昔からある場所と味
大町を感じる銘店
この旅最後のロコレコさんに会いにやって来たのは仁科三湖のひとつ・中綱湖です。仁科三湖の中では最も小さく四季折々の風景が人気で穴場フォトスポットでもあります。「水面に空と山が反射してきれいです。水も澄んでるから底のほうまで見えます」とその美しさに感嘆の声をあげる矢吹さん。
こちらで出会ったのは、大町生まれ大町育ちのカメラマン・柏原清さんです。地元である大町のパンフレットなどにも写真を提供するカメラマンでありながら、黒部ダムのダムカレーの開発など、カメラ以外でも大町市を盛り上げています。「中綱湖はワカサギ釣りも有名ですが、本当に風景が美しい場所なんですよ。私の好きなスポットがあるので行ってみましょう」と柏原さんに案内され絶景スポットへ向かいます。
「仁科三湖の中でも一番好き」だという柏原さん。「春には桜が咲き、夏には新緑、秋には紅葉、冬にはあたり一面の雪景色と、四季を通して美しいんです。それらが湖面に反射して映る姿は圧巻なんですよ。日々変わっていく様子を見るのも好きで先週も来たほどです」と中綱湖の魅力を語ってくれました。
(上部写真提供:柏原 清)
すると、おもむろに牛乳瓶を取り出す柏原さん。「ここで飲む、この牛乳が最高なんですよ!」と矢吹さんにも牛乳をすすめます。「“松田びん牛乳”という商品名なんですが、子供の頃からよく飲んでいました。昔から“富より健康”のキャッチコピーの牛乳びんで有名ですよ」と笑う柏原さん。「良いキャッチコピーですね!牛乳、久々ですが瓶で飲むの最高です!濃厚だけどすっと入ってくる」と矢吹さんも笑顔です。お二人とも完飲です。
柏原さんオススメの絶景スポットでオススメの過ごし方をしたおふたり。ゆっくりと時の流れを感じます。「先ほど一緒に飲んでいた牛乳もそうですが、子供の頃から食べていた大町で愛されているグルメがあるので、こちらも味わってみませんか?」と柏原さんに誘われ移動することに。
「ここですね。俵屋さん?きれいでオシャレなお店ですね。なんのお店だろう?」と不思議そうな矢吹さん。「地元のみんなに愛されているお店で住んでいる人はもちろん、帰郷してきた人も一度は食べに来たいと言うお店なんですよ。早速入ってみましょう」と店内に入ります。
「あ!見たことがあるテーブルがありますね。メニューや看板を見て確信しました。中華のお店ですね」と笑顔の矢吹さん。こちらの「俵屋飯店」は地元の精肉店が運営している中華料理店。1923年に精肉店として創業し、その後、中華料理をはじめた同店はオープン以来、地元民に愛され続けています。2019年には店舗をリニューアルし、より過ごしやすい空間となりました。
「中華すごく好きです。最近ひとりラーメンにもデビューしたんです。メニューがたくさんあるけど、特にオススメはありますか?」という矢吹さんに「ギョウザなんです!」と柏原さんが応えます。「ギョウザ大好きです。すごく楽しみです」と言う矢吹さん。早速オーダーします。
「よく見るギョウザと違います。揚がってる?そして大きいです。皮の食感が裏と表でちがう。焼き目のある方はカリカリで反対側はやわらかい。お肉もパンパンで美味しいです!」とのこと。こちらのギョウザは多めのラードで焼き、お湯を入れて蒸すことで、半分揚がった様な食感になるのが特徴の人気商品。具材の隠し味は信州みそで、タレをつけなくてもそのまま楽しむこともできます。
もうひとつの柏原さんのオススメだという「バラ肉そば」もいただくことになりました。精肉店でもある同店でバラ肉をしっかり蒸したトンポーローが贅沢に入った人気メニューです。「八角がきいていて美味しい。口に入れるとすぐに溶けてなくなります」とこちらも大満足。「何度でも食べたくなる大町市のソウルフードです。美味しそうに食べてもらえて嬉しいです」という柏原さん。「大町のみなさんに愛される味。私も大好きです」と大満足の矢吹さんでした。
俵屋飯店
1923年に精肉店として創業。その後、中華料理屋もはじめたお店。2019年10月にリニューアルオープン。前面ガラス張りのモダンな雰囲気、“水のまち・大町”らしい水飲み場、水路などが設けられ、市民も観光客もくつろげる空間に。定番のギョウザは必食の逸品。
柏原 清さん
Profile
カメラマン。黒部ダムのダムカレーの開発や、ゲストハウスの立ち上げなどにも携わっている。
MOVIE
地元で愛されるソウルフード
旅を振り返って…