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旅する8246(やつしろ)ジェラート 熊本県八代市×凄腕シェフ×旅サラダPLUS ~地元食材を生かした極上ジェラート開発!~

九州のほぼ中央に位置する、山・海・平野と多様な自然に恵まれる熊本県八代市。その豊かな自然で育まれる様々な産品を使い、オリジナルジェラートの開発を行うプロジェクト!今回はトマト・晩白柚(ばんぺいゆ)・い草・生姜の4つの産品に着目し、新たなジェラート開発を試みます。
手掛けるのは、ミシュラン星付きサービスを担った経験もあるレストラン「MOSS CROSS TOKYO」の凄腕シェフ&オーナー。2人が実際に八代市へ食材視察に赴き、ジェラート開発を通して八代市のまちの魅力の発見と、食材たちの新たな可能性が生まれる瞬間に旅サラダPLUSが密着しました。



MOSS CROSS TOKYO

渋谷の新たなランドマークとなる「SHIBUYA SAKURA STAGE」内にあるハイアットハウスのグランドレストラン・MOSS CROSS TOKYO。レストランのコンセプトは、フランス料理に日本(和)や東洋のエッセンスを融合させた世界観『和漢洋才キュイジーヌ』。
フレンチの技法に日本の「薬膳や養生や医食同源」や東洋の「中医学や食医」の考え方を融合。
日本の旬食材とスパイス&ハーブを合わせたり、薬膳や醗酵の技法を取り入れた“カラダ喜ぶ料理”を提供している。


▼総料理長・福島信幸
2005年にフランスへ渡り、ミシュランガイド掲載店で研鑽を積み、フランス料理の真髄を学ぶ。帰国後、数々の都内レストランにて料理⻑を務め、2024年にMOSS CROSS TOKYO Shibuyaの総料理⻑に就任。日本各地の生産者との関係性を大切に、その産品を厳選した「和漢洋才キュイジーヌ」を提供する。

▼オーナー・井上翔輝
ニューヨーク・フランスで研鑽を積み、サービスのプロフェッショナルとして活躍。
生産者と消費者・料理と文化・様々なCROSS交差交流を生みだす場を目指し、様々なレストランをプロデュース、自社運営も行う。2024年から自社店舗を東京・沖縄・シンガポールの3拠点をメインに絞り、食を通じた交差交流のステージとして、日本産品の高付加価値化、レストランの可能性の拡大に挑戦。



MOSS CROSS TOKYOの2人が産品視察へ!道の駅で八代市の産品をチェック!

福島シェフ&井上オーナー、実際に産品を視察するため八代市を訪問しました。
最初に訪れたのは、東陽町のシンボルジーン・石橋公園のすぐ隣にある道の駅「東陽交流センター せせらぎ」。施設内の直売所“菜摘館”は地元で採れた産品が取り揃えられており、観光客や地元の人からも愛されているスポットです。

早速福島シェフが手にしたのは、熊本県産蜂蜜。その重厚感ある色の蜂蜜に魅了され、どんな食材と組み合わせるのが良いか構想を練り始める場面も。

八代市に到着して早々、特徴的な産品とその加工品のクオリティに今回のジェラート開発への手応えを感じていました。


【道の駅 東陽 野菜の直売所「菜摘館」】



生産量日本一!宮島農園でトマトを視察

キー食材を探しに、八代市が市町村単位での生産量で全国第一位を誇る“トマト”を視察しに宮島農園へ。八代市では、干拓地という特徴を活かし、ミネラルが豊富かつ糖度の高いトマトが栽培されます。
まず生産者の宮島さんが案内してくれたのは、チェリートマトを栽培しているハウス。
発色の良さと色鮮やかな光沢に見惚れつつ、早速試食してみると「瑞々しくて、皮がしっかりしている。今まで食べたチェリートマトと全然違います!」と宮島農園のトマトへのこだわりを感じた福島シェフでした。

続いてのハウスで珍しい「イエロートマト」を試食すると、福島シェフは「オレンジの味がします」と、糖度が高く柑橘の要素もあるフルーティーな味わいに衝撃を受けた様子。

宮島農園ご夫妻からは「実は、黄色のトマトって売るのが大変なんですよ」と味が薄くてパンチがない、というネガティブなイメージが悩みだと本音も…。
しかし、実際には宮島農園のイエロートマトは、みかん並みの高い糖度から子供にも人気で、「一番推したいトマト」とのことでした。

その言葉を聞いた井上オーナーはすぐに「黄色にしましょう!」と、宮島農園ご夫妻が味に自信を持つイエロートマトをジェラート作りに採用することを即決。
イエロートマトの鮮やかな色を活かして、どのようにジェラートでエンタメを作るかが商品開発のポイントだと語りました。



ギネス認定・世界最大の柑橘類!晩白柚を堪能

続いて2人は、八代市で晩白柚をはじめとする柑橘類を栽培するやつしろサニーサイドファームを訪問しました。世界最大の柑橘類としてギネス世界記録にも認定されている晩白柚は1玉が約2㎏程度にもなる柑橘で、生産量の約9割を八代市が占めています。

生産者の桑原さんが案内してくれた先には、インパクト抜群の大きな晩白柚の実の数々が。想像を超えた晩白柚のサイズの大きさに福島シェフも驚きです!

早速晩白柚を剝いていただくと、まるで宝石のように光り輝く実が姿を現します。試食した福島シェフは、大きな果肉の食感と、繊細な甘みと酸味のバランスに魅力を感じていました。また、桑原さんが「晩白柚の香りは外側の皮に全て詰まっています」と話すように、皮からも爽やかな香りが。「これは絶対に使った方がいいですよ!」と、福島シェフも料理人の視点からジェラート作りのイメージを高めます。



国内シェア9割以上を誇る畳の原料!い草の活かし方は…!?

