澄みわたるサンゴ礁の海
豊かな海の幸と人の優しさに包まれて…
2023 Nov.
Today’s LOCORECO trip!
高知県南西部にある大月町は、美しい大自然と食の幸が豊富なまち。なかでもその美しさと透明度でSNSを中心に話題になっている柏島の海は圧巻。そんな豊かな自然とともに暮らすまち・大月町に訪れたのは、旅サラダリポーターで俳優の南圭介さん。ロコレコ初登場です!
(文/兼子雄治・写真/鈴木大喜)
※営業時間や価格は、すべて取材当時のものです。
高知県大月町について
人口:4,508人(2023年11月1日時点)
面積:102.94m2
豆知識:大月町は、1957年2月、大内町と月灘村が合併して発足した。「大月」とは、合併前の両町村の名前から一文字ずつ取った地名である。
高知県 / 大月町OTSUKI-CHO , KOCHI
高知県の最西端・大月町。町の北側は宿毛市、東側は土佐清水市、西側は豊後水道、宿毛湾、南側は太平洋に面している。海岸部を中心に足摺宇和海国立公園に指定されており、透きとおるように青く美しい海の色と色とりどりのサンゴ礁が見られる“柏島”をはじめ“樫西海岸”や“大堂海岸”など海の絶景を見られる。
SNSで話題の“柏島”にはイルカの親子がすみついており高確率で出会うこともできる。町内には多くの漁港があり、まき網漁、定置網漁などさまざまな漁法がある。養殖業では主にクロマグロ、ブリ、タイ、カンパチ等いつでも新鮮な魚が身近にならぶ。また温暖な気候と降り注ぐ太陽により、みかんなどの柑橘類や栄養たっぷりのおいしい野菜も多く収穫される恵みのまちである。
INTRODUCTION
南圭介みなみ けいすけ
Profile
1985年7月3日生まれ。東京都出身。 2004 年「少年と星と自転車」でデビュー。 2006年ミュージカル「テニスの王子様」手塚国光役で初舞台に挑戦以降、舞台・映像問わず様々な作品に出演。 2017年「宇宙戦隊キュウレンジャー」ではホウオウソルジャー/鳳ツルギ役を演じた。主な出演作は「最高のオバハン 中島ハルコ」「NHK 高校講座・地理総合」、少年社中25周年記念第一弾第40回公演「三人どころじゃない吉三」など。世界遺産検定の最高位である「世界遺産検定マイスター」を獲得し、「白神山地魅力発信アンバサダー」に任命される。
レコされたのはまさかの
レジェンドおばちゃん?
南さんが最初にやって来たのは、東京から最も遠い地域と言われる四国西南地域の中でも、さらに西南端に位置する大月町の柏島エリアです。「船が宙に浮いて見える」ほど透明度の高い海としてSNS上で紹介され、話題となっている注目のエリアで、世界でも有数のダイビングスポットでもあります。
ちなみに自身のことを“もっている”という南さん。道中にイルカの親子にも遭遇でき、旅のスタートから快調です。
周囲約4キロの柏島には400名ほどの住民が暮らしています。豊後水道と黒潮の流れがぶつかる海域に面しているため、日本の海の約1/3の魚種が生息しているとも言われているそうです。美しい海と島、人々の暮らしが隣接する楽園のような柏島では、魚の養殖も盛んに行われているんだとか。
そんな柏島で出会ったロコレコさんは「はやぶさ水産」の代表・橋本昇大さんと、岡山友郁さんです。
同社は「新鮮・安全・安心」な柏島産の真鯛の養殖をはじめ、約1,000種類の魚種をほこる柏島の魚たちの中から、熱帯魚などを国内有数の水族館に届けているんだそうです。
