気高き意思が紡がれるまち
強く・美しく・優しいつながり
2024 Feb.
Today’s LOCORECO trip!
うるま市は、沖縄県本島中部の東海岸に位置しており、沖縄独自の文化や芸能が多く残る地域のひとつです。また、沖縄方言で「サンゴの島」のことを「ウルマ(ウル=サンゴ、マ=島)」と呼び、美しい景観の沖縄の島々を示す言葉でもあることが地名の由来だそうです。そんなうるま市を旅するのは女優・伊原六花さんです。
(文/兼子雄治・写真/鈴木大喜)
※営業時間や価格は、すべて取材当時のものです。
沖縄県うるま市について
人口:126,531人(2024年2月1日時点)
面積:86.08 k㎡
豆知識:うるま市では鉄道駅が存在しないため、車移動がほとんどで、中心市街地のような商業集積はあまり見られず、飲食店や商業施設は各幹線道路沿いに点在しているのが特徴的です。
沖縄県 / うるま市URUMA CITY,OKINAWA
「さんごの島」という意味を持つ沖縄の言葉「うるま」から名付けられたうるま市は、その名のとおり、コバルトブルーの海に囲まれた島々と美しい橋「あやはし」で結ばれる海・橋・空が調和した風光明媚な町として知られています。
那覇空港から車で約50分の場所に位置し、豊かな自然と年中温暖な気候に恵まれた住みやすい環境も特長的です。世界遺産の勝連城跡、浜比嘉島や伊計島などの美しい島、伝統的なエイサー、闘牛など、見どころ盛りだくさんの魅力的なまちです。
INTRODUCTION
伊原 六花いはら りっか
Profile
バブリーダンス」で注目を浴びた大阪府立登美丘高校のダンス部元キャプテン。 2018年TBS「チア☆ダン」で女優デビュー。NHK連続テレビ小説「なつぞら」にも出演した。近年の主な出演作品は、TBS「マイ・セカンド・アオハル」、映画「リゾートバイト」など。2023年後期NHK連続テレビ小説「ブギウギ」にも出演。
衣装協力
Aunt Marie’s
Pierrot
patterntorso(antiqua)
受け継がれる伝統
阿麻和利がつなぐ素敵な縁
伊原さんがうるま市で最初のロコレコさんに会いに来たのは、勝連城跡。勝連城は、琉球王朝時代にこの地で人々に慕われた王、阿麻和利(あまわり)の居城として知られています。2000年にはユネスコの世界遺産に登録され、年間約17万人の観光客が訪れる人気の観光地です。
勝連城は丘の上にあるため、途中まではEVカートでのぼることができます。うるま市の景色をながめられると聞いた伊原さん、期待が高まります。ちなみに勝連城は地元では“勝連グスク”と呼ばれています。“グスク”とは沖縄で聖所、城塞(じょうさい)をさす言葉だそうです。
EVカートをおりてから、頂上までは階段をのぼりました。「すごく気持ち良い場所ですね。癒やされますね」とうるま市の絶景を楽しみます。
景色を楽しんだあとは、勝連城跡を散策しました。するとこの旅最初のロコレコさん・森根 きずなさんに出会いました。
森根さんは、うるま市で旬の野菜や果物がふんだんに使用されているこだわりのスムージーが人気の「beji cafe(ベジカフェ)」というカフェの店長さんです。
そんな森根さんがレコしてくれるのは勝連城にも関連する地域にまつわる伝統とのこと。やってきたのは「平敷屋公民館(へしきやこうみんかん)」です。「歌と音楽が聞こえてきました。もしかしてこの音楽って!」と途端に表情が華やぐ伊原さん。公民館の中へ急ぎます。
中をのぞいてみると、歌をうたっていたのは中高生のみなさんでした。「ステキな歌声。中で聞いても良いですか?」とその歌声に誘われます。中へ入るとさらにその迫力に圧倒されました。「観ているだけで、ぐっとくるものがあります」と伊原さん。
「“うるま市”と聞いて、もしかしたら。と思っていたのですが、みなさんって「肝高の阿麻和利」(きむたかのあまわり)”を演じている方たちですよね」と伊原さん。「実は地元の大阪にいた頃に“阿麻和利”に感銘を受けた人たちで結成された表現倶楽部「うどぃ」という団体に所属していて、そこで歌や踊りを習っていたんです。だから、すごく嬉しいです」とのことでした。
