日本海の雄大な景色と、山あいに息づく歴史や文化。さらに、酒造りや織物、めがね産業など、職人の技が今も暮らしの中に根付く福井県は、“ものづくりの県”としての奥深い魅力を持つ旅先です。

今回、高梨臨さんが巡ったのは、そんな福井の多彩な魅力に出会う旅。現存天守を誇る丸岡城、日本酒ファン憧れの黒龍酒造、複合施設「ESHIKOTO」、断崖絶壁が続く東尋坊、そして鯖江のめがね文化まで——。歴史、自然、食、ものづくりを五感で味わう福井旅をご紹介します。

丸岡城

織田信長の家臣・柴田勝豊が1576年に築いたとされる城。北陸でただひとつ現存する天守を備え、全国に12しかない現存天守のうちのひとつに数えられます。

石垣の上にそびえる望楼型の天守は、戦国の世から長い時を経て今に残る貴重な姿。屋根には豪雪に耐える地元の笏谷石(しゃくだにいし)が葺かれ、北陸の城ならではの落ち着いた佇まいを漂わせています。

エイトリボン

織物の街として知られる坂井市丸岡町にある、リボン専門の工場です。ヨーロッパ・アルプス地方の民族衣装に使われてきたチロル柄のリボンを、伝統的な織機で一本ずつ織り上げています。

工場見学では、色とりどりのチロル柄リボンが織り上がっていく工程を間近で見ることができます。リボンを使った缶バッジ作りのワークショップも用意されており、ものづくりを自分の手で体験できます。

黒龍酒造

江戸時代から200年以上、酒造りを続けてきた老舗の酒蔵です。全国に先駆けて大吟醸を世に送り出した、吟醸酒の先駆け的存在として広く知られています。

入手の難しさから「幻の日本酒」とも呼ばれ、全国の日本酒ファンから長く愛されてきました。蔵元のある永平寺町松岡は、清らかな水と稲作に恵まれた酒処として知られる土地です。

ESHIKOTO

黒龍酒造の親会社が手がける、日本酒と福井の文化を融合させた「大人の観光施設」です。敷地内には宿泊施設のほか、フレンチレストラン、蕎麦店、ベーカリーなどが点在します。

ここでしか出会えない黒龍の日本酒を扱うショップでは、限定酒のテイスティングも楽しめます。目の前に流れるのは、黒龍の酒造りを支え続けてきた九頭竜川。山々と田園が広がる景色を眺めながら、ゆったりと一杯を味わえます。

光風湯圃 べにや

福井を代表する温泉地・あわら温泉に佇む老舗宿です。昔ながらの平屋造りを守り、客室はわずか17室。それぞれの部屋にゆとりのある間取りが取られ、落ち着いて過ごせる空間が用意されています。

夕食には、越前若狭で水揚げされた海の幸を中心とした料理が並びます。素材を生かした一皿一皿は、まさに福井ならではの旬の味わい。

東尋坊

日本海に面した断崖に、柱状節理の岩が約1kmにわたって連なる奇岩群です。世界的にも稀な規模を誇り、国の天然記念物にも指定されています。

切り立つ岩肌は、波と風が長い時間をかけて削り出した自然の造形そのもの。崖の縁から海原を見渡せば、地球が刻んできた時間の流れが感じられます。

めがねミュージアム

国内のめがねフレーム生産量の9割を占める「めがねの街・鯖江」にある施設です。館内には、鯖江のめがね産業の歩みを伝える展示や、最新モデルが揃うショップが並びます。

職人と一緒にオリジナルのめがねを作る体験工房もあり、世界にひとつだけの一本を仕立てることができます。約500種類の生地からフレームの素材を選び、デザインと色を組み合わせていく過程そのものが、ものづくりの楽しさを教えてくれます。

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