釧路湿原からオホーツク海、そして日本の東の果てまで。北海道の東部には、車窓の風景そのものが旅の主役になる鉄道が走っています。

今回、ゲストの福澤 朗さんが旅するのは北海道・釧網本線&花咲線。摩周湖カムイテラスや川湯温泉の強酸性の湯、仙鳳趾の牡蠣など、道東のおすすめ観光スポットとご当地名物グルメを紹介します。

JR釧網本線

東釧路駅と網走駅を結ぶ、全長166.2kmの鉄道路線です。沿線には釧路湿原や摩周湖、知床連山など観光のみどころも多く、絶景路線として人気を集めています。

釧路~塘路間を走る「くしろ湿原ノロッコ号」は、1989年に登場した4~10月頃の期間限定の観光列車。4両編成のうち、2~4号車が展望客車。東釧路、釧路湿原、細岡の各駅に停まりながら、釧路から塘路までを約45分かけて進みます。長く親しまれてきた列車ですが、車両の老朽化により、現行車両としては今年がラストランとなります。

摩周湖カムイテラス

アイヌ語で「カムイトー(神の湖)」と呼ばれる摩周湖は、日本一の透明度を誇る湖。1931年には透明度41.6mという世界最高記録が観測されました。湖面の深い青は「摩周ブルー」と呼ばれています。その第一展望台に2022年にオープンしたのが、この施設です。

開放感のある屋上テラスはもちろん、館内の展望ラウンジからも湖を眺められます。売店には摩周湖にちなんだ軽食が並び、「摩周霧ソフト」「摩周ブルーソフト」といったご当地ソフトクリームも。摩周湖は霧に覆われることでも知られますが、発生しやすいのは主に夏で、春・秋・冬はそれほど多くありません。

オーチャードグラス

1936年に建てられた川湯温泉駅の駅舎内にあるレストランです。かつての待合室や駅長室を生かした店内には、美しいステンドグラスが残ります。旧国鉄時代から使われてきたアンティークな建物で、温かな雰囲気の残る一室が客席になっています。

名物は、地元のブランド牛「星空の黒牛」を使ったビーフシチュー。2日かけて煮込むことで、肉から出るフォンドボーの旨みを引き出した一皿です。手作りのスイーツも揃います。

お宿欣喜湯 別邸すいかずら

全国的にも珍しい強酸性の湯が楽しめる温泉宿です。硫黄山から湧く源泉はpH1.8。口に含むとレモンよりも酸っぱく、五寸釘なら1週間ほどで溶けてしまいます。加温も加水もせず、100%かけ流しで湯船に注がれます。

「釘をも溶かすほど酸性が強い」泉質を広めようと、2024年に始まったのが“悪縁を溶かす”縁切り湯巡り絵馬の企画です。絵馬を手に、川湯温泉内の4つの旅館・温泉施設を日帰り入浴で巡ることができます。夕食には、道東の食材を使った懐石コースが用意されています。

川湯公衆浴場 湯吉

川湯温泉で60年以上愛されてきた公衆浴場が、2024年9月にリニューアルオープンしました。建物のすぐ横に源泉が湧き出ているため、名物の「あつ湯」は45℃超え。源泉かけ流しの湯が、そのまま浴槽を満たします。

建物・内装などは、施設を引き継いだ名物社長の中野吉次さんが自らの手で改修しました。前出の縁切り湯巡り絵馬で日帰り入浴できる4施設のひとつでもあり、川湯温泉の湯めぐりに組み込むこともできます。

JR花咲線

JR根室本線のうち、釧路駅と根室駅を結ぶ全長約135kmの区間に付けられた愛称です。森林から湿原、海岸線へと車窓の風景が移り変わり、道東ならではのダイナミックな絶景が続きます。「地球探索鉄道」の呼び名で、観光客にも人気の路線です。

2025年に東根室駅が廃止されたことで、終点の根室駅が64年ぶりに日本最東端の駅へと返り咲きました。

かき番屋 しげちゃん

仙鳳趾の牡蠣を養殖する水産会社が直営するかき小屋です。仙鳳趾はアイヌ語で「魚がわきたつところ」を意味する地名。栄養豊富な厚岸湾の中にありながら外海の影響を受け、潮の流れがやや強いことから、身の締まった牡蠣が育ちます。

殻に対して身が大きく、加熱しても縮まないのが仙鳳趾産の特徴。強い甘みと濃厚なコクが、そのまま口の中に広がります。水揚げ後は24時間以上かけて紫外線殺菌されてから提供されています。

厚岸ピースフルリバーカヌー

厚岸町を流れる別寒辺牛川と、その流域に広がる約8,300haの別寒辺牛湿原を巡るカヌーツアーです。安定性の高い3人乗りのカナディアンカヌーを使うため、初心者でも安心。1組限定で案内してもらえます。JR花咲線撮影プランでは、湿原を這うように走る列車を川の目線から2回撮影できます。

ユイトリエール

2025年にオープンした、厚岸町初のクラフトビール醸造所です。店名はフランス語で「牡蠣が育つ場所」を意味します。厚岸名産の牡蠣に合うビールがコンセプト。店では牡蠣やアサリを使った料理とともに味わえます。

看板商品の厚岸オイスターラガーは、燻製した麦芽に厚岸の牡蠣の殻を加えて仕込んだ一杯で、スモーキーでコクのある味わいが広がります。ほかにも厚岸ホワイトフォグ、厚岸サンセット、厚岸コーストIPAなど、土地の名前を冠した銘柄が並びます。

ねむろお魚食堂

根室名物の花咲ガニをはじめ、道東の海産物が地酒とともに楽しめるお店です。カニ1ハイ、甲羅盛り、てっぽう汁といった花咲ガニのメニューが提供されています。

氷下魚やオオカミウオなど、珍しい食材も豊富です。合わせるのは根室の地酒「北の勝」。旬の魚を使った定食も揃い、昼どきから杯を傾けることもできます。

納沙布岬

本土最東端に位置し、日本で最も早く朝日と出会えるところとして有名な岬です。その先端には、明治5年に点灯された北海道最古の白亜の灯台が立っています。

目の前の海には、歯舞群島の貝殻島や水晶島、国後島といった北方領土が浮かびます。約370種が観察される、野鳥の楽園としても知られる場所です。

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