寺のことならなんでも知っている春日さんが今回レコしてくれるのは、普段、ガイドでも案内することがない「日光はじまりの地」といわれる隠れパワースポットなんだとか。「“東照宮”から少し離れた場所にあるんですね?」と不思議そうな井口さん。「今から行く場所は、今年は特に良いスポットかと思います」と春日さん。その言葉に期待が高まります。


春日さんに案内されやって来たのは、四本龍寺(しほんりゅうじ)です。「ここが日光の“はじまり”なんですか?」と井口さん。「766年に勝道上人(しょうどうしょうにん)というお坊様が、日光の開拓に来られました。そこで最初に作ったお寺がこちらなんです。東側に青龍、南側に朱雀、西側に白虎、北側に玄武という4人の神様がいます。それらを表す東側が川、南側が水のほとり、西側に街道、北側は山、その中心が四神相応(しじんそうおう)と言って、最もパワーの集まる場所で、その地に建てられたのが、この四本龍寺です」と春日さん。

「先ほど、この場所が今年特に良いとおっしゃっていたのですが、それはどうしてなんですか?」と井口さん。「実は勝道上人がこの地に向かって来る時に大きな川に道をはばまれました。そこに蛇の守護神が現れて、勝道上人を救い、この地へと誘ったそうです。勝道上人は蛇にまつわる力でここ日光に来られたと言われているんです」と春日さん。「なるほど、今年は巳年ですね!蛇にまつわる力で日光にたどり着いた勝道上人。そしてこちらは、その勝道上人が初めて作ったお寺。日光の“はじまり”で中心の地。すごくパワーがいただけそうです!」と笑顔の井口さんでした。
日光山輪王寺 四本龍寺
(にっこうさんりんのうじしほんりゅうじ)




春日 武之さん
Profile
日光殿堂案内協同組合・理事長。生まれも育ちも日光市。「日光の社寺」専門の案内人。
MOVIE
日光はじまりの地のパワースポット
電車で訪れる隠れ里
心うばわれる絶景へ
