05.

美しく強い

磨かれ続ける技術

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この旅、最後にやってきたのは登山スポットとしても有名な真尾地区。こちらを案内してくれるロコレコさんは防府天満宮で出会った権禰宜の髙橋正成さんです。レコしてくれるのは、刀剣を造っている刀匠さんとのこと。学芸員の資格を持つ髙橋さんは刀剣についても知見があり、ぜひ紹介したいのだとか。鍛錬所に向かいます。

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鍛錬所に入ると迎えてくれたのは、刀匠・湯川夜叉さん。スウェーデンと日本のハーフである湯川さんは、2009 年に宮崎県の刀匠、松葉國正さんに弟子入り。2015 年に防府市に移住し2016 年、美術刀剣刀匠技術保存研修会を修了。刀匠となったのだとか。
「めちゃめちゃかっこいいです!刀匠さん。初めてお目にかかります」と目を丸くする伊原さん。

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湯川さんは、刀剣の愛好家であったお父様の影響で幼いころから身近に刀剣を感じる環境にあったのだとか。
「刀剣を“集める”のと“つくる”のでは、ちがうと思うんですが、きっかけがあったんですか?」と質問します。
「寝ている時に不思議な夢をみて。刀が出てきました。起きた時に刀匠になりたいと思って」とこたえる湯川さん。「すごい!そんなお告げが!」と驚きます。

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湯川さんが実際につくった刀剣を見せていただくことに。「迫力がすごいです。実際に見るのは初めてです」という伊原さん。それもそのはず、湯川さんは山口県にふたりのみの刀匠のひとり。日本美術刀剣保存協会主催「現代刀職展」2020年初入選から2021年、2023年と入選するほどの名匠なのです。その湯川さんがつくる刀剣は美しくも迫力がありました。

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日本刀の製作に欠かせない玉鋼(たまはがね)を見せていただきます。日本の古式製鉄法で作られる鋼の一種で製錬された鋼のうち特に炭素含有量の少ない良質のものを最上質のものとして「玉鋼」と呼ぶんだとか。非常に貴重な玉鋼を手に持ち「重みがあります。これを鍛錬して刀にしていくんですね。すごく大変な作業なんだろうな」とその神秘的な輝きに目を奪われます。

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鋼を鍛錬する際に使用する「大槌」を実際に体験させていただくことになりました。「これ、見た目よりもすごく重いですよ。修行です」と大槌を振ります。打ちおろすときの角度や強弱、横座と呼ばれる持ち手の人とのタイミングを身に付けるまでには3年ほどかかると言われているそうです。上達すると腕だけを使うのではなく、全身で振れるようになるんだとか。

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実際に火を入れ作業の行程を見せていただきました。間近でみる作業は、非常に暑い中で行われ一瞬一瞬の呼吸や打ち方は、神聖で息をのむ空間でした。「ドラマや漫画ではみたことがありましたが、実際に初めて刀匠にお会いして刀剣や作業を見せていただいて、身が引き締まる思いと感銘を受けました」と旅をしめくくった伊原さんなのでした。

湯川夜叉 日本刀鍛錬所

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刀匠・湯川夜叉さんの鍛錬所。師匠の松葉國正氏の友人の刀匠・杉田義昭氏が建てたもの。杉田氏の死後空き家だったため2014年から湯川さんが使用している。こちらでは自身のブランド「YASHA YUKAWA」の日本刀のほか和包丁の製作などを行う。また製作のほか、見学会や体験型ワークショップも開催されている。

INFORMATION

住所|山口県防府市真尾511-1

電話番号|080-3946-8371

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06.LET’STRAVEL

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