Today’s LOCORECO trip!
変化に富むリアス式海岸の景観と雄大な山並みが美しい鳥羽市。街全体が伊勢志摩国立公園に位置するという自然の魅力いっぱいのこの街を女優・工藤美桜さんが訪れました。
(文・兼子雄治/写真・鈴木大喜)※営業時間や価格は、すべて取材当時のものです。
三重県鳥羽市について
人口:17,018人(2023年5月31日時点)
面積:107.34km2
豆知識:女性が素潜りでアワビ、サザエや海藻を獲る海女漁が盛
んで日本遺産の認定も受けている鳥羽市。海女漁の歴史は古く
縄文時代には素潜りで漁をする人がいたとか。また万葉集にも
素潜り漁の記述がある。世界でも日本と韓国のみの希少な漁法
である。
三重県 / 鳥羽市TOBA CITY, MIE
志摩半島の北東端にあり、西を伊勢市、南を志摩市と接する。北と東は海に面し伊勢湾と太平洋を分ける位置にある。気候は温暖。美しいリアス式海岸が広がっていることから、市域全体が伊勢志摩国立公園に指定されている。
また日本で最も海女さんが多い。世界で初めて真珠養殖に成功した街でもある。
独自の文化を残す離島や数々のレジャースポットなど、たくさんの魅力溢れるエリア。
INTRODUCTION
工藤美桜 くどうみお
Profile
女優。
2020年スーパー戦隊シリーズ「魔進戦隊キラメイジャー」キラメイピンク役でレギュラー出演。
TOKYO MERでは「死者は…ゼロです!」と結ぶ東京都庁危機管理対策室職員を演じた。 劇場版TOKYO MERは現在公開中。
たくさんの美味しいが
詰まった地元に愛される味
さて、まず工藤さんがやってきたのは、飼育種類数約1,200と日本一を誇る鳥羽水族館。
小さい頃に来たことがあるそうですが、「ちゃんと観てまわるのは初めて」と興味津々の様子です。
日本で唯一見られるジュゴン・セレナの水槽を眺めながら海の生き物たちの優雅な泳ぎを堪能します。
同館人気者のラッコ、キラちゃんメイちゃんのもとに訪れ「すごく可愛いし泳ぐのが上手」と楽しんでると1人目のロコレコさん、カゾ・ポーリンさんと出会いました。
鳥羽市観光課の国際交流員でフランス人のポーリンさん。「海が近くて人が優しくて食べ物がおいしい。そして海女文化が特に気になって」いたため鳥羽市に移住してきたとのこと。そんな彼女がレコしてくれるのは、海女さんが獲ってきた食材を活かした地元民にも大人気のグルメなんだとか。
やってきたのは、クボクリキッチン「花清水」さんです。早速店内へ。
ポーリンさんいわく「かつては久保クリーニング店さんだった」店舗兼住宅をリノベーションしたのがクボクリの呼び名の由来なんだとか。そんなクボクリで「花清水」さんを営む清水さんご夫妻の奥様るり子さんが、オーダーした商品を運んできてくれました。期待が高まります。
2人がまず頼んだのは同店看板商品「鳥羽ちゃんぽん」。
特長のひとつであるスープは、カキベースにエビやタマネギの皮から出汁をとっています。具材には鳥羽で獲れたメカブやワカメに加え全国からその時の旬のものを取り寄せその時の一番“美味しい”を提供するこだわりの逸品です。
「オススメのグルメは、ちゃんぽんだったんですね?美味しそうすぎる!」と大興奮です。
一口食べて「これは、、、見た目も美しいしカラフルなんだけど、とにかく色んな味がして美味しすぎる!」
ポーリンさんもよく訪れるそうで、特に金曜日にご褒美として食べに来るんだとか。
フランス出身のポーリンさんいわく「肉と魚介が一緒に入っている料理はフランスには少ない。マリアージュが美味しいんです」とのこと。
次のお料理を旦那さんの透さんが運んできてくれました。京都の料亭で修業し大阪で約25年間料理屋を営んできた職人技で作られた「鯖寿司」をいただきます。「脂が乗ってて香ばしくて最高です」と大満足。
「どうしてちゃんぽんと鯖寿司なんですか?」と尋ねると「たくさん美味しいものを入れられるちゃんぽんはこの地に合っているし1,000円札一枚握って食べに来られる料理が出したくて。鯖寿司は和食をはじめた頃から好評だったので」とのこと。「このセット持ち帰りたい!」と満喫した工藤さんでした。
鳥羽水族館
クボクリキッチン花清水
「鳥羽の台所」と呼ばれていた鳥羽4丁目の旧街道沿いにある人が自然と集う場所クボクリ。クボクリ1階は、クボクリキッチン「花清水」とクボクリカフェ
「N3Coffee」が営業。クボクリ2階はシェアオフィスとなっている。
また「花清水」では現在までちゃんぽんが約50種類も提供されてきた。その時期限定のちゃんぽんを食べに行ってみては??
