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「原点に帰ることができた」沖縄・西表島の旅を比嘉愛未が振り返る。主演ドラマ『フォレスト』の見どころや裏話も

2025年1月11日(土)放送の『旅サラダ』に、ドラマ『フォレスト』(毎週日曜・夜10時15分〜)で主演を務める比嘉愛未さんが出演。世界自然遺産に登録されている八重山諸島・西表島での旅は、比嘉さんにとって人生のターニングポイントとなった特別な時間に。旅を通して得ることができた気づきについて。そして西表島の原生林ともリンクするような、深い森の中に迷い込んでいくような人間模様が見どころのドラマ『フォレスト』について、また初共演にしてダブル主演となった岩田剛典さん(三代目 J SOUL BROTHERS)との撮影裏話など、たっぷりとお話いただきました。


初めての西表島は、人生の財産となる特別な旅に


ーー今回の旅先となった西表島は、比嘉さんたっての希望だったとか。

ずっと行ってみたいと思っていたので、旅してみたい場所を聞かれた時に、真っ先に西表島と答えました!私が初めて出演した映画『ニライカナイからの手紙』の舞台が八重山諸島で、すぐ近くの石垣島と竹富島には行ったことがあったのですが、西表島はなかなか機会がなくって……。八重山諸島は私の人生が変わったターニングポイントの場所でもあるし、世界自然遺産大使にも任命していただいたこともあり実際に訪れた上で魅力を発信したいなと思っていたんです。なので今回『旅サラダ』さんに念願を叶えていただき、ようやく訪れることができてとても嬉しかったです!


ーー実際に訪れてみていかがでしたか?

想像以上に壮大で、大自然の持つエネルギーに圧倒されました……! 西表島って約90%が手付かずの原生林からなるジャングルなんですよね。今回は島の北部にある原生林を歩いたのですが、自然界にお邪魔させていただいてるような、大自然に包まれている感覚でした。宿泊した星野リゾート 西表島ホテルにいた時は、 地元の人もびっくりするぐらいの天気に恵まれて、2週間ぶりに晴れたそうです。 私も沖縄県民だからわかるんですけど、冬は天気が不安定だから曇ったり雨が降ったりすることも多いのに見事に晴れて、綺麗な夕日を見ることができました。その夕日を見ていると、今までの自分を全部肯定してもらったような気がして。20年前にこの土地で映画を撮って、うまくいかないことがあったり気持ちが落ち込んだり挫折したこともあったけど、「大丈夫だよ」「これからもその気持ちを忘れないで謙虚に頑張りなさい」と言ってもらえたようで、 すごく満たされた旅でした。


ーーこれまでの旅とはまた違った、特別な意味のある旅に。

原点に帰るような旅になりましたね。生まれ育った場所は沖縄本島ですけど、空気感や人々の温かさは全く同じなんです。東京に出て20年が経ちましたが、東京で役者として頑張っている自分も大切だし、それまでの沖縄で過ごした幼少期の自分も大切だからこそ、 そのバランスを取っていくことがこれから大事なんじゃないかなと。島の自然は「大切なことを忘れない」ということを学ばせてくれる、一番の先生のような気がしました。


ーー役者としてのキャリアだけでなく、人生を振り返り、またちょっと未来へと進んでいく新しい出発点のようなターニングポイントになったのですね。

そうですね! ちょうど今年で役者を始めて20周年で、そんなタイミングで『フォレスト』で主演もさせていただいて、西表島にも訪れることができて、なんだか不思議だけど嬉しくって。続けていると自然と繋がったり、思いもよらない出会いとかご褒美がたくさんあるんで


ーー今回、約1時間かけて原生林を歩いてゲータの滝を目指すトレッキングをされました。「人生山あり谷あり」という例えもありますが、さっきお話しいただいたような人生の振り返りは、実際に時間をかけて原生林の中を歩く過程で考えをめぐらせていたのでしょうか? それとも旅を終えて、振り返るといろいろ気づきがあったのでしょうか?

