【ロコレコ】豊かな自然と海の幸 五感で体感!アジな旅!
2025.08.16
瀬戸内海と宇和海に面し、温暖な気候も魅力の愛媛県は、古くから鯛や太刀魚など海の幸を使った郷土料理が多く存在しています。また造船業が盛んだった歴史背景からも、独特のソウルフードが生まれ、地元の人たちに愛されています。
そこで今回は、愛媛に行ったら食べたいご当地グルメメニューを15品紹介します。また、『朝だ!生です旅サラダ』で取材してきた、地元の人に愛されるご当地グルメの有名店や穴場のお店も11店舗セレクトしています。愛媛でしか食べられないおすすめのグルメ店が満載ですので、出張や旅行の際の参考にしてください。
※メニューや価格、営業時間等はすべて取材当時のものです。
愛媛県は鯛の生産量日本一で、県の魚にも指定されている名物です。郷土料理にも鯛を使ったものが県内各地にあります。その中でも、「鯛めし」は、松山(中予)と宇和島(南予)で同じ名前ながら調理法が異なっていることも有名です。
宇和島市など県西南部に位置する南予エリアの「鯛めし」は、鯛の切り身をタレに漬け込んで、ごはんにのせて食べるもの。タレには醤油やみりん、ごまのほか、玉子が入っていることが多いのも特徴のひとつです。大葉など薬味と一緒に食べると、口いっぱいに鯛の旨さが広がります。愛媛県内の和食店の多くが提供しているので、必ず食べたいご当地グルメです。
「宇和島鯛めし 丸水(がんすい)道後店」は、「鯛めし(宇和島風)」を味わえる歴史あるお店です。限定の天然真鯛と愛媛県産の養殖鯛のどちらかを選ぶことができるだけでなく、タレに使う生卵やごはんも厳選するなど、こだわりの鯛めしを昼も夜も提供しています。
ぷりぷりと食感がよく、甘みのある鯛は、出汁の香りを感じるタレに絡めていただきます。味はもちろん、ボリュームもあって、満足感があると評判のお店です。
松山市の中心街、いよてつ会館の地下にある「かどや大街道店」は、「鯛めし(宇和島風)」のおいしいお店として知られています。
こちらの鯛めしは、甘めの特製タレと濃厚な生玉子をよくかき混ぜ、そこに新鮮な鯛の切り身を加えてさらに混ぜ、熱々のご飯にかけていただくスタイルです。玉子のまろやかさとタレのコク、鯛の旨味が一体となって食が進みます。松山城や道後温泉からのアクセスも良好なので、観光旅行で夜ご飯を食べに訪れたいお店です。
松山市の「鯛めし」は、鯛を一尾丸ごと使って米と一緒に炊き込む郷土料理です。塩、醤油、昆布などで味付けして、鯛を丸ごと一緒に炊き込みます。炊き上がったら鯛の身をほぐしあつあつご飯に混ぜ合わせると、ご飯全体に鯛の旨味が行き渡ります。
この「鯛めし」は「北条鯛めし」とも言われ、松山市北部の北条地域で神功皇后が鹿島を訪れた際、漁師が献上した鯛を米と炊いたのが始まりと伝わり、お祝いの席でも親しまれています。
愛媛を訪れたら、宇和島の鯛めしと松山の鯛めし、ぜひ食べ比べてみましょう。
「じゃこ天」は、宇和海で獲れる新鮮な小魚・ハランボ(ホタルジャコ)を小骨ごとすり潰し、油で香ばしく揚げた練り物として有名です。元和元(1615)年に宇和島藩の初代藩主だった伊達秀宗が、故郷である仙台から蒲鉾職人を連れてきてつくらせたとも伝わります。
小魚ならではの濃いうまみとほのかな苦みが絶妙で、噛むほどに味わいが広がります。外はカリッと、中はふっくらとした食感も魅力。軽くあぶって大根おろしを添えれば、さらに風味が際立ちます。栄養価も高く、カルシウム豊富でヘルシー。家庭では、肉の代わりに「じゃこ天」を使った天ぷらカレーとしても食べられています。
「じゃこカツ」は、宇和島名物じゃこ天をベースにした比較的新しい宇和島名物です。「じゃこ天」と同じくホタルジャコのすり身を使っていて、玉ねぎや人参、ごぼうなどを加えて味付けし、パン粉をつけて揚げます。外はサクサク、中はふんわりジューシーで、魚のうまみと野菜の甘みが合わさったコロッケのような食べ物です。
千切りキャベツとともにパンに挟んだ「じゃこカツサンド」もソウルフードとして人気で、食べ歩きやビールのお供にもぴったり。お店ごとに味の個性があり、食べ比べも楽しめます。
「太刀魚巻」は、脂の乗った新鮮な太刀魚を三枚に下ろし、天然の竹に巻き付けて炭火で焼き上げた宇和島でしか食べられない名物です。
