伝統的日用雑器
新しいチョイスのすすめ


城下町の雰囲気を色濃く残すこのエリアは“筑前の小京都”とも呼ばれる福岡県朝倉市の「秋月」です。雨の中でも元気いっぱいの大友さんが散策するのは秋月城跡。この城跡は福岡県指定史跡に指定されています。歴史あふれるこの場所から、旅のスタートです。


最初のロコレコさんは、ハナ・グリアーさん。ハナさんは日本人のお母様とニュージーランド人のお父様を持つ建築家。小学生まで福岡に住んでいたハナさんは、幼少期に秋月によく連れてきてもらっていたんだとか。以降、ニュージーランドで育った後、憧れの建築家ユニットのいる東京は「SANAA」で経験を積み約2年前に秋月の移住。古民家を改装したゲストハウスを展開している。そんなハナさんがレコしてくれるのは“新しいチャレンジをしているカフェ”なんだとか。

やってきたのは「cafe&gallery SIKI -試器-」です。店内に入るとオーナーの加藤美咲さんが迎え入れてくれました。「すごいかわいいしオシャレ。でも、試器(しき)ってどういう意味なんだろう?」と店内を見渡しながら不思議そうな大友さん。すると「店内にある器を実際に試して美味しい料理を食べられるんですよ」とハナさんが応えます。「好みの器でも実際に料理をのせたらどうなるか知りたいという声を聞くことがあったので、実際にやってみました」と加藤さん。


さっそく試したい器を選ぶことになったおふたりに加藤さんが説明をしてくれます。「ここに置いているのは小石原焼という朝倉の伝統的な陶器ですが、いまは若い作家さんも沢山いて色々な作品があります」とのこと。「どうしよう。かわいいのが多すぎる…」と悩みながらも食器を決めた後は、ビュッフェ形式のサイドメニューやごはんを盛り付けていきます。「器を選ぶと盛り方もこだわっちゃいますね。ハナさん建築家さんだから、なんかすごくプレッシャーです」と楽しみます。

ビュッフェエリアの盛り付けは完成。「なんだかすごく個性がでますね。それにしても器とりすぎたの初めて」と笑う大友さんに「たしかに。器とりすぎましたね。ふたりとも欲張り」と笑うハナさん。楽しそうな雰囲気が伝わってきました。「こんな素敵なごはん、加藤さんはずっとシェフなんですか?」と大友さんが質問すると「もともとは高校の時に調理の勉強をしてて、その後、陸上自衛隊で、いまはお料理です」とのこと。興味深い経歴をうかがいメイン料理を待ちます。


ほどなくして運ばれてきたのは大友さんが「カレイの煮付け」ハナさんが「チキン南蛮」。「ちょっと!すごい!美味しそう!これにビュッフェもあるなんて盛りだくさんで贅沢すぎる」と大興奮の大友さん。「自分が選んだ器から食べるとき、ちゃんと“いただきます!”っていう気持ちになります」と美味しい食事を楽しみます。「これはシンパシーを感じる出会いがありますね」という大友さんに「花恋さんはどれにしますか?」と営業上手なハナさん。「そうですよね。じゃあ、ポテサラの器。この子にします」とお気に入りも購入し大満足なのでした。
OKO art+inn

ハナさんが手がけた古民家を改装した一棟貸しのゲストハウスのひとつ。カフェスタイルのダイニングルーム、庭とデッキにつながる画廊スペース、壁を押すと、その先にベッドルームが現れるギミックなど美しさと斬新さが詰まっている。他にも築120年の蔵を改装した「カーサ・クラ」や日本庭園にウッドデッキを配した「秋月NIWAハウス」など魅力あふれるゲストハウスを展開している。
INFORMATION
住所 | 福岡県朝倉市秋月526-1※ご予約はBooking.com、AirBnBまたはakizuki.co.jpにて
cafe&gallery SIKI -試器-

朝倉郡東峰村の小石原地区で作られる陶器「小石原焼」が店内にはディスプレイされており、自分が気に入った器を選ぶと、そこに料理を盛り付けることができ、料理を楽しみながら器を試し、購入することも可能。 「福岡よかとこビジネスプランコンテスト2022」で大賞を受賞した元東峰村地域おこし協力隊の加藤美咲さんが店主として2023年3月にオープンした。




ハナ・グリアーさん
Profile
日本人の母とニュージーランド人の父を持つ建築家。 世界的な建築事務所SANAAで経験を積んだ。
MOVIE
OKO art+inn 〜 cafe&gallery SIKI -試器-

唯一の和紙工房で
楽しく初めての体験
