紀伊半島の南端には、黒潮が運ぶ温暖な気候と、ダイナミックな海辺の景観が広がります。古くから湯けむり立ちのぼる温泉地としてにぎわう一方、山深い地には、いにしえの人々が祈りを重ねてきた信仰の風土が今も息づいています。海と山、その両方に物語が宿る土地です。

今回、ゲストの小池徹平さんが旅するのは和歌山(南紀白浜・熊野)。波が刻んだ海岸線、活気あふれる海鮮市場、世界遺産の熊野古道など——南紀白浜と熊野の見どころを、たっぷりご紹介します。

千畳敷

千畳敷は、畳を千枚も敷けるほどの広がりを持つ大岩盤です。1800万年前から1500万年前にできた砂岩が、打ち寄せる荒波に長い年月をかけて浸食され、岩だたみのような景観を形づくってきました。「広い岩畳を思わせる」という見た目が、その名の由来とされています。

地形としては、波の浸食で平らになった海底(波食台)が隆起し、海岸段丘となったもの。近くの海食洞は、ユビナガコウモリにとって近畿地方で唯一の繁殖洞でもあります。

とれとれ市場南紀白浜

とれとれ市場南紀白浜は、西日本最大級の海鮮マーケットです。1995年7月の開設以来、和歌山県の特産品から全国の魚介類までがそろう施設としてにぎわっています。

鮮度抜群の海産物に加え、和歌山名物のお土産品も種類豊富に取り揃えています。新鮮なマグロを包丁1本でさばく解体ショーは毎日行われ、ここで買った魚を刺身や炙りに無料で調理してくれるサービスも人気です。

白良浜

約620メートルにわたって続く真っ白な砂浜が広がる、関西屈指のビーチとして人気を集める白良浜。砂は90%もの珪酸を含む石英砂でできており、サラサラときめ細かな質感が特徴です。エメラルドグリーンの海と松の木が織りなす、南国と日本の風情が融合した独特の景観も見どころとなっています。

2000年7月にはハワイのワイキキビーチと友好姉妹浜提携を締結。日本の快水浴場百選にも選ばれています。本州で最も早く、ゴールデンウィークに海開きを迎え、9月半ばまで海水浴シーズンが続きます。

京都大学 白浜水族館

京都大学の研究施設の水槽を一般公開している水族館です。1930年にオープンし、今も営業を続けている水族館としては国内で3番目に古い歴史を持ちます。2020年には90周年を迎えました。

館内には、紀伊半島の海に生息する生き物が約500種展示されます。エビ、カニ、タコなど無脊椎動物が多いのも特徴で、サンゴやウニ、ナマコなどを含むコレクションは国内有数の規模を誇ります。暖かい黒潮の影響を受けるこの海域では、温帯と亜熱帯の種が共存し、独特の生物多様性が見られます。

FIVE SPRING RESORT THE SHIRAHAMA

和歌山県のホテルとして初めて「ミシュランガイドホテルセレクション2025」に掲載された温泉リゾートホテルです。客室は全室が温泉風呂を備えたスイートで、地下1000mから湧く源泉を使用しています。

宿泊は、食事や一部を除くドリンクが宿泊代に含まれるオールインクルーシブ。夕食は南紀白浜の海の幸と季節の食材をふんだんに使った会席料理を堪能できます。

熊野古道 中辺路

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として2004年に登録された、熊野三山への参詣道です。田辺から熊野本宮・熊野速玉・熊野那智の三社へと続く山岳ルートで、平安時代には上皇や貴族が歩いたことで道として定着しました。高低差が比較的少なく、熊野古道のなかでも初心者向けとされています。

熊野本宮大社

全国に3,000社ある熊野神社の総本宮、熊野本宮大社。社伝によれば崇神天皇の時代に、熊野川の中洲にあたる大斎原の地に創建されたと伝わります。熊野速玉大社・熊野那智大社とともに熊野三山を構成し、その中心に位置する古社です。

熊野は古くから「よみがえりの地」として信仰を集め、主祭神・家津美御子大神の使いとされる八咫烏でも広く知られています。江戸時代に建てられた第一殿・第二殿は国の重要文化財に指定され、2004年には世界遺産に登録されました。

大斎原(おおゆのはら)

御食事しもじ 本宮店

熊野本宮大社の入口から徒歩2分の場所にある食事処です。山菜と梅干しを添えた「古道うどん」など、熊野の味が感じられるメニューが人気を集めています。参拝の行き帰りに立ち寄るのにぴったりです。