カゾ・ポーリンさん
Profile
鳥羽市観光課国際交流員。フランスと鳥羽をつなぐ架
け橋となるような活動を行っている。
MOVIE
クボクリキッチン
海女さんのパワーの源‼
とっておきスイーツとは⁉
さて、次にやってきたのは海女のまち・相差町です。出会ったロコレコさんは、上村領佑さん。
鳥羽市相差町で生まれ育ち、「相差海女文化運営協議会」で海女文化発展につとめているとのこと。
そんな地元と海女さんを知り尽くす上村さんがレコしてくれるのは、海女さんに関係するスイーツなんだとか。期待が高まります。少し距離があるということで、2021年から運用開始されたレンタル電動キックボード「0032Ride(おうさつライド)」に乗って移動します。
「0032Ride(おうさつライド)」で移動していると、なにやら海の向こう、山の斜面に小屋が見えてきました。
「あの小屋が行き先です。海女さんたちのかまどです。」という上村さん。
“かまど”とは海女さんが海から戻り冷えた体を温めるための“海女小屋”のことをいうそうで、こちらの「相差かまど おぜごさん」では本物の海女さんのおもてなしグルメやふれあい体験ができるんだとか。
「よく来たねー」と磯着で迎えてくれたのは現役の海女さんのおふたり。
「私、本物の海女さんとお話するの初めてかもしれません!」と大喜びの工藤さん。
さらに、おふたりの年齢を聞いて「若すぎる!肌がきれいー!」と女子トークに花が咲きます。
相差町での海女漁は毎年3月から12月まで行われ、資源保護のため1回の漁は90分と決まっているそうで、おふたりとも本日も9時から10時30分まで漁に出ていたとのこと。まずは獲れたての魚介をご馳走していただくことに。
“かまど”で豪快に焼かれていく獲れたて新鮮な魚介の数々。「こんな大きさのアワビやアサリみたことない」とテンションがあがります。
子持ち伊勢エビ、大アサリ、ホタテ、アワビと食べ進めます。
「大好きなエビから食べたけど全部、想像を上回ってくる…アワビ、ちゃんと食べたの初めてかも。キモも美味しい!」
それを聞いた海女さんから「この辺ではアワビのキモを食べると目のキレイな子がうまれるって言われているよ」と海女さんならではの豆知識も教えてもらったのでした。
大満足の工藤さんでしたが、「実は、私がレコしたいのは、この後のスイーツなんです。体力を使う海女さんには糖分が重要なんです」と上村さん。
「私たちの元気の源、伝統のスイーツです」と出していただいたのは“きんこいも”を干しいもにした「にっきり干し」と、きなこをたくさんかけた「ところてん」。
「にっきり干しは焼いているから軽い感じで甘すぎず沢山食べられそう。ところてんはシンプルな味なんだけど、歯応えがいままで食べていたものと全然ちがう!ハマっちゃいそう…」と大感激なのでした。
0032Ride(おうさつライド)
相差かまど おぜごさん
現役海女さんの話を聞きながら海女小屋「かまど」の中で食事やおやつを食べる体験ができる貴重な施設。
食事はもちろんのこと、伝統的な海女漁の服装である磯着を着ての記念撮影なども体験に含まれている。完全予約制ですのでHPよりご予約ください。
上村領佑さん
Profile
生まれも育ちも相差町。
おばあ様は海女さんだった。
MOVIE
相差かまど
海の街を盛り上げるグルメは
地元を想う気持ちの結晶
さて、相差町の街並みを歩いていると3人目のロコレコさん・中田文美さんに出会いました。
中田さんは海女さんでありつつ、アクセサリー作家でもあり、5人のお子様を持つお母さんでもあるのです。それを聞いて「かっこいい!女性として憧れます」と羨望のまなざしです。
そんな中田さんがレコしてくれるのは「海の街を盛り上げる絶品グルメ」とのことで早速移動します。
中田さんに案内されてやってきたのは、テイクアウトでもイートインでも楽しむことができる「オウサツキッチン0032」です。
オシャレな雰囲気のお店と手軽に美味しく食べられるメニュー、映えるドリンクで若者を中心に人気のお店なんだとか。