沖縄県うるま市の中高校生が出演している現代版組踊「肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)」は、2000年3月の初演以来「あまわり浪漫の会」が企画・運営している「沖縄版ミュージカル」。沖縄に伝わる伝統芸能「組踊」をベースに、現代音楽とダンスを取り入れて、勝連城10代目城主「阿麻和利」の半生が描かれています。また、勝連城跡ふもとにある「あまわりパーク」では土日祝日にライブパフォーマンスも行われており現役中高生や卒業生の演目を観ることもできます。
すると森根さんが「そうしたら、彼女たちのこと覚えてますか?」と3名の女性を紹介してくれました。「ええ!なんで⁉すごいサプライズ。当時所属していた表現クラブで“阿麻和利”のみなさんとコラボさせてもらった時に出会ったんです。10年ぶりくらい!嬉しい!」と喜びます。
「もしかして、踊れたりしますか?」とにっこり笑顔の森根さん。「ええ!覚えてるかな?すごく不安だけど、ちょっと練習します」と当時の仲間を誘い、練習を開始します。ものの数分フリを確認した伊原さん。みなさんと踊ることに。
さすがは伊原さん。10年ぶりとは思えないほど、完璧な踊りを見せてくれました。当時の仲間や中高生の皆さんとの息もバッチリ。「すごく踊っていて楽しかったです。やっぱり体が覚えているものなんですね」と最高の時間を過ごしたようでした。
勝連城跡(あまわりパーク)
beji cafe(ベジカフェ)
同店は素材にとことんこだわった濃厚スムージーが人気のテイクアウト専門店です。またテイクアウト専門店ではありながら、沖縄を存分に感じるロケーションの良さも魅力のひとつ。店舗前にはエメラルドグリーンの海が一面に広がり、テラス席で海を眺めながらお食事を楽しむこともできます。
森根 きずなさんさん
Profile
地元民に大人気のカフェ「beji cafe」オーナー。
中学生の頃に「阿麻和利」に出演していた。
MOVIE
沖縄の伝統文化を舞う!
神の島で愛される食堂
忘れられないもずく料理‼
さて、つぎなるロコレコさんに会いに来たのは、浜比嘉島です。浜比嘉島は勝連半島から近隣離島に伸びる全長約5kmの「海中道路」を使って車で渡れる人気の離島。この島は神々の住む島と言い伝えられ、島全体が広大なパワースポットとも言われています。そこで出会ったのは2人目のロコレコ・ながもと みちさんです。
ながもとさんは、執筆家で沖縄に住みながら執筆活動をして、離島めぐりを綴った「ていねいに旅する沖縄の島時間」を刊行。昨年7月にも「沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日」を出版されています。また約13年前に移住され浜比嘉島で会員制のブックホテルを営んでいるとのこと。そんな“うるま愛”あふれる永元さんがレコしてくれるのは、うるま市が生産量日本一を誇る“もずく”料理です。
沖縄のもずく生産は、全国シェアの約9割以上を占めており、中でもうるま市勝連地域は、沖縄県内でのもずく生産の約4割の水揚げを誇っています。勝連エリア産もずくの特長は太くてしっかりとした歯ごたえがあること。低カロリーでミネラルや食物繊維が豊富な自然食品は、もちろん地元でも人気です。
ながもとさんに案内され、たどりついたのは「丸吉食品」です。同店は、沖縄そばや具だくさんみそ汁など、沖縄ならではの定番料理から、その時にとれた魚の定食など地元の人や観光客に人気のお店です。なかでも人気なのは、もちろん“もずく”を使ったメニュー。さっそくいただきます。