真鯛の養殖の様子を見させてもらえるということで船に乗り込む南さん。いざ出航です。真鯛の養殖の現場をみるのは初めてだとのことで興味津々です。「年間でどれくらいの真鯛を育ててるんですか?」という南さんに「20万から22万匹ほどです」と橋本さん。その規模の大きさに驚きを隠せません。
真鯛の養殖をしている生簀のひとつを見せていただくことに。橋本さんによると「柏島は温暖な黒潮の流れが直接当たる海域で、真冬でも海水温は16℃を下回らず、鯛にとって非常に成長しやすい環境」なんだとか。南さん、真鯛に給餌をしながら熱心に橋本さんの話に耳を傾けます。約1年半をかけて養殖された真鯛をみて「すごく元気ですね!活きが良い!」と感心の様子です。
養殖場見学クルージングを終えると、橋本さんと岡山さんからレコしたいという人物のお話が。
「世界遺産級のおもしろい名物おばちゃん、きみさんにぜひ会ってほしいです」とのこと。「きみさん⁉柏島の偉大な人物がいらっしゃるんですね。ちなみにどんな所が名物なんでしょうか?」と南さん。「食べ物屋さんなんですが、ぼくらが小さい時から馴染みがあって、とにかくまずは会ってほしい」とか。
ゆったりとしたまち並みを散歩しながら、きみさんのお店「お好み きみ」へ向かいます。
「おだやかな島ですね。初めての土地を歩いているのですが、なんだか落ち着きますね」と、南さん。どこか懐かしい雰囲気の景色をながめながら柏島を楽しみます。
「お好み きみ」に到着すると、店先にきみさんの姿が見えました。南さんの到着をお店の前で待っていてくれました。挨拶もそこそこに意気投合し会話がはずみます。家族のように暮らすネコの話、全国津々浦々から、きみさんに会いに来るお客さんの話、柏島の歴史の話、「ずっと住んでいるけどイヤだと思ったことは一度もない」という柏島愛。話題は尽きません。
店内へ案内された南さん。きみさんの代名詞とも言える“ところてん”を食べさせていただくことになりました。高知では、黒蜜や酢醤油ではなく、ダシ汁と一緒にところてんを食べるのが一般的。ほんのり甘みのあるダシの上に、刻んだショウガとネギ、ゴマなどの薬味が乗っている、きみさん特製のところてんは柏島はもとより全国にファンがいる逸品です。
きみさんのお店では、6月から10月いっぱいまで、ところてんを味わうことができるそうで、今回は11月でしたが、特別に食べさせてもらいました。「美味しすぎます。後世に残してほしい」という南さんに、「私の味は私の味で誰にも教えない!」とにっこり笑顔のきみさん。ふたりの会話の意気も時間が経つにつれ、さらにぴったり。楽しいお話と笑顔は尽きませんでした。
ちなみに、柏島を知り尽くすきみさんが、特にオススメだという景色を南さんにこっそり教えてくれていました。そこは、柏島に向かうトンネルを抜けた先の高台とのこと。
翌日訪れてみると、そこからは、美しい海と島、大きな空が見られました。「はやぶさ水産」の養殖場も一望でき、柏島の思い出をしっかりと目に焼き付けたのでした。
お好み きみ
「お好み きみ」はお好み焼き店ではなく「女将のきみさんが営んでいるきみさんの“お好み”の料理もしくは、お客様にあわせて“お好み”の料理が食べられる」というお食事処。ちなみに6月から10月いっぱいは、きみさん特製「ところてん」の一本勝負!なんだとか。
INFORMATION
住所 | 高知県幡多郡大月町柏島149-2
電話番号 | 0880-76-0453
はやぶさ水産株式会社
岡山 友郁さん
橋本 昇大さん
Profile
柏島育ちの良質な真鯛を全国にお届けする「はやぶさ水産株式会社」の業務部長と代表のおふたり。
MOVIE
レジェンドおばちゃん
大自然の恵みを体感!
大月時間を楽しもう!