私の場合は、無我夢中になって登ってました。傾斜や岩山を越えなきゃいけない大変なポイントもあったり、知らない場所に行くのは怖いという人もいると思うんですけど、私はそういうアップダウンや刺激がある方がワクワクするんですよね。新しい何かに出会えるんじゃないか、見たことない景色が見れるんじゃないかって、常にそうやって生きてきたんです。だからスタジオで自分がトレッキングしている映像を見ていても、子どものような表情をしてるんですよ。無邪気に楽しんでる自分を客観的に見て、改めてこの精神のままでもいいんだなって。無我夢中で頑張った、楽しんだその先に見えた景色が「私のこれからの人生は大丈夫」と思わせてくれました。

今回の目的地のゲータの滝には、さらにその先に美しい景色が待っていて。それもまさに「さらに上がある」「生きてる限り一生、ゴールはないんだ」と教えてもらったようで、大変なことも楽しいこともどっちも必要な経験で、どちらも経験しながら歩んでいくことが人生なのかな、なんて考えさせられました。本当に大きな財産になる旅をさせていただけたなと思います。


ーーこれまでの旅で、印象に残っているところは?

いい意味でカルチャーショックを受けたのはモロッコでした。 全てが見たことない景色で、イスラム文化と西洋の文化がミックスされているようで、市場の賑わいや迷路のような街にワクワクしましたね。


ーー原生林のトレッキングのお話にもありましたが、知らないことを発見したり初めての挑戦だったり、そういった新鮮さや刺激的なことに惹かれますか?

そうですね!それこそが旅の醍醐味だと思っています。なので、宿や交通手段は事前にある程度調べたり予約するんですけど、それ以外はノープランで行ったりします! がっつり調べちゃうと情報が頭に入っちゃうので、なるべくすっからかんにして五感をどれだけフルに使って、見たり感じたり味わうことができるかを大事にしています。



「私の代表作になりました」複雑な人間ドラマが交差する『フォレスト』に込めた想い


ーー今回、主演を務める『フォレスト』もまさに迷路のように入り組んだ人間模様に翻弄されるスリリングさが見どころのドラマになっていますよね。

とっても迷路で、深い深い森に入っていっちゃいました……(笑)。内容は言えないんですけど、私の演じた楓もどんどん深いところに入っていくにつれて、急成長したりたくましくなって別人になっていったんです。撮影当初は想像していなかったような人物にクランクアップした時にはなっていて、それは他の役者さんとの演技のキャッチボールやスタッフさんの熱量に影響されて、演じている自分でもコントロールできないぐらいに役が膨らんだというか……みんなに感化され続けた結果だと思います。

役者のみんなも先の展開が気になって「どうなるの!?」と刺激を受けながら演じていたので、リアリティーショーに近いような予定調和じゃない驚きやスリルがあるはず。さきほどのジャングルのトレッキングと同じで、ゴンドラに乗ってまっすぐ頂上まで行けたら楽だけど、ぐねぐねと入り込んだ道を歩くからこそ気づくこともあるし、成長できる。そういう意味では『フォレスト』も、回を重ねるごとにどのキャラクターも深みも面白みも増しながら、全体の調和が取れてすごく面白い作品になっていくと思います。詳しくは言えないんだけど……本当に観て欲しい!!


ーー岩田剛典さんとは今回が初共演にしてダブル主演となりました。はじめましての印象や現場はいかがでしたか。

まず、初めて会った印象で「同じ熱量だ」って感じました。主演だからといって自分たちだけが頑張るんじゃなくて、俯瞰で見て「みんなでいい作品にするにはどうしていこうか」という物作りの職人のような感覚を持ってらっしゃる方だなと。私も割とそういうタイプで、撮影部や演出部、照明部、メイク部などたくさんある中の俳優部の一員だと思ってるからこそ、みんなのために手を抜かない覚悟を持っている。そこも一緒で役者としての姿勢もすごく尊敬できたので、なんの不安もなく演技ができました。何か特別なことがあるわけではないんですけど、そばにいてくれるだけで心強くて安心できる、自分の味方がいてくれる存在だったのでとても助けられました。


ーー同じ熱量でぶつかりあえたからこそ生まれた信頼関係のような?

