04.

石畳の馬籠宿を 

ぶらりと歩く

LOCORECO
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旅の最後にやってきたのは、ふたたび馬籠宿。石畳の坂道の両側に、土産店や茶屋、古民家が軒を連ねる宿場町です。坂道を眺めていると、「花恋さん、こんにちは!」と明るい声。この旅4人目のロコレコさん、吉田 由実(よしだ ゆみ)さんです。吉田さんがレコしてくれるのは、「ぜひ案内させてください」という、生まれ育ったこの宿場町そのもの。

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「子どもの頃は、この坂を自転車で駆け上がっていたんです」と笑う吉田さん。石畳の坂を一緒に、のんびり上りながら、馬籠宿の見どころを案内してもらいます。まず立ち寄ったのは、土産店「花屋(はなや)」。竹笠や民芸品、地元の品が並ぶ、昔ながらの名店です。

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店番をするのは、吉田さんの後輩のお母さんで、店主の原 恭子(はら きょうこ)さん。看板犬のくるみちゃんも出迎えてくれます。おすすめ商品は農作業や外仕事のときにかぶる竹笠(たけがさ)。「観光に来た皆さんがかぶって、この道を歩いていかれるんですよ」と吉田さん。くるみちゃんサイズの小さな笠まであり、店先はいつも笑顔でいっぱい。「家族みたいに迎えてくれる温かい場所ですね」と、大友さんも顔をほころばせます。

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続いて吉田さんが連れて行ってくれたのは、五平餅(ごへいもち)のお店「かなめや」。「中津川市は、五平餅も有名なんですよ」と吉田さん。半つきにしたご飯を串に刺して焼く、この地方の昔ながらの郷土食です。名前の由来は諸説あり、神前に供える祭具「御幣(ごへい)」に似ているからとも、“五平(五兵衛)”という人物にちなむともいわれます。「かなめや」のたれは、醤油と味噌をベースに、ごま・くるみ・ピーナッツを合わせた甘辛く濃厚な味わい。香ばしい匂いが、食欲をそそります。

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中津川市の五平餅は、平たいわらじ形ではなく、串に小さなお団子を3つ並べた“団子形”が定番。歩きながらでも食べやすいように、と生まれた形なのだそう。ひと口ほおばると、「焼きたてでもちもち。お米のつぶつぶ感と、甘辛いタレが合う…新しいけど懐かしい。私の地元・群馬と、この中津川市がつながった感じ、すごく嬉しいです」と大友さん。群馬の焼きまんじゅうを思い出したのだそう。なお、「かなめや」ではわらじ形の五平餅を販売。(団子形は事前予約制)

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坂の中腹でひと休み。振り返ると、これまでのぼってきた石畳の道と、その先の市街や山並みが一望できました。「のぼってきた道も、奥の緑もまち並みも、全部が一枚の絵みたいに綺麗に収まってる景色ですね」と大友さん。坂道を汗ばんでのぼったご褒美のような眺めでした。

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そして立ち寄ったのは、「四方木屋(よもぎや)」。島崎藤村が息子のために1925年(大正14年)農家を移築したという建物を改装した古民家カフェです。「実は、私もここで働いているんです。藤村先生が大好きで」と吉田さん。「馬籠と島崎藤村のことなら、いくらでもうんちくが出てくる」という筋金入り。案内人みずからおすすめする、とっておきの一軒です。

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一歩入ると、古民家ならではの落ち着いた空気に包まれます。「すごく歴史を感じる建物ですね。どこかすっと心が落ち着きます」と大友さん。もとは住まいだった場所を改装したカフェで、迎えてくれたのは、なんと藤村のひ孫にあたるオーナーの島﨑 恵(しまざき けい)さん。太い柱や梁、庭のたたずまいに、文豪が生きた時代の気配がそのまま息づいています。

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名物の「わらび餅」は、お店の方が毎朝ていねいに手ごねする自慢の一品。「ひとつでも幸せが広がる。すごく食べ応えがあります。思いがこもっているからこその弾力なんですね」と大友さん。添えられた「初恋りんごジュース」は、藤村の詩『初恋』にちなんだ一杯。地元のりんごを搾ったジュースで、「りんごってこんなに甘いのかって感動する。蜜の香りがすごくします」と、うっとり。

