01.

龍が眠る渓谷で
異世界の奥の滝へ

LOCORECO
wakayama wakayama
fuji
fuji

旅の始まりは、東温市の山の上に広がる塩ヶ森(しおがもり)ふるさと公園。展望台に立つと、眼下には田んぼと、山々に囲まれたまちの風景が広がります。「山々に囲まれて、本当に空気がすっごく気持ちいいです。秋風を感じてます!」と、矢吹さん。思わず深呼吸したくなる眺めです。

fuji
fuji

公園のふもとの南方(みなみがた)地区には、かつて讃岐(さぬき)へと続いた旧讃岐街道が通り、その道沿いには大地主の屋敷「坂本家住宅」が今も残っています。江戸末期の主屋や、寺院の山門のような座敷門などが、2026年に国の登録有形文化財への登録を答申されました。山の上から見渡す里には、こうした暮らしの歴史も息づいています。

fuji

「ずっとこの空気を吸ってたいくらい、癒やされますね」とつぶやく矢吹さんに、「ここももちろんですが、他にもいい場所があるんですよ」と声をかけてくれたのは、この旅最初のロコレコさん、佐伯 敦(さいき あつし)さん。1200年以上の歴史を持つ惣河内神社(そうこうちじんじゃ)の宮司さんで、東温市で生まれ育って67年。境内に巨大な「しめ縄龍」をつくるなど、地域おこしにも取り組んでいます。「実は東温市って、滝がたくさんあるんですよ。今日は、非日常を味わえるような滝スポットにお連れします」

fuji
fuji

佐伯さんの案内でやって来たのは、山あいの滑川渓谷(なめがわけいこく)。足もとに広がるのは、ツルツルとした一枚岩の川床です。「この表面がツルツルしてて、ずーっと1キロほど続いているんですよ」と佐伯さん。“なめらかな床”という意味で「ナメラ」と呼ばれるこの川床は、もとは田畑だった場所が水害で流され、固い岩盤が顔を出したものだといいます。「こんなの初めて見ました!」と、矢吹さんは興味津々。手を浸せば「すごく冷たい!なんか急に小学生に戻った感じです」と笑顔がはじけます。

fuji
fuji

川床のあちこちには、ぽっかりと丸い穴が。流れの渦で小石がぐるぐると回り、岩を少しずつ削ってできた「甌穴(おうけつ)」です。「洗濯機のように、ぐるぐる石が回るんですよ」という佐伯さんの説明に、「ドラム式洗濯機みたいな感じですね!」と楽しそうな矢吹さん。ハートの形をした甌穴を見つけ「このハートを見たら縁が結ばれるみたいな話、良さそうですね!」と、2人で新しい名所の名前を考えるひと幕も。

fuji
fuji

渓谷を奥へと進むほど、木々が頭上を覆い、空気がひんやりと変わっていきます。大きな岩をくぐり抜けた先に現れたのは、両側をU字形の岩壁に囲まれた空間と、その奥に落ちる「奥の滝」。龍が横たわっているような地形から「龍の腹」と呼ばれる場所です。「神秘的!ここだけすごく雰囲気がガラッと変わって、異世界に来た感じです」と、矢吹さんは圧倒された様子。

fuji
fuji

「滝っていうのは“さんずい”に“りゅう”と書くよね。だからこういうところには龍神様がいらっしゃるんですよ」と佐伯さん。ここで写真を撮ると、龍神様が写ることもあるのだとか。「龍神様、写ってくれますように!」とシャッターを切る矢吹さん。「自然に囲われてる感じが、守られてるみたい。マイナスイオンがすごいです!」と胸いっぱいに深呼吸。「滝を見ると癒やされました。浄化される感じ」と、東温市の大自然に心まで洗われた時間でした。

滑川渓谷

なめがわけいこく

thumb
  • thumb_item
  • thumb_item
  • thumb_item

白猪の滝などとともに東温市の名勝旧跡に数えられる渓谷。松山自動車道の川内ICから車でおよそ30分、山あいの明河地区にある。駐車場から遊歩道をたどると、前の滝、中の滝、そして最奥の奥の滝へと、大小の滝が次々に姿を現す。なめらかな岩肌には木の葉の化石が見つかることもあり、太古の時間に思いをはせながら歩くのも楽しい。4月下旬からは新緑と苔、夏は涼やかな避暑地、11月中旬からは紅葉、冬には滝がつららに変わり、季節ごとに表情を変える。入場は無料。足もとは濡れて滑りやすいので、歩きやすい靴で訪れるとよい。

INFORMATION

住所|愛媛県東温市明河
電話番号|089-964-4414(東温市地域活力創出課)

坂本家住宅

さかもとけじゅうたく

thumb
  • thumb_item
  • thumb_item
  • thumb_item

旧讃岐街道沿いに残る、かつての大地主の屋敷。敷地内でもっとも古い江戸末期の主屋は、土間に太い松丸太を組んだ力強い造りで、明治中期には正面に入母屋造2階建ての角屋が増築された。1階が書院風、2階が数寄屋風の「新部屋」は、欄間など細部の意匠まで華やか。1896年(明治29年)ごろに建てられた「離れ」には、2階に16畳の大広間が設けられている。寺院の山門を思わせる本瓦葺きの座敷門とあわせた4件が、2026年に国の登録有形文化財への登録を答申された。2024年11月には地元の人たちが「坂本家住宅を守る会」を立ち上げ、修繕と再生に取り組んでいる。見学は事前に問い合わせを。

INFORMATION

住所|愛媛県東温市南方535-1

in TOON CITY

佐伯 敦さん

Profile

東温市生まれ、67歳。白猪の滝のある河之内地区で生まれ育つ。1200年以上の歴史を持つ惣河内神社の宮司を務める。龍神伝説が残るまちで巨大な「しめ縄龍」をつくるなど、地域おこしにも力を注ぐ。

MOVIE

滑川渓谷

LOCORECO
02.LET’S TRAVEL

持ち上げたら、とろ〜ん
賞味期限3分の生みたらし

photo_next
BACK旅を振り返る