繰り返し塗られる甘辛い特製ダレが香ばしく焼け、表面はパリッと、中はふっくらジューシー。太刀魚特有の上品な旨みとタレの深みが合わさり、口の中でとろけるような食感が広がります。竹の香りもほんのり移り、野趣あふれる風味がクセになる味わいです。そのまま豪快にかじるのが醍醐味で、酒の肴にもぴったり。観光客にも人気です。
『旬膳・郷土膳 和日輔』は宇和島駅からほど近く、観光客から地元客まで幅広く親しまれている料理店です。地産地消をモットーに宇和海と近隣でとれる旬の食材を使って、鯛めしや太刀魚巻きなど、宇和島でしか食べられない郷土料理を提供しています。
店内はカウンター、掘りごたつ、テーブル席、最大80名収容の宴会場が用意され、風情あるしつらえ。団体での宴会や法要など様々なシーンで利用されている落ち着いた雰囲気のお店です。
「松山鮓(まつやまずし)」は、松山地域で祝い事や来客時にふるまわれてきた郷土料理です。エソやトラハゼといった瀬戸内の小魚から取った出汁を加えた酢飯は甘め。アナゴやエビ、しめサバ、ごぼう、人参などを混ぜ込み、上に錦糸卵や魚介が美しく飾り付けられています。
「松山鮓」は別名「もぶり鮓」とも呼ばれ、「もぶる(混ぜる)」という方言に由来しています。明治期には松山を訪れた夏目漱石がこの寿司を喜んで食べたとも伝わり、正岡子規も句に詠むほど愛しました。文豪にも愛された誇りある郷土の一品は、松山でしか食べられない味です。
瀬戸内国立公園にある伯方島は、CMでもお馴染みの「伯方の塩」のふるさと。島の食堂「さんわ」の店主が、瀬戸内海を味で表現したいと開発したのが、「伯方の塩ラーメン」です。
瀬戸内の穏やかな風土を感じられるよう、素材の旨味を塩で引き出す独自の製法で仕上げた一杯は、あっさりとしながらも深い味わいで、観光中のランチにぴったり。コシのある細麺に、ほのかな磯の香りを感じられるよう味岩海苔がトッピングされています。「海の味がする」と評されたスープは、まさに伯方島の風景を映すようなやさしい味です。
瀬戸内海に浮かぶ伯方島の塩田で働いていた家族が昭和46(1971)年に創業した食堂です。創業者の息子さんが「しまなみ海道」が全通する前年の平成10(1998)年に開発して提供し始めた「伯方の塩ラーメン」が名物となり、自転車でしまなみ海道を旅する観光客にも人気のお店です。
食堂らしく、ラーメンとおかずがセットになったラーメン定食や、地元の郷土料理イギス豆腐なども提供。「伯方の塩ラーメン」はお土産用のパッケージも用意されています。
八幡浜市の「八幡浜ちゃんぽん」は四国の西の玄関口と言われる八幡浜市で長崎から伝わった麺文化が地元の味と融合して生まれ、八幡浜のソウルフードとして市民に愛され続けています。
鶏がら、カツオ、昆布から取った黄金色のスープは、あっさりとしながらもコク深く、最後の一滴まで飲み干したくなる味わい。野菜や豚肉のほか蒲鉾やじゃこ天など八幡浜ならではの具材がたっぷりのっています。約30店舗が「八幡浜ちゃんぽん」を提供しており、各店の個性豊かな一杯が楽しめます。
愛媛県の西端にある佐田岬半島の八幡浜市にある「味楽食堂」は、地元の老舗食堂です。名物は、豚骨と鶏をベースに8時間煮込んだコラーゲン豊富なスープが特徴のソウルフード、チャンポン。
八幡浜では珍しいこってりとした乳化系スープで、魚介や野菜、生卵など具だくさんの一杯が楽しめます。中太のちぢれ麺はもっちりとした食感。店内では「特チャン」と呼ばれる玉子入りメニューも人気です。持ち帰り用チャンポンや日替わり弁当も販売され、地元客に親しまれています。
「鍋焼きうどん」といえば、一般的には土鍋で提供され、寒い時期のランチにぴったりのメニューです。ところが松山では一年中、暑い夏でも熱々の「鍋焼きうどん」が食べられています。
松山の「鍋焼きうどん」のさらなる特徴は、土鍋ではなくレトロな雰囲気のアルミの器に入って提供され、出汁が少し甘いこと。出汁が甘いのは、まだ甘いものが貴重だった戦後すぐに誕生したから、アルミ鍋が選ばれたのは軽くて丈夫だからと言われています。
麺は同じ四国の香川県のうどんとは対極的で、柔らかく、「腰抜けうどん」と呼ばれています。日本各地はもとより海外からの観光客も「鍋焼きうどん」を目当てに松山を訪れる人も増えているそうです。