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ゆったりと過ごした四方木屋の隣に建つのは、「藤村記念館」。「藤村先生が実際に暮らしていたお家なんです」と吉田さん。無類の本好きだった藤村が集めた蔵書や、詩『初恋』を刻んだ詩碑が並ぶ館内。さきほど味わった「初恋りんごジュース」も、その名は藤村が『初恋』に詠んだりんごにちなんだもので、モチーフになったりんごの木にもここで出会えます。藤村の世界がぎゅっと詰まった場所。「とっても見ごたえがありますよ」と、吉田さんおすすめです。

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全長約600mの石畳を歩き切った先の展望台に立つと、正面にふたたび恵那山。「圧倒的な景色ですね!これは宝物だ」と大友さん。案内してもらった馬籠宿を、そっとふり返ります。「こんなに良い景色だから、藤村先生の心も動いたんですね」と吉田さん。生まれ育った宿場の魅力を、余さず見せてくれました。文豪を育てた馬籠の風景が、旅を静かに締めくくりました。

花屋

はなや

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馬籠宿の入口に立つ、昔ながらの土産店。軒下から店の奥まで、竹笠や和小物、木工品、地元の食品まで、見ているだけで旅心をくすぐる品がずらりと並ぶ。この店のもうひとつの主役が、元保護犬の看板犬くるみ。。少し人見知りだけれど甘えん坊で、のんびりと客を出迎えてくれる。ペットと一緒に買い物できるのも嬉しく、「心も体もほっこりあたたまるお店」として親しまれている。坂を上りはじめる前に、ふらりと立ち寄りたい。

INFORMATION

住所|岐阜県中津川市馬籠4570-1
電話番号|0573-69-2335

かなめや

かなめや

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馬籠宿を歩くと、香ばしいタレの匂いに誘われる五平餅のお店。ひとつひとつ丁寧に焼き上げてくれる。タレは、醤油と味噌をベースに、ごま・くるみ・ピーナッツを効かせた濃厚な一品。名物は、串に丸いお団子を並べた中津川市ならではの”団子形”で、歩きながらでも食べやすい食べ歩き向き。ただし団子形は要予約なので、味わうなら前もって注文しておきたい。昔ながらの平たい”わらじ形”も味わえる。

INFORMATION

住所|岐阜県中津川市馬籠4291-1
電話番号|0573-69-2100


四方木屋

よもぎや

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1925年(大正14年)藤村が息子に贈った家を生かした古民家カフェ。営むのは、ひ孫の島﨑 恵さん。使い込まれた柱や畳、庭を望む座敷が心地よく、喧騒からふっと離れられる。名物は、毎朝ていねいに手ごねするわらび餅と、詩『初恋』から名づけた「初恋りんごジュース」。石畳歩きのとっておきの休憩どころとして、静かなひとときを過ごせる。

INFORMATION

住所|岐阜県中津川市馬籠4257
電話番号|0573-69-2006


藤村記念館

とうそんきねんかん

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1952年、日本で最初の文学館として開かれた由緒ある施設。入口の冠木門(かぶきもん)や記念堂は、建築家・谷口吉郎の設計によるもの。館内には藤村の直筆原稿や愛用品が並ぶ。火災を免れて残る祖父母の隠居所は、江戸期の建物として日本遺産にも数えられる。庭には詩『初恋』に登場するりんごの木も植えられ、作品の背景に思いをはせられる、文豪を育んだまちの必見スポット。

INFORMATION

住所|岐阜県中津川市馬籠4256-1
電話番号|0573-69-2047


in NAKATSUGAWA CITY

吉田 由実さん

Profile

馬籠宿で生まれ育ち、一度は県外へ出たのち、10年前に家族とふるさとへ。子育て支援に携わりながら、馬籠宿の魅力を伝えている。

MOVIE

石畳の美しい宿場町

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05.LET’S TRAVEL

旅を振り返って…

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