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旅サラダ現地ガイドが教える、イギリス湖水地方の「ほんとに行ってほしいところ」3選

イギリス北西部に広がる湖水地方(レイク・ディストリクト)は、200以上の山々と無数の湖が織りなす国内最大の国立公園。ユネスコ世界遺産にも登録され、その美しい景観は、これまで多くの作家・詩人たちを魅了してきました。マンチェスター空港から車で約75分。ロンドンからも列車でアクセスでき、週末の小旅行にもぴったりです。
今回は、湖水地方を知りつくした旅サラダガイドが、ここだけは外せない観光・グルメ・お土産の3つを厳選してご紹介します。

— イギリス在住ガイドの紹介 —

長谷川 友美さん・コーディネーター/ライター

1994年に渡英。現在はロンドンと東京を拠点に、テレビ、CM、ミュージックビデオ、ラジオ、雑誌、ファッション撮影など、さまざまなメディアの撮影コーティネートおよび通訳・翻訳、ライターとしてイギリス全土で活躍中。

— イギリス・湖水地方MAP —

1. 湖水地方のおすすめ観光スポット「World of Beatrix Potter Attraction(ワールド・オブ・ビアトリクス・ポター・アトラクション)」

©World of Beatrix Potter Attraction

湖水地方南部ウィンダミアの中心部にある、『ピーターラビット』の世界観を再現した、湖水地方ならではの体験型アトラクションです。

館内には、ピーターラビットやあひるのジマイマなどおなじみのキャラクターの立体展示が並び、物語の舞台になった田園風景がサウンドや香りとともに再現されています。絵本に入り込んだような没入感が得られ、大人にも人気のスポットです。

©World of Beatrix Potter Attraction

この施設の魅力は、作者ビアトリクス・ポターが愛した湖水地方の自然や物語の背景がていねいに表現されている点。番組でも紹介した「ヒルトップ」や「ユー・ツリー・ファーム」など、ポターが愛した牧場や石造りの家とあわせて訪れると、ポター作品の世界観がより深く味わえるでしょう。作品のファンにとっても初めて触れる人にとっても、湖水地方の文化を体感できる最適な入口だと言えます。

併設されたギフトショップには絵本やキャラクターグッズなどが豊富に揃い、カフェではピーターラビットをテーマにしたアフタヌーンティーも楽しめます。

2. 湖水地方のおすすめグルメ「The Old Stamp House(ジ・オールド・スタンプ・ハウス)」

©Phil Rigby Photography

ウィンダミア中心部から車で約10分。ウィンダミア湖北岸の街・アンブルサイドにある、ミシュランひとつ星のレストランです。湖水地方出身のライアン&クレイグ・ブラックバーン兄弟が2014年にオープンして以来、地元だけでなく、世界中の食通たちに愛され続けています。建物は、この地方出身でイギリスを代表するロマン派の詩人であるウィリアム・ワーズワースが印紙配布官を務めていた事務所跡で(それが店名の由来に)、歴史ある雰囲気が漂っています。

©Phil Rigby Photography

湖水地方は羊や牛の酪農が盛んで、豊かな森にはキノコやナッツ、ベリーなどが育ち、清らかな水源では新鮮な魚介類が獲れます。「The Old Stamp House」はこうした地元食材に最大限の敬意を込め、伝統的な英国料理にモダンなエッセンスを加えた温故知新な創造的メニューをコースで提供してくれます。

©The Old Stamp House
©The Old Stamp House

なかでも、ユー・ツリー・ファームで育てられた希少な羊・ハードウィック羊に、アンブルサイドの森で採れたマッシュルームを添えた一皿は絶品です。湖水地方の自然の恵みが凝縮されたここでしか味わえない料理だと言えるでしょう。アンブルサイドはウィンダミア湖クルーズの終点に位置しているため、湖を巡ったあとに訪れると、旅の余韻とともに豊かな食体験を楽しむことができます。

Old Stamp House Dish – Yew Tree Farm Herdwick Hogget(© Bacon on the Beech)

また、2024年には店のすぐ隣に小皿料理を楽しめる姉妹店「The Schelly」もオープン。こちらは「The Old Stamp House」のメニューを取り入れながらも、コースではなく小皿の一品料理がメインなため、よりカジュアルに湖水地方の味を楽しむことができます。

3. 湖水地方のおすすめお土産「The Grasmere Gingerbread Shop(ザ・グラスミア・ジンジャーブレッド・ショップ)」

湖水地方に来たら必ず買いたいお土産の定番が、この店のグラスミア・ジンジャーブレッド。ヴィクトリア朝時代の1854年にサラ・ネルソンが考案したというレシピが170年に渡って受け継がれており、ビスケットのザクザク感とケーキのような柔らかさが合わさった唯一無二の食感が特徴です。ショウガの辛みと優しい甘さのバランスが絶妙で、一度食べるとクセになること間違いなしです。

ジンジャーブレッド、直訳すれば「しょうがパン」ですが、小麦の表皮や麦芽であるふすまを使ったふすまパンのような見た目で、中はねっとりしたヌガーのような歯応えがあります。やや割れやすいので、日本に持ち帰るなら缶入りがおすすめ。

店舗はサラ・ネルソンが暮らしていた小さなコテージをそのまま使っており、ヴィクトリア朝時代の衣装を纏った店員さんが迎えてくれるのも旅情たっぷりです。グラスミア・ジンジャーブレッドの他にも、ラム・バターやショウガを使ったオリジナル商品、地元で有名なスティッキー・トフィー・プディングやミントチョコレートなど、湖水地方で人気のお土産も豊富に取り扱っているので、ぜひ足を運んでみてください。

まとめ

広大な自然と文学的遺産が同居するイギリス湖水地方は、自然、文化、おいしいものとすべてが揃った特別な旅先です。ポターの物語の世界観に浸れるアトラクション、湖水地方の恵みを活かしたミシュラン料理、そして長く愛されてきた名物スイーツ、どれもこの地域ならではの魅力が詰まっています。
マンチェスターやロンドンからのアクセスも良好で、初めて訪れる人にも、旅慣れた人にもおすすめの湖水地方。ぜひ、次のイギリス旅行では、今回紹介した3つのスポットを旅程に加えて、穏やかで豊かな時間を過ごしてみてくださいね。

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