つづいて南さんがやって来たのは大月町は頭集(かしらつどい)地区にある「コーラルフルーツ農場」です。なんとこちらの農場は柑橘栽培に適している大月町でゼロから作られた農場で、ブルドーザーを使い、雑木を伐採して作られたんだとか。毎年6,000人もの人がみかん狩りにやってくる人気農場で迎えてくれたロコレコさんは、農場長の岡翔太郎さんです。
早速、岡さん自慢のミカンを収穫させていただくことになりました。
勾配をつけた一枚畑の農場では、どの木にもまんべんなく太陽があたり必要最低限の水をムラなく与えることで、バラつきもなく濃厚な味のミカンになるんだとか。ちなみに岡さんによると「ヘタの反対側が青くなくオレンジ色に熟れているもの」が美味しいんだそうです。
岡さんが丹精込めてつくったミカンを堪能した後は、大月町の海に連れてきてもらいました。
レコしてくれるのは、なんと“海”。そして、その海の恵みを堪能するために釣りに誘ってくれました。
ここでは“アオリイカ”がよく釣れるそうで、本日の目当ても“アオリイカ”です。
釣りはあまり経験がないという南さんですが、岡さんにコツを教えてもらい、いざ勝負!気合いバッチリです。「海の透明度が高いから魚が見えていますね。青いキラキラした美しい魚もいます」とテンションがあがります。何度も竿を投げ入れるたびに、南さんの腕もあがってきました。ちなみに、お昼休みに釣りにきて晩ごはんを獲りにくる方も多く、大月町に暮らす人々と海の密接な関係性をうかがい知れました。
なかなか釣果があがらないおふたり。「今日は残念でしたが、美味しいお弁当をたべませんか?」と岡さん。
釣りをしながら、岡さんがよく食べるという「321(サニー)弁当」特製の「バスケットおむすび」をいただきます。「お店のおばちゃんの人柄も良いし、なにより懐かしい感じがして美味しいんですよ」とすすめられ、お弁当をいただくことに。「美味しい!なんだか運動会や遠足の時の懐かしさを感じます」と南さんも大満足。
お目当てのアオリイカは釣れませんでしたが、あたたかい手作り弁当と優しい海風に包まれた素敵な時間を過ごしたお二人でした。
ちなみに、後日、岡さんから釣れたアオリイカの写真が送られてきました。生で食べても焼いて食べても美味しいんだとか。次回はぜひ、釣って食べたいですね。
コーラルフルーツ農場
目の前に広がる海の美しいサンゴ礁から名前をとって「コーラルフルーツ農場」と名がついた約12,000本のみかんの木がある一枚畑。
有機肥料で省農薬栽培に取り組み、除草剤・防腐剤など使用せず、ノーワックスで仕上げている。高知市から車で約3時間の立地にも関わらず、毎年約6,000人もの人がみかん狩りにやってくる人気の農場。
INFORMATION
住所 | 高知県幡多郡大月町頭集626-102
電話番号 | 0880-72-1583
321(サニー)弁当
「お客様を大事にする」をモットーに真心のこもった、手作り弁当を作っている同店。野菜は出来るだけ家庭菜園のものや地元の素材を、お米は冷めても美味しいお米にこだわっており、地域のファンが集うお弁当屋さん。コーラルフルーツ農場のミカンの直売所にもなっている。
岡 翔太郎さん
Profile
コーラルフルーツ農場の農場長。岡さんのミカンは地元でも有名な大人気商品。趣味は釣り。
MOVIE
アオリイカ
高知伝統のおきゃく文化⁉
大月の恵みを仲間とともに
つづいてやって来たのは、地域の人たちに“ふれぱ”の愛称で親しまれている道の駅大月「ふれあいパーク・大月」です。大月町の特産物や県内の土産物、地元農家の皆さんが丹精込めて育てた朝採れの新鮮野菜や果物。また大月町や近海で水揚げされた鮮魚がならぶ大月町のアンテナショップです。
「びっくりするようなお値段です。こんな立派なブリまるまる1匹が1,500円…」と、その新鮮さとお値段に驚きを隠せません。
たくさんの商品を見ていると、ふたりの女性に声をかけられた南さん。なんでもおふたりは、同施設に隣接する場所で大月町名産の芋菓子「ひがしやま」を作って販売をしているんだとか。「聞いたことがない魚が見たことのないお値段で売られているんですが…」という南さんに「大月町は海がきれいで沢山の魚種がとれますし、私たちとしては当たり前なのですが、やっぱり安いんですよね。」とおふたり。