最初に出してもらったのは「もずく酢」。まずはもずくそのままの味を楽しみます。「普段食べているものと全然ちがいます。見た目にもすごくしっかりしているし、歯応えが最高。本当に美味しいです」と伊原さん。「実はさらにおすすめの料理があるんですよ。良かったら試してみませんか?地元のみなさんは、よくテイクアウトして自分の好きな場所で食べているんです。良かったら私のブックホテルがあるので、そこへ移動して食べてみませんか?」とながもとさんに誘われます。
おすすめの料理をテイクアウトして、ながもとさんが経営するブックホテルに移動することになりました。「すごくステキな場所ですね。オシャレだし、最高に癒やされる空間!」と喜ぶ伊原さんに「ここの縁側に座って自然を感じながら食べましょう」とながもとさん。
縁側で、まずいただいたのは「もずくコロッケ」と「もずく天ぷら」です。「コロッケはじゃがいもが大きくてホクホクしてるし、タマネギもシャキシャキ。中にはもずくがたくさん入ってるしなんだか健康的な感じがします」と楽しみます。「もずく天ぷらは美味しすぎて無限に食べられます」と、こちらもお気に入りの様子。
次にいただいたのは「カニともずくの天ぷら」です。「すごい!カニだ!カニのうまみがきいてて、こっちは塩味を感じるので、もずくだけよりもガツっとした感じ。おつまみに良さそうですね」と笑顔の伊原さん。「これはお酒がすすんじゃう味ですよね」とながもとさんもにっこりです。
「こんなステキな場所で美味しい“もずく料理”がたくさん食べられて幸せです。すごく静かな場所で、そこが良いですよね。ゆっくりできて風の音を聴きながら…幸せです」という伊原さんに「そうですよね。ここだけの時間が流れていると思います。ぜひ豊かさを持って帰ってください」とながもとさん。美味しくステキな時間を楽しみました。
お家でできる!うるま市のもずくを使ったお手軽レシピはこちらから
丸吉食品
沖縄そばやタコライス、ゴーヤチャンプルーなど沖縄ならではの定番料理から、その時にとれた魚を定食にした魚バター定食、魚からあげ定食、魚汁定食が人気のお店。なかでも人気トップ3は「もずくコロッケ」「もずく天ぷら」「カニもずく天ぷら」。美しい景色をながめながら、自慢のもずく料理を楽しんでみては⁉
INFORMATION
浜比嘉別邸
ながもと みちさん
Profile
岡山県出身の執筆家。
代表著書に「沖縄の海風そよぐやさしい暮らし 365 日」等がある。
MOVIE
浜比嘉島で絶品もずく料理!
アツイ仲間が集まるところ
うるまっこの行きつけとは⁉
うるま市きっての人気レジャー・闘牛を観に「うるま市石川多目的ドーム」にやってきました。「闘牛、初めて観に来ました。ちょっと近くで観てみたいです」とテンションが上がる伊原さん。「でも、ここにロコレコさんがいらっしゃるんですか?」と不思議そうです。
「みなさんの応援の声がすごいし、牛さんたちもやる気満々!すごい迫力です」と大興奮。うるま市は、沖縄でも「闘牛が最も盛んなまち」として知られており、古くから大衆娯楽として多くの人々に親しまれてきたんだとか。相撲のように牛と牛が互いの角を付き合わせて押し合うように闘い、どちらかが相手に背を向けて逃げたら勝負あり。老若男女に楽しまれています。
すると場内のアナウンサーから「本日は旅サラダの取材クルーが来ており女優の伊原六花さんがいらしています。六花さん、ぜひこちらに来てくれませんか?」と呼び出されました。「いま、わたし呼ばれましたよね?行かなきゃ」とアナウンス席に急ぎます。
そこで迎えてくれたのは、ロコレコの伊波 大志さん。なんと伊波さんはうるま市で活躍する闘牛実況アナウンサーでした。「びっくりしました!ていうことはレコしてくれるのは闘牛ですか?」と伊原さん。「もちろん闘牛もなんですが、私がレコしたいのは是非食べていただきたい、うるま市民のソウルフードです」とのこと。伊波さんはアナウンスのお仕事があるので夜に再度合流する約束をしました。
夜になり伊波さんと合流してやってきたのは「おでんひかり」というお店です。「ということはレコしてくれるのは“おでん”ですね」と伊原さん。「はい。最高に美味しいうるまのおでんを是非食べてください」と早速お客さんでにぎわう店内へ。
