02.

最東端の駅から
海の街のお社へ

LOCORECO
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落石岬の余韻を胸に、丹生さんはふたたび花咲線に乗り込みました。落石駅から終点・根室駅までは、東を目指して約20分の旅。窓の外には太平洋と原野が広がり、列車の揺れに身をまかせるうちに、次に出会う人や場所への期待が静かに膨らんでいきます。丹生さんを乗せた花咲線は、ゆっくりと終着の駅を目指していきます。

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ガタンと列車が止まり、降り立ったのは「日本最東端の駅」と知られる根室駅です。改札を出ると、駅前にはレトロな看板が並び、潮の香りがふっと鼻をくすぐります。終着駅というよりも、ここから街の暮らしが始まる根室の玄関口。北の海と歴史を背負ったこの駅は、訪れる人を静かに、しかし誇り高く迎え入れてくれます。

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駅前で穏やかな笑顔で待っていてくれたのが、2人目のロコレコさん、阿部 慎一郎(あべ しんいちろう)さんです。生まれも育ちも根室、地元の食材を生かした料理を作り続ける料理人。日々の食材を仕入れる港のすぐそばで生きてきたからこそ、根室の自然と海への思いが誰よりも深くからだに染み込んでいる人物です。

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そんな阿部さんに連れて来てもらったのは、根室の街を見下ろす高台に鎮座する金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)。地元では「こんぴらさん」の愛称で親しまれる、根室の総鎮守です。創建は1806年、海を生きる漁師たちの守り神として崇められてきた、深い歴史を持つお社です。参道沿いに木々が並び、街と海を見渡せる気持ちのよい場所です。阿部さんは毎月1日にここを訪れ、商売繁盛と日々の感謝に手を合わせるのが習慣なのだそうです。

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こちら金刀比羅神社の毎年8月、3日間にわたる例大祭では、お神輿が神社を出発して街中を巡り、また神社へと戻ってくる勇壮な神事が行われます。「北海道三大祭のひとつ」とも称されるこの祭りには、全国各地から訪れる人が後を絶たないのだそうです。

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すると阿部さんが「ぜひ見てほしい」と案内してくれたのは、社務所脇に納められたひときわ大きなお神輿。重さなんと1.5トン。「これを、50人がかりで担ぐんですよ」 と阿部さん。「それは勇ましいでしょうね!」と丹生さんの目も輝きます。

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「参拝をしましょう」と阿部さんにうながされ、本殿の前に立った丹生さん。「旅で出会ったみなさんへの感謝と、これからも笑顔でいろんな人と会えますように。そんなことをお願いしました」と笑顔の丹生さん。

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「実はこの神社、ちょっと変わったパワースポットがあるんです」と阿部さん。案内されたのは、正神門脇に掲示された龍の画。長くこの地で漁師たちを見守ってきたこの龍は、いつしか口コミでご利益があると広まり、携帯電話の待ち受け画像にする等され、知る人ぞ知るパワースポットとして親しまれているのだとか。「確かに。見れば見るほど、ありがたみを感じます。歴史を感じられる」とじっと絵に見入る丹生さん。古い時代から守られ続けてきた絵の重みが、静かに伝わってきました。

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「もうひとつ、ぜひ見ていただきたいものがあるんです」と阿部さん。するとおもむろに海の方向を指さしました。「あの先の海に浮かぶ小さな島に、金刀比羅神社のもうひとつのお社があるんです」年に1回、神職の方のみが船で海を渡り、その社へお供えを届け、海の安全と豊漁を祈る祭礼が行われるのだそう。北の海とともに生きてきた根室ならではの神事。「街の人たちが、海を見ながらお祈りを続けてきたんですね」と丹生さん。
「海も、お祭りも、毎日の暮らしの一部なんだなって。来て良かったって心から思います」と、丹生さんの言葉にはこの土地への深い敬意がにじんでいました。

金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)

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根室の街を見下ろす高台に鎮座する、根室の総鎮守。1806年、北洋漁業の開拓者・高田屋嘉兵衛(たかたや かへえ)が漁場の守護神として創建したのが始まりとされ、御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)をはじめとする三柱。漁業・商業・家内安全の守り神として広く崇敬を集めてきた。境内では、自分の厄を玉に込めて岩に投げて打ち砕く「厄割玉(やくわりだま)」体験のほか、旅の安全を祈る「旅守り」も人気。創建者・高田屋嘉兵衛の像も建立されている。

INFORMATION

住所 | 北海道根室市琴平町1-4
電話番号 | 0153-23-4458

根室ベース

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ロコレコさんの阿部 慎一郎さんが2019年にオープンしたダイニングバー。札幌での寿司修行と父の寿司店での経験を活かし、根室の地場産品を中心に全国各地の旬の食材を組み合わせた、こだわりの料理を提供している。花咲ガニ、根室産の花咲しいたけ、ツブ貝、ホタテを使ったメニューなど、ここでしか味わえない一皿の数々で根室の人々に深く愛されている1軒。

INFORMATION

住所 | 北海道根室市大正町1-11
電話番号 | 0153-20-4144

in NEMURO CITY

阿部 慎一郎さん

Profile

根室生まれ・根室育ちの料理人。地元の食材を生かした料理を作り続け、毎月1日には金刀比羅神社で商売繁盛と日々の感謝を祈る習慣を続けている。

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海を望むパワースポット

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03.LET’STRAVEL

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