そこへ、次なるロコレコさん・安原明彦さんが来てくれました。安原さんは県内外の飲食店などに地元の魚を届ける亀亀水産の代表で魚のプロ。「大月の海で育った魚をぜひ食べてほしい。珍しい魚もありますよ!」と大月町の魚をレコしてくれることに。「大月町ならではの魚、食べたいです」と南さん。地元の魚を食べられる“ある場所”で待ち合わせすることになりました。
安原さんと約束した場所は、大月町唯一のホテル「ホテルベルリーフ大月」です。ホテル内のレストランは、家族の集まりや、仲間同士の宴会場所として地域の人々に愛される施設なんだそうです。大月町の魚をごちそうしてくださるということで、期待が高まります。
高知県では宴席はあたたかな交流の場となっており、自由に料理を取り、上下関係なく酒を酌み交わす“おきゃく文化”が根付いているそう。「高知は“おきゃく文化”ですから。楽しみましょう」と笑顔の安原さんがさっそく頼んでくれたのは、なんとも豪勢な舟盛りです。
ベルリーフの料理長がさばいてくれた舟盛りは、見るも鮮やか。「こんなに大きくて豪勢な舟盛りをいただけるなんて感動です!」と南さんもその大きさ、美しさに感動です。舟盛りの内容は、その日の仕入れによるそうですが、なんとこちらは「ふれあいパーク・大月」で見ていた商品や安原さんが仕入れてきてくれたものでした。
「どれも美味しいのですが、特にアザハタとオボソは、初めて味わって感動しました」と南さんも太鼓判の2品。
安原さんによると「アザハタは身が締まっていて非常においしい高級魚」で皮をつけておろす“焼き切れ”という調理法でいただきました。これはタタキのルーツだそうです。またオボソは、魚体に斑点があることから“星カツオ”といわれる魚で鰹の群れの中でも200匹に1匹くらいしか混じっていない貴重な魚なんだとか。
仲間で大月町の恵みをいただきながらの宴席は格別です。「高知では、たとえば魚がたくさん釣れたら、近くの人を誘って宴席を開く。時には知らない人も交えてお酒を飲むこともあるんですよ。今日は南さんが来てくれたから宴席ですね!」と安原さん。「高知のチーム感、素晴らしいですね!」と南さんのピッチもおのずとあがります。
お刺身のほかにも「ふれあいパーク・大月」で見つけた魚「“アカバ”の煮付け」。高知名物の「ウツボのたたき」などもいただきました。ちなみにウツボのたたきはお好みでカツオのように塩や二杯酢、またはぬたや酢味噌などをつけていただくんだとか。高知ではすっかり地域の味として愛され、いまでは高級魚の一種として扱われているそうです。
「大月町に来てからすごくツイてるんですよ。柏島ではイルカにも出会えましたし、こんなに良い天気だし、みなさんにも出会えましたし」と南さん。安原さんも「“もっている”南さんとのお酒が飲めて最高です」と応えます。笑顔の宴席は、このあとも続いたのでした。
ホテル ベルリーフ 大月
道の駅大月 ふれあいパーク・大月
ひがしやまって?
「ひがしやま(東山)」は、高知県の山村で昔から作られている干し芋を指します。山で採れる干し菓子から、干菓子山(ひがしやま) という名称がついたと言われているとか。(※諸説あり)紅ハヤト(通称にんじん芋)というさつまいもを1ヶ月ほど寝かせて熟成させ、皮を2度剥き、釜で4~5時間水だけで煮込み、2週間ほど天日干しをした手間暇かけた逸品。
INFORMATION
「ふれあいパーク・大月」に隣接する施設で地元のお母さんたちがつくる「ひがしやま」は人気商品。必食の一品です。
安原 明彦さん
Profile
亀亀水産代表。毎朝市場に出入りする高知の魚のプロフェッショナル!
ホテル ベルリーフ 大月よりプレゼント!
ありのままの自然を感じる贅沢なひとときを
「ホテル ベルリーフ 大月」より本記事をご覧の方から、ペア宿泊券を2組様にプレゼント!大月町の魅力を体感するチャンスです。ぜひご応募ください!
応募詳細はURLをクリック‼
https://tsplus.asahi.co.jp/articles/other/9520/
※本宿泊券にお食事は含まれません
※対象期間は2024年4月から2025年3月(5月の連休および8月は対象外)
MOVIE
絶品お刺身
大月町の新常識⁉
至高の三段階味変!