「このあたりの飲食店ではダントツで長い歴史をもっているお店で、初代お母さんと2代目お母さんが迎えてくれるんですよ。特に私がオススメのネタを是非いただきましょう」と伊波さん。「美味しい香りがもうしますね。すごく楽しみです」と伊原さん。
頼んでもらったのは、沖縄のおでんに欠かせないという3品。「じゃがいもは大きいものを丸々ひとつ。やさいはレタスのことなんですが、食べる直前に入れるからシャキシャキ。テビチは豚足のことでコラーゲンたっぷりですよ」と伊波さん。これまた沖縄おでん必須アイテム・マスタードをつけていただきます。「どれも最高に美味しいです。マスタードの酸味と甘さが最高です」と伊原さん。すると、伊波さんからさらにおすすめが。「もうひとつ食べてほしいものが、このお店の代名詞・フーチバージューシーです」。「初めて聞いた名前です」と胸が高まります。
“フーチバージューシー”は、かつお出汁でつくる炊き込みご飯に豚肉などの具材と「フーチバー(よもぎ)」を加えた料理。 「ジューシー」は「炊き込みご飯」をさすそうですが、同店では「ボロボロジューシー」と呼ばれる“雑炊タイプ”なことも特長。「よもぎの香りがして出汁がたっぷりで最高です」と笑顔の伊原さんに「マーガリンを入れるとさらに最高ですよ」と伊波さん。「最高すぎる。これ美味しすぎます」と味変も楽しみました。さらにツウの食べ方だというホットソースをかけての味変にもチャレンジしました。
「みんなが地元を大好きで、本当に人が温かいんですよ。このお店はそんなみんなの憩いの場で、ひとつのコミニュティになっているんですよ」と伊波さん。「すごくステキです。ひとりで来ても楽しめそうで本当に羨ましいです。おでんも美味しいし、最高です」と大満足でした。
うるま市石川多目的ドーム(闘牛場)
県内随一の闘牛どころとして知られるうるま市に、2007年5月に建築された県内初のドーム型闘牛場。沖縄県闘牛組合連合会が主催する県内最大規模の全島闘牛大会を含め、年間約20回の闘牛大会が開催されている。また、闘牛とエイサーのコラボレーション、うるま市伝統芸能の龍神の宴など、闘牛以外のイベント会場としても使用されている。
INFORMATION
おでん ひかり
うるま市は石川の地元っこ行きつけのおでん屋さん。開店当初より継ぎ足しの秘伝出汁を使用したおでんは必食の逸品。マーガリンを入れて食べる「フーチバージューシー」は同店の代名詞でこちらも人気のお料理。地元の家庭的な味を楽しむことができる同店は23時からのオープンにも関わらず地元民が足しげく通う。みんなから愛されているお店。
INFORMATION
伊波 大志さん
Profile
うるま市出身、うるま市在住の闘牛実況アナウンサー。
うるま愛の強い好漢。
MOVIE
驚きの闘牛とおでん
地元の魅力いっぱい
こだわりの料理とスイーツ
つぎなるロコレコさんは、もずく漁師の宮城 伸一さんです。元気いっぱいにかけよる伊原さんに思わず笑みがこぼれる宮城さん。宮城さんがレコしてくれるのは「こだわりの店主が作るこだわりの料理」だそうです。さっそくお店に向かいます。
やってきたのは「帆掛きそば(ふーかきそば)」です。なんでも店主が店前の庭園も作ったというお店にもこだわりがあるお店です。ちなみに店名の由来は「帆掛けサバニ」という沖縄の海人(うみんちゅ、漁師)が昔乗っていた帆かけ船のことだそうです。「良い風を入れて、良い風でお客様を送り出す」という店主の願いが込められているとのこと。
店内に入ると迎えてくれたのは店主の前當 慎也(まえとう)さん。こだわりの店主・前當さんの作る「沖縄そば」をレコしてくれることになりました。一般的な沖縄そばは豚骨、昆布、かつおのいずれかを組み合わせて使用することが多いのですが、前當さんのこだわりは、みずから釣ってきた鮮魚出汁をブレンドすること。沖縄そばでは非常に珍しいんだとか。「店主が釣ってきた魚を使うから日替わりで味がちがうんですよ」と宮城さんが教えてくれます。