畳の原料であるい草の国内シェア約9割を占めている八代市。温暖な気候と球磨川から引いたミネラル豊富な農業用水によって育つい草は、畳表の他にも様々な製品にも加工されています。い草は食物繊維を多く含み、健康食の面でも注目が集まる産品です。

2人が続いて向かったのは「イナダ有限会社」。自社農園で栽培したい草をパウダー状に加工し、様々な食品に応用した独自の製品販売を行っています。

い草茶・い草飴・い草胡麻ふりかけなど様々な商品が並んでいる店内で、早速福島シェフは、パウダー状になったい草パウダーを試食させていただくことに。い草の香りがしっかりと残る特徴的なパウダーに「小さい頃に畳のある部屋で遊んだことを思い出すような懐かしさを感じますね」と福島シェフもしみじみ。

イタリアのデザート・ティラミスから着想し「い草のティラミス」に挑戦してみたいと、イメージを膨らませます。MOSS CROSS TOKYOの世界観でもある、和と洋のエッセンスを融合させた独自の組み合わせに期待が高まります。


【イナダ有限会社】



東陽町の名産!生姜農家を視察

八代市は「しょうがの里」としても名高く有名な生姜の産地です。続いては道の駅にも産品を卸しているという生姜農家を訪問し、生姜畑を視察しました。

まず井上オーナーの目に留まったのは、生姜の「葉」の部分。葉にも爽やかな香りが詰まっていました。葉は普段特に使わないと聞き、井上オーナーは思わず「もったいない!農家さんは香りに慣れてらっしゃると思いますが、僕らにとっては宝物に感じますね」と感動を口にします。

続いてその場で生姜を収穫してもらい、採れたてを試食させていただくことに。収穫したての生姜の断面は艶やかに光り、見た目からもその新鮮さを感じることができます。

生姜を口にした福島シェフは「上品な味わいで料理の幅が広がる生姜!」とその味を絶賛。井上オーナーも「“香り“は産地に行かないと経験できない重要な要素。それをお客様に感じていただけるように届けるのも僕らのやりがい」と、食材視察の大切さを改めて実感したようでした。

全ての食材視察を終え、福島シェフは「全て素晴らしい食材で、これらの食材がもっと世に出ないともったいないと思う。その食材たちの魅力を発信するのが【料理人の力】。生産者の想いとお客様の間を取り持つ料理を作っていきたい」と今回のジェラート開発プロジェクトへの想いを話しました。



試作を重ね…ついに8246ジェラートが完成!

八代市での食材視察を終え、様々な食材を”CROSS”させて試作品を製作。試作と改良を繰り返し、ついに8246ジェラートがカタチに!八代市の産品の魅力が詰まった3種類のフレーバーが完成しました。



▼「イエロージンジャートマト」

1つ目は、鮮やかな色と糖度の高いフルーティーな後味が特徴のイエロートマトをメインに、風味抜群の生姜を”CROSS”させた「イエロートマト×生姜」のジェラート。

イエロートマトに熱を加えて水分を飛ばすことで味を濃縮させ、そこにアクセントとして生姜を入れることで2つの食材の味を調和させています。糖度の高いイエロートマトを、加熱してより際立たせ、風味高い生姜とも引き立て合う風味に昇華させました。



▼「晩白柚×蜂蜜」

2つ目は、繊細な甘みと酸味のバランスが特徴的な晩白柚をメインに、風味豊かな熊本県産蜂蜜を”CROSS”させた「晩白柚×蜂蜜」のジェラート。

晩白柚の酸味と蜂蜜の甘さがそれぞれを引き立て合う組み合わせに。視察でヒントを得た晩白柚の皮もすりおろして入れることで、より爽やかな香りが際立つジェラートになりました。



▼「い草ティラミス」

3つ目は、畳を連想させる香りが特徴のい草パウダーとマスカルポーネを”CROSS”させ、エスプレッソのコクも楽しめる「い草×マスカルポーネ」のジェラート。

い草は食物繊維が多く含まれて体に良い食材なので、子供にも食べやすい形のジェラート作りにこだわりました。デザートとしても馴染みのある「い草ティラミス」として、健康面も考慮されたジェラートが出来上がりました。

食材を掛け合わせ素材の味を活かしたジェラートは、製造工程にも多くのこだわりが!
本場イタリアのジェラートの世界観を再現するため、ジェラートマシンはイタリアから取り寄せたものを使用。

ジェラートマシンから生成されたジェラートをカップに入れた後にすぐに冷凍庫に入れるのではなく、特殊な冷凍機・アートロックフリーザーの中へ。-30℃~-35℃で瞬間冷凍することで、濃度や味わいが締まったジェラートになります。

こだわりが詰まったジェラートについて、手がけた2人はそれぞれ想いをこう話します。

福島シェフ)
「生産者の顔が見られるジェラートになっています。作り手の想いをカタチにして、みなさんに八代市について知ってもらいたいと思います。」

井上オーナー)
「3つのジェラートのテーマは『香り』。八代市に行ったことのある方からこれから行きたいと思う方まで、ジェラートの『香り』から八代市を感じて欲しいと思います。」

凄腕シェフたちが自然豊かな八代市の産品の魅力を最大限に引き出し、こだわり抜いた3種類の極上ジェラート。製品化を乞うご期待です!

取材協力:八代市