まさに信頼関係をすぐに築くことができたからこそだと思います。どんなに大変なシーンがあっても乗り越えられましたし、一緒のシーンじゃなくても岩ちゃんも頑張ってるんだろうなと思えば自分も頑張れる。そういう同じ目的意識があったから、強い絆が生まれたんじゃないか


ーーキャスト陣もスタッフもチームで一丸となって作られたことが、ドラマを観てもSNSなどでのみなさんのオフショットやコメントを見ていてもすごく伝わってきました。

内容はすごくシリアスで大変だったんですけど、本番以外はスタッフのみなさんもとても明るくて、いつも笑わせてくれたりコミュニケーションを取ってくれたからどんよりした空気とかでは全然なくて。だからこそ切り替えられたし、また現場に行きたいなと毎日思ってました。だから撮影が終わってもうすぐ1ヶ月ぐらい経つんですけど……早くもロスですね(笑)。みんなに会いたい。でも、みんなのおかげでここまで来れたから、またどこかでご一緒できた時にお返しできるように……「あの時は楽しかったね」と言えるように、続けていかないとなって今は思っています。それぐらい濃い作品で、私の代表作になったと思っています。これまでもターニングポイントはいくつかありましたが、人生の大事な節目にこの作品とチームに出会えて本当によかったなと思っています。


ーーちなみに『フォレスト』は、恋人の知らない一面を知ってしまったことをキッカケに、物語の深みにどんどん迷い込んでいく……というお話ですが、共演者のみなさんの意外な一面を見た!というエピソードはありますか?

岩ちゃんは、完璧で隙がないパーフェクトな人というイメージで実際にそうなんです。だけどあの方、大事なシーンに限ってお腹をよく鳴らすんです。 ぐうーーーって(笑)。人間らしいですよね!

楓の母・鈴子を演じている(松田)美由紀さんは、本番ギリギリまでお話をされているようなチャーミングでユーモアたっぷりな方なんです。本当に大好きな方で、いつも「美由紀さんに会いたい!」「あ、今日は美由紀さんに会える日だ!」って楽しみになって。だけど楓はお母さんのことが嫌いで距離を置きたいと思っているから、現実と役の切り替えが話が進めば進むほど難しかったですね。美由紀さんのことが大好きな想いが隠しきれなくて、漏れ出ちゃう……みたいな(笑)。


ーーいよいよ放送がスタートとなり大好評ですが、この先も反響が楽しみですね!

今まで出演してきた連続ドラマは、放送開始の1ヶ月前に撮影が始まって数話目ぐらいを撮影中にオンエアされることが多かったんですね。だけど今回はクランクアップしてからのオンエアなので、すごくそわそわしています……。緊張するから1人で正座して観たいぐらい。役者を始めたばかりの頃に、自分の出た作品を観るあの気持ちに近いんです。そういった意味でも初心に帰っていますね。


ーー考察したくなるドラマ展開だからこそ、SNSでも盛り上がりそうですね。

私も一視聴者として、皆さんと一緒に盛り上げていきたいなと思っています!本当に大切な作品になったので、ぜひ観てください




<作品情報>

『フォレスト』
ABCテレビ・テレビ朝日系
毎週日曜 午後10:15~11:09
TVerでは第1話~第3話、最新話見逃し配信中!
TVer番組ページ
ABEMA番組ページ



〜ストーリー〜

楓(比嘉)と純(岩田)は、同棲してまもなく1年を迎える恋人同士。
平凡ながら幸せな生活を送る二人だが、実はお互いにある「嘘」をついていた。
やがて「嘘」の上に積み上げられたささやかな幸せは崩壊し、日常は一変する。
それぞれが抱える「嘘」と、そこに隠された「真実」が明らかになったとき、
二人は人間不信の森(フォレスト)へ迷い込んでいく–