中田さんいわく「すごく海への思いにあふれてるお店なんですよ」とのこと。
店内に入り、女子トークをしながらオーダーしたのは名物の「ザコフライサンド」。
「ザコフライってなんですか?なんの魚?」と気になる様子の工藤さんに中田さんが応えてくれます。
なんでも「サイズが合わない魚や一定の量より少ない水揚げの魚、もしくは一定の量より多く水揚げされた魚は売り出すことができない」そうで“ザコ”として扱われてしまうとのこと。それらの魚を同店が買い取り「ザコフライサンド」として提供しているんだとか。
「それは素晴らしいアイデアですね。ちなみに今日のお魚はなんだろう⁉」と工藤さん。
なんと、今日の魚は“タイ”と“ヒラメ”だそうで「全然ザコじゃない!」と驚きます。
「揚げ物なのに、なんか軽いというかフレッシュというか、すごく美味しいです」とご満悦。ちなみに衣には“相差わかめ”が混ぜられていて美味しさをさらにアップしてくれているんだとか。
名物を味わった後は、飲み物で喉を癒します。中田さんのお子様にも大人気の「レインボーところてんサイダー」が運ばれてきました。「甘すぎずさわやかでところてんの食感が楽しい」味わい。工藤さんはブルーハワイ、中田さんはゆずレモンを選びましたが、他にも3種類選べるので、何度訪れても楽しめそうですね。
「もったいない!という気づきや漁師さんや海女さんを想う気持ちを形にしているのって、すごく心動かされます」と感動の工藤さんでした。
オウサツキッチン0032
中辰商店
中田文美さん
Profile
海女さんでありアクセサリー作家。
5児の母の顔も持つ。
MOVIE
オウサツキッチン0032
女性の願いをひとつだけ
叶えてくれる石神さん
相差町の氏神様である「神明神社」の参道にあるショップ「古民家・海女の家 五左家」さんでお土産をみていると4人目のロコレコさん・中山茂代さんにお会いできました。
「こんにちは美桜ちゃん」と笑顔で声をかけてくれた中山さんも現役の海女さん。
海女さんたちが古くから安全大漁を祈願する「神明神社」と「石神さん」をレコしていただくことになりました。
まずは、相差町の氏神である神明神社にお参りします。
神明神社の創立年代は分かっておらず、一説によると“ムラ”ができたとされる弥生時代頃より祀られていたという説も。素潜り漁も一説には縄文時代からあったとされる説があるため深い由縁があるに違いありません。
そんな海女さんたちにとって大切な場所で、しっかりとご挨拶です。
ご本殿への参拝を終えると参拝前から気になっていた大きなおみくじが。
「こんな大きいおみくじ初めてみます。これはどうやるんだ⁉」と持ち上げて振ってみる工藤さん。なかなかの重さのようでしたが楽しんでおみくじを振っていました。
「吉でした。それより、すごくないですか?息切れしちゃうけど楽しい!」
続いて中山さんにいざなわれて向かったのは境内社の石神社、通称「石神さん」です。
近年「女性の願いを一つ叶えてくれる」という評判が広まり、全国各地から女性たちがこぞって参拝に訪れているそうです。まずは、備え付けの用紙に願い事を書き、願いを込めた用紙を入れ参拝します。
真剣にお願いごとをします。「絶対願いが叶いますよ」と中山さんに言われ笑顔の工藤さんでした。
ちなみに御祭神には日本神話に海の神の娘、神武天皇の母として登場する玉依姫命が祀られているとのこと。
その昔、正月のある晩に島田髷に結った女神が石神さんの元に現れたという言い伝えを、相差町の海女さんが古くから信仰し、海に潜る際の安全大漁を祈願してきたという石神さんで参拝を終えました。
神社の旗や文字の色が紫色なことが気になっていた工藤さんに「昔は“貝紫(かいむらさき)染め”っていって、イボニシ貝の紫色の液で染めたり文字を書いたりしたんです。海女さんの魔よけの手ぬぐいに描く時も紫色。だから海女さんと縁の深い石神さんの色も紫色です」と中山さん。
中山さんに「海女さんが関わるお守りがありますよ」と教えてもらいお守りを手に入れた工藤さん。