松山市で江戸時代から栄えた堀江港から50メートルの場所にある家族経営の食堂。堀江港にフェリー乗り場があった昭和43(1968)年にオープンしました。フェリー乗り場は平成21(2009)年に閉鎖されましたが、近所の人はもちろん、観光客にも親しまれ続けています。
メニューは松山のソウルフードの一つ、ちょっと甘めの「なべ焼きうどん」や、創業当時から変わらない味わいの「中華そば」、「伊予うどん」や「しらす丼」などバラエティ豊かで、値段もリーズナブル。少人数席やカウンター、小上がりもある店内の飾らない雰囲気も魅力で、家族で訪れるのにもぴったりです。
今治の「焼豚玉子飯」は、約50年前に中華料理店「五番閣」の賄いから始まったご当地グルメ。ご当地グルメの祭典B-1グランプリには2011年から出場し、毎回上位に入賞して有名になりました。
たっぷり盛り付けられた白いご飯を覆うかのように、やわらかい焼き豚と半熟の目玉焼きがのせられ、焼き豚の煮汁、しょうゆや砂糖をあわせた独特のタレがかかっています。お店で注文するとわずか1分ほどで提供されるのも「焼豚玉子飯」の魅力。せっかちと言われる今治の人たちが仕事の合間に食べるランチメニューとしても愛されています。
1970年に開業した今治でも最も古い中華料理店の一つ。B級グルメとして有名な焼豚玉子飯が看板メニューで、行列ができるお店として知られています。
「焼豚玉子飯」は現在は閉店してしまった老舗中華料理店「五番閣」で修行した創業者が、そのお店で賄いとして食べられていた料理を取り入れました。『白楽天』の焼豚玉子飯は甘いタレとコショウのバランスがポイントです。他にもリーズナブルなメニューが揃っていて、昼は観光客、夜はおひとり様からファミリーまで多く利用されています。
『重松飯店』も焼豚玉子飯発祥の店「五番閣」で修業した大将が開いた中華料理店です。『重松飯店』の焼豚玉子飯は、並サイズでもボリュームがあり、黄身がプルプルと柔らかく、甘さ控えめで醤油の味が濃いタレがかかっているという特徴があります。
とろとろの黄身を崩して、焼き豚とご飯を一緒にレンゲですくって食べるのが『重松飯店』流焼豚玉子飯の食べ方です。テーブルには食べ方ガイドも置かれています。
『重松飯店』のタレは、お店で販売されているのでお土産にも。他にも各種ラーメンやチャーハン、餃子に野菜炒めなど、メニュー豊富な町の中華料理店は、ランチもディナーも気軽に立ち寄りたいお店です。
三津浜焼きは、関西風や広島風とも異なる、松山市三津浜地区独自のお好み焼きです。大正時代に「一銭洋食」と呼ばれた小麦粉を焼いた軽食が起源と言われています。
その作り方は鉄板の上にクレープ状に生地を広げて魚粉を振り、キャベツやちくわ、牛脂、味付け麺(そば・うどん)などを重ねて焼くというもの。香りのいい甘辛ソースをかけていただきます。
現在、三津浜焼きの伝統継承と魅力発信を目的に「三津浜焼き推進プロジェクト」による「三津浜焼き10ヶ条」が定められています。10ヶ条の「その一」として地元で親しまれているちくわを使うこと、「その四」としての削り粉を隠し味に使うこと、「その六」として生地を二つ折りにして提供することと、特徴が掲げられています。三津浜地区では30軒ほどの専門店が軒を連ねていて、まさに三津浜地区だけで食べられるソウルフードです。
お好み焼きの一種として、松山市で親しまれる「三津浜焼き」。お店ごとに具材や焼き方、ソースやふりかけに個性が現れる地元のソウルフードです。現在30件ほどあるとされる三津浜焼きのお店の中でも、代表格として地元で有名なのが『お好み焼きみよし 駅前店』です。女性の店員さんが1人で焼いている三津浜焼きはボリュームたっぷり。香りのいいソースが甘辛く、魚粉の風味も効いています。
店内は鉄板の周りに5名ほどのカウンター席があり、4名掛けのテーブル席も2つあって、「三津浜焼き」と一緒に昭和レトロな雰囲気も味わえます。
「せんざんき」とは、鶏料理が盛んな今治市周辺に伝わる郷土料理です。骨付きの「ご当地唐揚げ」の一つとして、お祝いの席でもよく食べられています。骨から出る旨味と下味が加熱で一段と肉全体にしみ込み、カラッと揚がった食感と濃厚な味付けが支持されていて、おかずやおつまみにぴったりです。