次なるロコレコさんに会いにやってきたのは、2022年にオープンしたドミトリー&レストラン「柏島ヴィレッジ」です。ダイビングスポットとして人気のポイントである柏島で、ダイビングが趣味のオーナーと奥様で営む柏島観光の拠点となる噂のスポットです。同店では大月町で育ったマグロを食べられるとのことでテンションがあがる南さん。
店内に入ると代表の米谷勝市さんが迎えてくれました。米谷さんは大阪や東京で営業マンとして働き、2015年4月に奥様の故郷・柏島へ移住。以後3年間、大月町地域おこし協力隊として従事し、2022年に念願の「柏島ヴィレッジ」をオープンさせた柏島愛の強いお方。
「大月町のまぐろをぜひ食べてみたいです」という南さんに、さっそく同店自慢の「柏島産完全熟成生本マグロ丼」をいただくことになりました。「熟成マグロ」とは1ヶ月以上、一切冷凍せず冷蔵状態で熟成させたもので、格別なうま味がでるんだとか。「ぜひ召し上がってください。マグロのうま味がダイレクトに伝わってきますよ」と米谷さんにすすめられ、実食です。
「大月町のマグロ最高です!」と目を輝かせる南さん。箸が止まりません。「大月町の様に、すぐ近くで養殖をしている場所はほとんどないです。獲ってすぐに解体できるから、こんなに新鮮で美味しいんです」と米谷さん。こちらでも大月町の恵みを存分に味わいました。
「ダイビングをもともとやってたんですが、柏島に勝る海はなかなかありません。自然豊かでゆっくりしていて、魚も美味しい。最高なまちですよ」という米谷さんのお話を聞きながら、レコしてくれるお店に移動してきました。やってきたのは「お好み焼き ひな」です。大阪出身の米谷さんがレコしてくれるものとは…?
店内に入ると店主のお母さんが迎えてくれました。「初めて来ましたけど、ただいまって言いたくなっちゃいます」というほど、リラックスする南さん。「ここでレコしてくれるのって、やっぱりお好み焼きですか?」と米谷さんに聞きます。すると意外な返答が。「いえ、お好み焼きではないんです。焼飯をレコしたいんですよ」とのこと。「焼飯2つお願いします!」とオーダーしてくれました。
厨房から聞こえる小気味良い中華鍋の音を聞くこと数分、「焼飯」が到着しました。「一口食べるだけで、かなり元気が出るんですよ。1人前にたまご2つ、たまねぎたくさん、本当に美味しいんですよ」と米谷さんにすすめられ、いただきます。「とても美味しいです。このボリュームも最高です」と食べすすめる南さん。
すると自身が休みの木曜日には、ほぼ毎週の様に来店するという米谷さんからツウの食べ方を伝授してもらいます。「まずは福神漬けをたっぷり入れて食べてみてください」と米谷さん。「カレーではよく見ますけど意外です。すごくマッチしています」と喜ぶ南さん。つづいてはそこにウスターソースをかけます。「なんと!もう一段階あるんですね!酸味と甘味のバランスが最高です!」とにっこり。
「この三段活用は最高ですね。これ流行りますね」とご満悦の南さん。「米谷さんに最高の食べ方を教えていただきました。美味しかったです。家庭的な味とお母さんの優しさもあいまって、ホームができた感覚です」と大満足なのでした。
お好み焼き ひな
優しい人柄のご夫婦2人で経営しているお店。安くて美味しいお料理の数々で地元の方に大人気。お好み焼きはもちろんのこと、焼飯や焼そば、野菜炒めや、から揚げ定食など人気メニューは数知れず。
INFORMATION
住所 | 高知県幡多郡大月町弘見2252
電話番号 | 0880-73-0698
ドミトリー&カフェ 柏島ヴィレッジ
米谷 勝市さん
Profile
2015年4月に奥様の故郷・柏島へ移住。趣味はダイビング。
MOVIE
至高の三段階味変!
地域の定番食!