紫色の文字と不思議なふたつのマークが。
格子柄の「ドーマン」はたくさんの目で魔物をひるませ退散させるため、星形の「セーマン」は、一筆書きで必ず同じ場所に戻ってくることから、潜水しても必ず戻ってこられるようにという意味があるのだそう。
長い間、海女さんたちを守ってきた石神さんのお守りは、きっと工藤さんを守ってくれますね。
神明神社(石神さん)
古民家・海女の家 五左家
中山茂代さん
Profile
現役の海女さん。
神明神社に年4回は参拝する
MOVIE
石神さん
SDGsな大人ヴィラで
サステナブルな旅を
旅の終わりは、やっぱりお宿と夕食。ということで、「相差かまど」を紹介してもらったロコレコ・上村さんが経営するリゾートヴィラ「季さらOneness」さんにやってきました。
同ヴィラは2022年4月にオープンした“旅館のおもてなしとはまた違う、別荘のようにくつろげる贅沢”を味わえる宿泊施設。その魅力を紹介していただきます。
まずはダイニングエリアへ。
「キッチンのシルバーの感じとダイニング全体の木の温もりの感じがすごく好き」という工藤さん。
なんでも、室内の家具やフローリングなど地元・三重県産のヒノキやスギ、トチなどの木材を活用しているんだとか。木目や節もそのまま活かし、ありのままの自然の美しさと素足で過ごす快適さを感じて欲しいとのこと。
続いてはベッドルームへ。こちらも三重県産の木材を使用していることに加え三重県下に本社・工場を持つ羽毛専業メーカーのリサイクル羽毛「グリーンダウン」を採用しているというこだわり。リサイクル羽毛の方が実は、不純物が取れ、保温吸湿にすぐれているとのこと。
「かっこいいとか、カワイイだけでなく地産地消やリサイクルにも気をつかっているんですね」
お待ちかねの夕食です。なんと夕食は三重県の食材をふんだんに使ったBBQをテラスでいただきます。
またBBQ素材含め、前菜、カルパッチョ、ロールキャベツなどがすべて冷蔵庫に用意してあり、好きな時に好きなタイミングで食べることができるという配慮も。
「プライベートな時間を大切にしてくれるのは嬉しいですね」とこれまた感心。
上村さん自ら焼いてくれたBBQを満喫する工藤さん。
焼く前に低温調理済の松坂牛や、珍しい伊勢エビの干物、地元のアワビなどを食べ
「三重県にはこんなに美味しいものがいっぱい。めちゃめちゃ幸せすぎる。プライベートでも来たい」とご満悦で旅をしめくくったのでした。
季さら Oneness
季さらOnenessよりプレゼント!
大人のリゾートヴィラを体験しよう!
なんと、今回、季さらOnenessさんより本記事を御覧の2組4名様に「一泊二日(旬の味覚BBQスタイルの夕食付)ペア宿泊券」をプレゼント!!
このチャンス、見逃す手はありませんよ!
応募詳細は下記URLをクリック️!!
※時期によりご利用いただけない日程もございます。️https://tsplus.asahi.co.jp/articles/other/7104/
MOVIE
季さらOneness
Special Interview 工藤美桜
雄大な自然、深い歴史と文化
魅惑のグルメや人とのつながりを
体感した旅
たくさんの美味しいグルメに出逢えました
もう本当に美味しいものが多すぎました。
伊勢エビや松坂牛は聞いたことがありましたが、見たことのないくらい大きなアワビや初めて食べた大アサリとか、数えたらキリがないですけど、一番感動したのは「きなこのところてん」です。
最高に美味しくてビックリしました。あれはハマっちゃいますね。
鳥羽市には羨ましいモノがたくさんありました。
もちろん自然やグルメもそうなんですが、地元の方々の街を盛り上げたい気持ちとか、皆さんの包み込むような優しさとか。本当にステキな街でした。
また来てみたいと思っています。ありがとうございました。
鳥羽フィルム写真館
大好きなフィルム写真で紡ぐ旅の思い出
以前のロコレコでもフィルム写真にハマっていると言っていた工藤さん。
今回もフィルムカメラでも撮影しました。