バスは、山あいへ
夏の清流で、乾杯
続いてバスに揺られて向かうのは、八女市街地から車でおよそ1時間。車窓の景色は、いつしか深い山あいへと変わっていきます。「どんどん自然が深くなっていきますね」と丹生さん。「このあたりは矢部村。八女市でも指折りの、自然豊かなところなんですよ」と鵜木さん。「この後は私の大好きな絶景スポットにご案内します」という言葉に、テンションが上がる丹生さん。窓の外に流れる山々を眺めながら、バスは目的地へと進みます。
バスを降りて向かったのは、杣の里渓流公園(そまのさとけいりゅうこうえん)。鵜木さんが「ここが私の大好きな絶景スポット!」と胸を張るのが、渓谷に架かる「杣の大吊橋(そまのおおつりはし)」です。全長約150m、谷からの高さは約60m。1988年にかけられた、県内でも屈指の大きな吊り橋で、風が吹くたびにゆれることから“福岡一揺れる橋”とも呼ばれています。「わぁ、高い!」と、丹生さんもわくわくしながら一歩を踏み出します。
吊り橋の真ん中まで進むと、山と山の谷間に、緑がぎっしりと広がります。「うわー! 360度、山の真ん中にいるような感覚で、心が洗われます」と丹生さん。眼下の渓谷にはヤマメの釣り堀もあり、夏はこれを目当てに訪れる人も多いのだそう。「風も気持ちよくて、夏とは思えない、この気温!」と、避暑地のような涼しさに驚きます。「こんな山の真ん中にある吊り橋は初めて。緑に吸い込まれそうで、まるでおとぎ話の世界みたい」と丹生さん。
鵜木さんが次に案内してくれたのは「矢部川源流公園」。岩場を下っていくと、目の前に澄んだ清流が現れました。「うわー、お水がすごく透明!」と丹生さん。ここは、川をそのまま生かした天然の河川プール。夏になると、家族連れの水遊びでにぎわう人気スポットです。「水に足をつけると、すごく冷たくて気持ちいいんですよ!行ってみませんか?」と鵜木さんに誘われ川の中に入っていきます。
「足をつけているとすごく気持ちいいですね!」と丹生さん。すると、「私、さらに最高なものを用意しました」と鵜木さん。川の水で冷やしていたのは、八女茶を使ったクラフトビール、八女ブルワリーの「深蒸しIPA」です。地元・矢部川の湧水で仕込み、深蒸しにした八女茶を合わせた1本。「ビールとお茶が合わさっているなんて、珍しい!」と丹生さん。清流に足をひたしたまま、ふたりで「乾杯!」夏の八女ならではの、贅沢な一杯です。
ひと口飲むと「美味しい! お茶の香りがとっても広がって、ビールの苦味とお茶の苦味がちょうどマッチしてます」と、目を輝かせる丹生さん。飲み口はすっきり、あと味には八女茶の香ばしさがふわりと残ります。「川に足をつけながらビールを飲めるなんて、素敵!雰囲気もあいまって、さらに100倍美味しく感じます」最高の一杯と冷たい清流に、思わず笑みがこぼれます。
水面をトンボがすいすいと飛び交い、川のせせらぎだけが響く静かな時間。「なんだか、大人になったなーって思います」と、しみじみつぶやく丹生さん。豊かな山と清流が育てた八女茶のビール。ここでしか味わえない一杯を、心ゆくまで楽しみました。都会の喧騒を忘れさせてくれる、最高の夏の思い出になったようでした。
杣の大吊橋
そまのおおつりはし
「杣の里渓流公園」のシンボルとなる、渓谷に架かる大吊橋。全長は約150mで、揺れる橋の上からは四季折々の山の景色を一望できる。公園は福岡県最高峰・釈迦岳や御前岳の麓、標高およそ600mの渓谷に広がり、ヤマメの渓流釣りや陶芸・草木染めといった自然体験も充実。新緑や紅葉の時季はとくに美しく、都会の喧騒を離れて緑にひたれる“秘境”スポットだ。
矢部川源流公園
やべがわげんりゅうこうえん
日向神ダムの上流、矢部川の源流域にある河川プール。川をそのまま生かしており、水深は浅いところで80cmほどと、小さな子ども連れでも安心して水遊びが楽しめる。梅雨明けから9月中旬ごろまで開放され、入場は無料。トイレや駐車場も整い、すぐ近くには食事やお土産が楽しめる物産交流施設「杣のさと」もある。夏の一日を、のんびりと川辺で過ごせるスポット。
INFORMATION
住所|福岡県八女市矢部村北矢部鬼塚
電話番号|0943-47-3111
(八女市矢部支所 地域振興係)
MOVIE
秘境の清流で涼を満喫
ラジオ飛び入り参加から
星降る村の、秘密基地へ