麺にもこだわりがあり、伊計島で作ったブランド小麦「島麦かなさん」を使った生麺と沖縄昔ながらの照喜名製麺が選べます。「すごく楽しみ。わたしは生麺にしてみたいです」と伊原さん。宮城さんおすすめの「魚のそぼろごはん」も頼みました。
また、こだわりの出汁が決め手の同店では、おそばの出汁はさらに細分化されており、県産豚、鰹節、昆布、日替わり鮮魚による「帆掛きそば(ふーかき)」と、あさり、鰹節、昆布、日替わり鮮魚による旨味凝縮出汁の「海風そば(うみかじ)」が選べます。
今回、伊原さんは「海風そば」を選びました。
まずはそばをいただきます。「美味しい!あっさりしてる。麺も本当に美味しくて出汁と合います」と伊原さん。「魚出汁を使ったそばは、ここにしかないですし、本当においしいそばですよね。ちなみに小鉢のジーマーミー豆腐も店主が生のピーナッツから豆乳を絞って作っているこだわりようなんですよ」と宮城さんが教えてくれました。
つづいては「魚のそぼろごはん」です。「サクサクして美味しい。これはエンドレスで食べられますね」と笑顔の伊原さん。「このそぼろは出汁ガラを炒って作っているんです。フードロスを出したくないという店主の思いがこもってるんですよ」と宮城さん。「ステキですね。そういうこだわりはすごく格好良いです」と真剣に話に耳をかたむけます。
「最後にもう一品食べてほしいものがあるんです。こちらもこだわりのある方が作っています」と、もうひとりの店主・平原晶さんを紹介されました。平原さんは店内併設の「TODAYS SOFT SERVE」というソフトクリーム屋さんのオーナーです。同店では島バナナや宮古島マンゴーなど沖縄県産の果物を使用した“こだわりの”ソフトクリームがいただけます。「ソフトクリームですか?たくさんメニューがありますね」と目を輝かせる伊原さんが選んだのは旬の「やんばるイチゴソフトクリーム」でした。「パフェみたい。見た目もかわいいし、ソフトクリームの甘味にイチゴの甘味と酸味が負けてない。最高です」とゆっくりとデザートも楽しんだのでした。
帆掛きそば(ふーかきそば)
TODAYS SOFT SERVE
沖縄県産の魚の出汁をかくし出汁にした沖縄そば。素材の味を重ねたスープは店主のこだわり。沖縄県産ブランド小麦「島麦かなさん」を使ったオリジナル特性生麺も大人気。店内には「TODAYS SOFT SERVE」というソフトクリーム屋さんも併設しており沖縄県産の果物を練り込んだソフトクリームも楽しめます。
宮城 伸一さん
Profile
地元では“ミスターもずく”と呼ばれるもずく漁師。
もずくも好きだがスイーツも好き。
MOVIE
毎日味が違う!?沖縄そば
本気のおもてなし
思いのこもった時を楽しむ
この旅最後のロコレコさんに会いに来たのは勝連半島から近隣離島に伸びる全長約5kmの「海中道路」の途中にある「くじらのしっぽ」と呼ばれる観光スポット。ここで出会ったのは嘉手苅 林海(かでかる りんかい)さんです。嘉手苅さんによると、ここ「くじらのしっぽ」は沖縄県各所にみられる「うたき」と呼ばれる場所のひとつで守護神が祀られている神聖な場所なんだとか。
嘉手苅さんがレコしてくれるのは「オーナーの思いのこもった“本気”のお店」とのこと。「“本気”ってなんだろう?気になりますね」と伊原さん。会話をしている内にたどり着いたのは「宿&喫茶アガリメージョー」です。「ええ!ステキな雰囲気。でもアガリメージョーってなんだろう?色々気になりますが行ってみましょう」と店内へ。
迎えてくれたのはオーナーの眞榮里 良人(まえざとよしと)さんです。さっそく気になっていたことを質問します。「お店の名前のアガリメージョーって、どういった意味なんですか?」と問う伊原さんに「実は屋号なんです。職業や地名から一門・一家の特徴をもとに家に付けられる称号なんですよ。なので地元の人は眞榮里 と言うよりもアガリメージョーっていう方が通じやすいことが多いです」とのことでした。
