200年の歴史をもつ山形・米沢の郷土料理「鯉の甘煮」。甘辛い味付けでごはんもお酒も進む!
2024.03.16
山形県の内陸、米沢市では約200年前から鯉が貴重なタンパク源として食べられてきました。甘辛く煮た「鯉の甘煮(うまに)」は冠婚葬祭や年末年始に欠かせない料理で、今でもスーパーで売られるほど日常的にも食されています。鯉料理を提供する料理店『米沢鯉六十里』自慢の人気メニュー「鯉の甘煮」をご紹介します。
【コレうまポイント】
②臭みのない鯉は清らかで豊富な雪解け水を使って養殖し健康も管理
【コレうまポイント①】米沢で200年もの間、愛され続ける栄養豊富な郷土の味
鯉料理は米沢で200年以上の歴史を持ちます。米沢の地に鯉を食べる文化をもたらしたのは「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」という有名な言葉を残した第9代米沢藩主、上杉治憲(鷹山)です。水産資源が乏しい内陸の地、米沢に福島県相馬から鯉の稚魚をとりよせて、米沢城の堀で育てたのが始まりだと伝わります。鯉は良質のタンパク質はもちろん、ビタミン B1、B2、E、A といったビタミン、 カルシウム、リン、鉄分も含まれていて栄養豊富です。当時の人たちの健康に寄与していました。
筒切りにした鯉を醤油と砂糖、酒で味付けた「鯉の甘煮」は、米沢ではハレの日に欠かせない郷土料理です。これがないとお正月が来た感じがしないという人もいるほどで、スーパーの惣菜売り場でも日常的に販売されています。
【コレうまポイント②】臭みのない鯉は清らかで豊富な雪解け水を使って養殖し健康も管理
鯉に限らず淡水魚は独特の匂いがあると言われますが、『米沢鯉六十里』の鯉はその印象を変えてしまうほど臭みを感じません。その秘密は、雪国米沢の川や沢を流れる豊富で清らかな雪解け水にあります。加えて、冬の厳しい寒さによって鯉の身が引き締められることも淡水魚でありながら泥臭さがない理由です。恵まれた自然環境に加えて、『米沢鯉六十里』では敷地内にある養殖池の水を徹底管理。また、胃をもたない鯉は餌を頻繁に与える必要がありますが、餌やりのタイミングで直接鯉たちの様子を見て、健康にも気を配っています。
【コレうまポイント③】惜しみない手間と時間で作り上げた老舗の味を自宅で
米沢の鯉は3年かけてゆっくり大きく育ちます。時間をかけて飼育すると、肉がよく締まって美味しくなるのだとか。特に冬の鯉は脂がのっていると言われます。
『米沢鯉六十里』では鯉のアライや鯉コク、パスタなど様々な鯉料理を提供していますが、やっぱりいちばん人気のメニューは「鯉の甘煮」です。伝統のたれを使ってじっくり時間をかけて煮込んでいます。味付けはしっかりしていますが、甘さと塩辛さのバランスがよく、臭みもないため上品です。身はふっくらと弾力があり、中央部分にはオスなら白子、メスなら卵が入っています。辛党なら辛口の日本酒と合わせたくなってしまうはず。『米沢鯉六十里』の代表、岩倉利憲さんによると「地元の子供達はよく残ったタレをご飯にかけて食べますよ」とのこと。お酒にもごはんにも相性がよく、米沢では世代を問わず愛される味です。
今回のセットは1切れずつ真空パックに入ったものが6切れ入り。賞味期限も14日と余裕があるので、お裾分けにも活用できそうです。
一族の16代目として鯉の養殖業を継いだ岩倉さんは「鯉という食文化をなくさないように、古き良きものを大切にしながら、新しい物を取り入れ、食べてくださるお客様が笑顔になる様にとの思いを大事にしています」と話してくれました。伝統ある米沢の郷土料理をご家族で試してみてはいかがでしょうか。