始まりは江戸時代、近見山のキジを捕獲し揚げ物にしたことだと伝わります。名前の由来は諸説ありますが、鶏のいろいろな部位を丸ごと千のように斬るため「千斬切(せんざんき)」と呼ばれるようになったという説があります。
「いもたき」は、大洲市を発祥とする秋の夜に行われる風物詩です。「いもたき」はもともと藩政時代の「お籠り」と呼ばれる行事で里芋を持ち寄ったことが起源で、現在も地域行事や家庭の味として受け継がれています。里芋が親芋から子芋、孫芋へと増えることから子孫繁栄の縁起物とされ、地域では祝いの席にも登場します。
伝統的行事としての「いもたき」は、里芋や鶏肉、こんにゃく、しいたけなどが煮込んだ鍋を囲みながら、親しい人々と宴会を催すこと。秋の月がきれいな夜には、南予地方を中心に愛媛県内のあちこちの河川敷で「いもたき」をする光景が見られます。発祥地の大洲市ではいもたき登録店があり、気軽に楽しむことができます。
「今治焼き鳥」は、串に刺さず、鉄板の上に置いた鶏皮に鉄の重しを乗せてプレスしてつくる焼き鳥です。「造船所の鉄板で鶏を焼けないか」という発想から約50年前に誕生し、素早く提供できる調理法としてせっかちな気質の地元の人たちに歓迎されました。
鉄板の上で焼かれるため、余分な脂が落ちて、外側はカリッと香ばしく、中はジューシーに。甘辛いタレが絡む皮は特に人気です。「今治焼き鳥」を食べたあとは締めには「せんざんき」をいただくのが通の楽しみ方とされています。地元の居酒屋やバーなどで夜、お酒のつまみとして提供されています。
今治名物の鉄板に押し付けて焼く「今治焼き鳥」、しまなみ海峡で水揚げされた新鮮な魚介類を使ったお刺身やお寿司、お蕎麦など、バラエティ豊かなメニューを揃える居酒屋です。
炭火で香ばしくジューシーに焼き上げる地鶏は歯ごたえのある媛っこ地鶏や、柔らかくてヘルシーな日向鶏が選べます。焼き鳥は旨みの詰まった秘伝のたれと、海水100%の塩で味付け。手頃な値段とお酒の種類の豊富さも魅力です。ランチタイムには郷土料理の定食も準備されています。
愛媛県といえばかんきつ類の生産量が全国一の「かんきつ王国」です。40種以上の品種数が育てられています。全国第2位の生産量である温州みかんの他には、「紅まどんな」「甘平」「せとか」など食味のいい柑橘類が一年を通して収穫されており、季節に合った味を楽しめます。
南国の陽光に加え、海や石垣から反射する光を含む“3つの太陽”が育むかんきつは、甘くジューシーな味わいが魅力。100年以上続く栽培技術と研究の積み重ねにより、今なお進化を続ける柑橘は、愛媛観光のお土産にもぴったりです。
日本一の「柑橘王国」、愛媛県産柑橘類の魅力を伝える専門店が道後温泉に構える店舗です。店内にはジュースやゼリー、ドライフルーツなど多彩な柑橘加工品が並び、お土産探しにも最適。
奥のイートインスペースでは、ソフトクリームやジェラート、みかんジュース、みかんビールなどが、豊富な種類ごとに味わえて観光客で賑わいます。品種によってそれぞれ苦み、酸味、甘みが異なることを実感できるのも魅力です。みかんの味わいを存分に比べながら楽しめるスポットです。
太陽の光と瀬戸内の温暖な海に恵まれた愛媛県。生産量No.1の柑橘類の他にも海産物を独自にアレンジした郷土色豊かなグルメが豊富です。全国的に有名なソウルフードや、地元の人たちが古くから食べ繋いできた祝いの席の食事まで、歴史と風土が培ってきた食文化はバラエティ豊かです。まだまだ多くの魅力的なグルメがありますが、観光の途中で「何を食べようか」と迷った際にはぜひ本記事を参考にしてみてください。
※こちらの記事は旅サラダPLUS編集部が2025年7月に作成しました。
※記載の内容は取材・調査時点のものであり、ご利用時と異なる場合があります。実際に店舗に行かれる際には在庫の有無等のご確認をお願いします。
ロコレコ
2025.08.16
トラベル
2025.08.22
ロコレコ
2025.07.19
ロコレコ
2025.06.28
ロコレコ
2025.05.31
プラス旅
2025.06.20
おすすめ
おすすめ
松浦市
2025.08.16
おすすめ
神戸市
2025.07.19
おすすめ
焼津市
2025.06.28
おすすめ
金沢市
2025.05.31
記事ランキング
2025.03.20
2025.04.04
2025.04.24
2025.03.30
2025.01.30