「それから嘉手苅さんから“本気”のお店だって聞いたんですが」と伊原さん。すると眞榮里さんがこたえてくれました。「実はメニューをみてもらうと分かるかと思います」とのこと。メニューをみる伊原さん「本当だ!本気だ!こういう本気なんですね。“本気の麦茶”って書いてあります」とびっくり。なんと麦茶の焙煎体験ができるんだとか。
さっそく焙煎体験をさせてもらいます。一般的に麦茶によく使用される大麦ではなく、うるま市伊計島産、オーガニック栽培の小麦を使用しているんだとか。焙煎、ミル挽き、抽出まで体験できるということで人気のメニュー。うるまで作られた本気の小麦と、小麦のみで焙煎から作る本気の麦茶。生産者やオーナーの本気度が伝わります。
すべての工程を終え、お待ちかねの試飲タイムです。家でコーヒーを飲むときはミルでコーヒー豆を挽くという伊原さん。「ミルで挽く時間って、ゆっくりとした贅沢な時間だと思っているので、うるま市でもそんな時間が過ごせて嬉しいです」と至福のひとときを楽しみます。「すごく香り高いですね。そして甘い。染みわたる感じです。本気だ!」とそのおいしさを楽しみます。「素晴らしい笑顔ですね。紹介できて嬉しいです」と嘉手苅さん。
「やっぱり麦茶と言ったらアイスも飲んでもらいたいです」という眞榮里さんからアイスの麦茶もいただきます。
なんとストローも麦わらで作った手づくりストローというこだわり。「ストローもかわいいし、やっぱり麦茶はアイスですよね。最高に美味しいです」とにっこり。
また、麦茶のほかにも人気なのが「小麦珈琲」。厳選された小麦を使用して作られたコーヒー豆を使用しない小麦オンリーの穀物コーヒーで、カフェインを摂りたくない方や、就寝前でも安心して飲むことができると人気です。もちろん、お料理のメニューも“本気”です。沖縄の「キムチ工房やまや」のキムチソースで和えたナポリタンと、自家製スーチーカー(県産豚肉を県産の塩で漬けたもの)が自慢のタコライスの「2種類盛り付け」が特に人気の逸品。
そして最後は唄と三味線が得意だという眞榮里さんと沖縄民謡レジェンド嘉手苅 林昌さんのお孫さんだという嘉手苅さんによる唄と三味線を披露していただくことに。「ぜひ六花さんも踊ってくれませんか?」とおふたりに誘われ豪華な共演で旅を締めくくったのでした。
宿&喫茶 アガリメージョー
嘉手苅 林海さん
Profile
アガリメージョーの常連さん。
沖縄民謡レジェンド嘉手苅 林昌さんのお孫さん。
MOVIE
本気のお店で本気の麦茶
Special Interview伊原 六花
自然、文化、グルメ、ひと
あたたかく迎えてくれたみなさんへ…
うるま市自体にパワーがあるので、いつもの生活とはちがって、うるま市に来た!っていう特別感をすごく感じられる旅でした。
お料理の素材は知っているものや身近なものが多い気がしたんですが、すごく愛をもって作られていたり、どういう環境で作られていて、こういうところが特長なんだよって、地元の方に愛されていて大事にされているのが印象的でした。
「肝高の阿麻和利」でつながったメンバーや現役世代のみなさんと踊れたことは宝物です
「肝高の阿麻和利」をみんなで踊れたのは本当に感動的でした。当時と変わらないメンバーを筆頭にその歴史を引っ張っていってくれる大人と、中高生のみんなの情熱が本当に魅力的でした。
みなさんが印象的だったのは、すごく気持ちが温かいし、うるま市に対して熱い思いがある所です。それから、お互いに何をしているのかなって興味や関心をもって、一緒に暮らしているという雰囲気がすごく良かったです。うるま市に来た人も迎えてくれた人もお互いに興味を持ちあえる環境が素敵でした。
家族のように愛をもって迎えてくれたことが印象的で嬉しかったです。また必ず来ます。うるま市のみなさん、ありがとうございました。
撮影・取材協力 沖縄県うるま市