白壁の町を抜けて
幻の地鶏に舌鼓
3人目のロコレコさんに出会うためにやって来たのは、八女市の中心部・福島町。江戸初期の1661年に創建された、由緒ある福島八幡宮です。福島八幡宮は勝負・仕事の神様として知られ、光にかざすと透明に映える「透明お守り」や切り絵の御朱印がSNSでも話題です。
こちらで出迎えてくれたのは、この旅3人目のロコレコさん、藤吉 朋子(ふじよし ともこ)さん。八女商工会議所の中小企業相談所長として、地域のお店や事業者を支えています。「生まれは隣まちですが、もう30年ほど八女市に携わっているんです。八女への熱量は、誰にも負けません!」と、まちへの愛をのぞかせる藤吉さん。「今日はどんなお店を紹介してくれるんですか?」と、丹生さんもわくわくが止まりません。
藤吉さんが案内してくれたのは、白壁の町並みにたたずむ一軒。「大人な雰囲気で、おしとやかな気持ちになれる、素敵な空間ですね」と、落ち着いた店内を見わたす丹生さん。カウンター席に個室も備え、記念日にも仕事帰りにも使いやすいお店です。「藤吉さんも、よく来られるんですか?」「はい、仕事帰りにも家族とも。もう数えきれないくらい!」地元で愛される名店に、期待が高まります。
迎えてくれたのは、統括総料理長の中島 恵治(なかしま けいじ)さん。実は常連さん、お店に入るとまず「あれ、ありますか?」と聞くのだそう。その“あれ”が、さっそく目の前に運ばれてきました。貴重な「白レバー」の串です。1人1本限りの数量限定で、ぷっくりと白く輝く見た目に「わぁ、きれい! これが常連さんが頼まれる“あれ”ですね」と丹生さん。「まずは、ごま油と塩でどうぞ」と中島さんがすすめます。
ひと口食べると「とろけます……! 一瞬で口の中から消えました」と丹生さん。「歯がいらない、ほぼ飲めるレバーです。レバー特有の匂いが全くなくて」と、感激します。秘密は、鶏そのものに。味わえるのは幻の地鶏「八女炭蘇鶏(やめたんそどり)」。竹の名産地・立花町の竹炭を餌に加えて育てられ、やわらかな肉質と臭みのない澄んだ旨みが生まれるのだそう。「餌からこだわって、八女が詰まった味なんですね」と、納得の丹生さんです。
続いて登場したのは、八女炭蘇鶏の「炙りタタキ」。表面を炙り、中はレアに仕上げた一皿で、手前がむね、奥がももと、2つの部位を一度に楽しめます。自家製の白ポン酢でいただきます。「たたきってことは、新鮮じゃないと食べられないですよね?」と丹生さんが言うと、「朝引きの鶏しか使っていません。今日とれたてです」と中島さん。新鮮だからこそ味わえる一皿に、箸が進みます。
そしてシメは、藤吉さんが「絶対にシメで頼む」という「鶏そば」。八女炭蘇鶏の旨みをたっぷり詰め込んだ、鶏白湯スープの一杯です。まずはスープをひと口。「あー、優しい……鶏の旨みが凝縮されていて、スープだけでいけちゃう!このスープと麺がよくからんで、絶品です!これは余裕で食べられちゃいます!鶏チャーシューも最高!」と大満足。
白レバーからシメの一杯まで、炭を食べて育った幻の鶏を存分に味わい尽くした丹生さん。「シメまでずっと大満足です! こんなに美味しい鶏に出会えるなんて」と、嬉しそうな表情。地元の人に愛される名店で、八女市の“食”の奥深さをたっぷり堪能したのでした。
鶏の極み とり源
とりのきわみ とりげん
福島八幡宮
ふくしまはちまんぐう
藤吉 朋子さん
Profile
八女商工会議所の中小企業相談所長。生まれは隣まちながら、30年ほど八女市に携わる。とり源は職場の目の前にあり、仕事帰りや家族とよく通う常連。
MOVIE
幻の地鶏その味は!?
旅を振り返って…