電車で訪れる隠れ里
心うばわれる絶景へ



続いてのロコレコさんに会いにやってきたのは、男鹿川と鬼怒川の2つの河川が合流する渓谷にたたずむ川治温泉郷(かわじおんせんきょう)。江戸時代の開湯から会津西街道を利用する旅人や、地域の人々に古くから親しまれてきた温泉郷です。景勝地「龍王峡(りゅうおうきょう)」へ続く遊歩道も整備されており、散策やハイキングが人気です。


こちらで出会ったロコレコさんは、足湯に浸かっている船曳 大輔さん。川治温泉エリアを盛り上げるグループの副会長として地域密着のイベントなどを行っています。船曳さんによると「川のほとりに源泉小屋があるんですが、川治には4つの源泉がありますので湯量が豊富で、こういった足湯施設が、いくつかあるんですよ」とのこと。「あまり足湯って入る機会がないんですが、私も体験させてください」と井口さん。

「川治の温泉の効能としては、昔から“怪我の川治”と呼ばれていて、疲労回復や、怪我をした時に良いとされています」と船曳さん。「だから“川治”って“治る”っていう字が入っているんですか?」と井口さん。「あ!そうなのかも知れない!」と笑う船曳さん。話がはずんだところで、生まれも育ちも川治っ子の船曳さんにレコしてもらう場所へ移動します。


「温泉ももちろんですが、自然を楽しんでほしい。それを楽しめる乗り物に乗りましょう!」と船曳さんに連れてきてもらったのは、野岩鉄道会津鬼怒川線川治温泉駅(やがんてつどうあいづきぬがわせんかわじおんせんえき)です。「駅ですね!自然を楽しめる乗り物って電車なんですね!」と井口さん。「野岩鉄道と言って、日光市と福島県をつないでいます。小さい頃から使っていましたが、今でもたまに乗るんですよ。春夏秋冬美しい景色が楽しめます」と船曳さん。


「色々な席のタイプがあって“畳座席”や“掘りごたつ席”があるんですよ。今回はたまたま、お座敷列車に乗れたのはラッキーでしたね。日程が決まっていて予約することで乗ることができる人気の車両なんですよ。日本酒を飲みながら電車に乗るイベントなどもやっていて本当に楽しい電車なんです。車窓からの絶景も見てください。ここから川治が一望できるのを紹介したかったんです」という船曳さん。


湯西川温泉駅(ゆにしがわおんせんえき)に到着しました。「トンネルの中に駅があるんですか?」と驚く井口さんに船曳さんが応えます。「湯西川は山に囲まれているので、地下20メートルくらいの位置に駅をつくったんです」とのこと。「空間がアトラクションみたいでワクワクします!すごく新鮮な気分です。こんな場所があるなんて知らなかった!」とその雰囲気を楽しみました。


「もう1か所、絶景ポイントに案内したい」という船曳さんに連れられ、湯西川温泉駅から少し歩きます。「もしかして、あの陸橋がさっき電車で乗って来た所ですか?」と井口さん。「そうなんです!国道と陸橋が並行している場所ってなかなかないですよね。電車から見る景色も良いですが、こちらからもまた最高なんです」と船曳さん。しばらくすると電車が走ってきました。その景色を存分に堪能するおふたり。

「この水の透き通るような美しさと山々と青空と、そこに素敵な電車が通って行って。なんだか心が洗われる様な一瞬でした。すごくパワーをいただけた様に感じます。電車の音も聞こえてきて、とても心に残る景色でした」と日光市が誇る隠れ里の絶景を楽しんだのでした。
湯西川温泉駅(ゆにしがわおんせんえき)

野岩鉄道会津鬼怒川線の駅。湯西川温泉へ路線バスで約30分の位置に所在する。全国でも珍しい山岳トンネル内にホームがある駅。駅前には五十里湖(いかりこ)が広がっている。



船曳 大輔さん
Profile
川治温泉地域活性化副会長。川治温泉を盛り上げるため、地域密着でイベントなどを開催している。
MOVIE
自然を楽しめる乗り物で日光の隠れ里へ
アレもコレも全部!
全ての願いが叶う場所
