持ち上げたら、とろ〜ん
賞味期限3分の生みたらし
2人目のロコレコさんに出会うためにやって来たのは、柳原泉(やなぎはらいずみ)。江戸時代につくられた湧水の泉で、かつては農業用水として地域の暮らしを支えてきました。「本当、水がとっても綺麗なまちですね」と矢吹さんが見とれていると、「矢吹さーん!」と明るい声が。「愛媛の情報を発信して12年。愛媛のことならお任せの、ゆりママんと申します」愛媛県のカフェやグルメ、おでかけ情報を発信するブロガーで、ブログは月間40万人以上が閲覧する人気ぶりです。「今日はとっておきの、極上トロトロのお団子をご紹介したいと思います。しかも賞味期限が3分と短いんですよ!」とゆりママんさん。
「急がなきゃ!」と向かったのは、「炭焼き団子 志津かわ珈琲庵(すみやきだんご しつかわこーひーあん)」。もともとそば店だった建物を、レトロな雰囲気を生かして改装した和カフェです。「合掌造りみたいな屋根が珍しいですよね」とゆりママんさん。店内には囲炉裏を囲む大きなテーブルと畳の座敷が広がり、「和の雰囲気が最高です」と矢吹さんもうっとり。
迎えてくれたのは、代表の和田 勝也(わだ かつや)さん。「早速ですが召し上がってください。“生だんごのみたらし”です」。ふつうは焼いて仕上げるお団子を、焼かずにそのままみたらしに絡めた一品です。串をそっと持ち上げると、お団子が重みでとろ〜んとたわみます。「確かにこれは、持った感じがもう重みがすごいです。串から落ちる限界ですね!」と、矢吹さんは大慌て。
賞味期限が迫るなか、ひと粒をぱくり。口いっぱいに頬張った矢吹さんは、しばらく言葉が出てきません。「幸せ……美味しすぎます!最初はみたらしの甘じょっぱい感じが来るんですけど、その後はずっとお餅の甘さが続いて、ずっと幸せでした」材料は米粉。食感は限りなくお餅にちかい。「もちもちなんですけど、ふっくらふわふわみたいな感じ」と矢吹さん。その秘密は、小さな気泡をたっぷり含ませた生地にあるそうです。
実はこのお団子、偶然から生まれたもの。ふわふわもちもちの焼き団子をめざして試作を重ねたものの、柔らかすぎて網から垂れてしまい、何度やっても焼けなかったのだとか。「もったいないなと思って、焼かずにちょっと食べてみたら、これ美味いやん!ってなって」と和田さん。そこから約2カ月、串から落ちる限界ギリギリまで、水分を調整してきました。時間がたつと空気が抜けて食感が締まってくるため、このふわふわを味わえるのは3分ほど。「ここでしか食べられないお団子を作りたいっていう熱い気持ちが伝わってきました」と、矢吹さん。足を運ぶ価値のある、とっておきの一串でした。
炭焼き団子 志津かわ珈琲庵
すみやきだんご しつかわこーひーあん
ラーメン店を営む地元の会社が、2024年5月、そば店の跡地に開いた和カフェ。80席を備えるゆったりとした店内は、ひとりでも家族連れでも過ごしやすい。団子は群馬県から取り寄せた米粉を使い、店で一から手づくりしている。生だんごのほかに人気なのが、七輪で自分で焼きながら味わう「5種の炭火焼きお団子セット」。焼きたての香ばしさと、とろける生だんご。ひとつの店で2つの楽しみ方ができる。朝9時から開いており、モーニングのほかに、羽釜で炊いたご飯を使ったランチもいただくことができる。時間を変えて何度でも通いたくなる1軒だ。
MOVIE
みたらし団子
山奥のパン屋さんから
囲炉裏の隠れ家レストランへ