意外なアイツは主役級⁉
この旅、最後のロコレコさんに会いに来たのは、柏島に向かう道の途中・大月町の町木に指定されている“ウバメガシ”という木の前です。出会ったのは中田巌さんです。中田さんはウバメガシを原料とする備長炭を生産する組合の事務局長。大月町では、かつて盛んに行われていた「炭焼き」の仕事が50年ほど行われていませんでしたが、約13年前から中田さんが力を入れ始めたとのこと。
ウバメガシの木を眺めながら中田さんの話を聞きます。「備長炭は、国内でも限られた地域にしか生息しないウバメガシを炭材にした白炭のことで、炭の中でも高品質なものです。火付きには時間がかかりますが火力が強く、大変火もちのよいのが特長です。遠赤外線効果と近赤外線効果があって料理人さんからは最高の料理燃料と重宝されているんですよ」とのこと。
貴重な資源であるウバメガシの苗木を育て、また山へ還す取り組みも続けているという大月の伝統と未来を守る中田さんに感銘を受けた南さん。「大月町の一番の魅力ってなんですか?」と問います。「一番は難しいけど、海、山、空、星、魚。たくさんありますね」と中田さん。「ところで、魚の話になったので“魚のすり身”って食べました?給食でも出るくらい大月では定番なんですけど、すり身の揚げたてが最高だから行きましょう」と大月町の定番食“すり身”をレコしてくださることになりました。
やって来たのは大月町の憩いの場「Cafe de PAL(カフェドパル)」です。中田さんの幼馴染のお店だという同店で人気メニュー「すり身カツランチ」をオーダーしていただきました。待つこと数分、オーナーの久美さんが配膳してくださいます。
こちらの定食のすり身は、地元で有名な“おじちゃん”がアジとタチウオで作っている人気な商品なんだとか。「初めて“すり身”食べます」と興味津々でいただく南さん。「美味しい!やわらかいんだけど、シャキシャキ感もあって。すり身って脇役のイメージでしたけど、これは完全に主役ですね」と大絶賛です。
大月町では、良質な漁場と市場が近くにあり鮮度が高い魚が豊富に獲れます。それだけに刺身はもちろん、焼き魚、煮魚、タタキなど様々な食べ方がありますが、すり身もポピュラーな食べ方のひとつ。大月町の新鮮な魚を贅沢に使ったすり身は、初めて食べる人に驚きを与えるほどの美味しさなのです。ちなみに高知では魚のすり身を揚げたものを“てんぷら”と呼ぶそうです。
「すり身、本当に美味しかったです。カツになっていても全然重たくなくてペロリといけちゃいました。すり身のイメージが変わりました!」と笑顔の南さん。中田さんと久美さんの軽妙なトークもあいまって大月町の海の恵みと人のあたたかさをここでも感じることができたのでした。
大月町備長炭生産組合
大月町で炭の最高級品である「備長炭」を創っている。良質な備長炭の製炭者の育成を図るとともに、地域資源を守り有効に活用。環境に配慮した循環型産業の確立を目指している。またウバメガシを後世に残す山づくりの取り組みや植樹活動、またそれらが高校生教育の場となっていることなどが評価され、高知県“木の文化賞”の受賞もしている。
Cafe de PAL(カフェドパル)
中田 巌さん
Profile
大月町備長炭生産組合の事務局長。優しい人柄で面白いお話をしてくれる。
MOVIE
意外なアイツは主役級⁉
Special Interview南圭介
柏島の海の綺麗さは一生忘れられないです…
ここは日本なの?って…
本当に楽しかったです。今回は2日間でしたが、1週間いさせていただいた様な濃密な時間を過ごせたことが嬉しいです。不思議な感覚ですが、本当に深いお付き合いをできた様な気がしています。
たくさん食べましたが“アザハタ”にはびっくりしました。コリコリしてて最高でした。あとは“すり身”ですね。衝撃でした。すり身のイメージが変わりました。家の近くで売っていて欲しいです。最高に美味しかったです。
今まで出会ったことのない体験ばかりでした…
また、絶対に来たいです。人と人との繋がりがないと、僕ひとりでは体験できなかったことばかりで。出会ってくれた方々に感謝です。
次こそはイカ釣りたいです…でも、南には釣り、難しかった…
ですので視点をかえて、海に潜って海の内側からも大月町の魅力を見てみたいですね。
本当に大月町のみなさん、ありがとうございました。また必ず会いにいきます。
撮影・取材協力 高知県大月町