福島県桑折町|あつい夏だから 桃づくしの”こおり”へ
2026.07.25
日本を象徴する景勝地としても知られる宮城県・松島。大小260余りの島々が浮かぶ松島湾は、季節や時間帯、天候によっても表情が変わり、訪れる人を魅了してやみません。そんな松島の絶景を望める、オールインクルーシブの温泉リゾート「松島一の坊」は、海をそばに感じながら、思い思いに過ごす時間を楽しめる滞在が魅力です。今回はそんな「松島一の坊」で、移ろいゆく海の景色とともに、のんびりと自由気ままに過ごす1泊2日をたどります。
館内に足を踏み入れると、造形作家・姉歯公也氏が手掛ける優雅に揺らぐ「生命」をテーマにしたオブジェがお出迎え。その先のラウンジは、大きく開けた窓いっぱいに松島の海のパノラマが。陽ざしを受けて、濃い青色の海がくっきりと広がります。まずはここでジェラートとおやつを手に取り一息。
館内には、オールインクルーシブで楽しめるコンテンツが充実しています。その日の気分で過ごし方を選べるからこそ、滞在のスタイルも自然と人それぞれに。スパエリアに足を踏み入れると、日常を忘れさせる静かな時間が流れています。岩塩岩盤浴でじっくりと汗をながし、身体の緊張をリセット。続くサウナ室では、リズミカルに注がれるオートロウリュの熱気が五感を心地よく刺激してくれます。火照った身体を癒すのは、松島湾からそよぐ汐風。夕涼みテラスでアイスバーを片手に身体をととのえていきます。


スパエリアの充実ぶりもさることながら、花々が彩る庭園エリアも外せません。水上庭園は7,000坪からなる松島の自然を借景としたダイナミックな景観が広がります。手入れの行き届いた広大な庭園を、海風を感じながら気ままにウォーキングできるのも、オールインクルーシブならではの楽しみです。


庭園を抜けるとその先には宿と隣接する「藤田喬平ガラス美術館」に繋がります。館内は、ガラスに情熱を注ぎこんだ造形作家・藤田喬平氏が創り出した、世界に誇れる色鮮やかなガラス作品が並ぶ静謐な美しさに満ちた空間です。

美術館と庭園をつなぐ展望デッキへ出ると視界が一気に開け、そこには吸い込まれそうなほど鮮やかな青色の海が臨めます。視界を遮るもののないデッキで、静かに海と空の境界線を眺める。それは、スパで汗を流すのとはまた別の心洗われる“ととのい時間”かもしれません。

各々充実した時間の余韻を抱えたまま、次なる楽しみを求めて客室へ。松島一の坊の客室は、全室が特等席のオーシャンビュー。窓の外には、先ほどまで歩いていた庭園と、その先に広がる穏やかな松島湾が絵画のように切り取られています。水平線の彼方、空がゆっくりと黄金色から深い茜色へと溶け出していくサンセットは、先ほどまで目にしていた鮮やかな青の海とは全く別の表情。島々のシルエットが夕闇に沈み、海が魔法にかかったように輝くマジックアワーは、一切の急ぎ足が必要ないオールインクルーシブだからこそ出逢える贅沢な時間です。

ガーデンフロアにある「ガーデンテラスビューバスデラックスツイン」は、露天風呂・テラス付き。ガーデンフロアご宿泊者専用クラブラウンジあるドリンクやナッツはお部屋にも持ち込み可能で、優雅なテラス飲みも叶う。
ひと息ついたあとは、楽しみにしていたディナータイムへ。「料理長厨房ビュッフェ青海波」でいただくお料理は、コース料理ではなく、オーダーを受けてから目の前でプロの手さばきを楽しめる一皿ずつオーダーできるビュッフェスタイル。宮城や三陸の食材を中心にした一皿は、どれも素材の味がしっかりと感じられて、ついもう一品と手が伸びてしまいます。
そして、オールインクルーシブの醍醐味といえば、お料理に合わせた自由なペアリング。地元の名酒からワインや生ビール、ノンアルコールも充実していて、ワインセラーで自分だけの一杯を選び、出来立ての料理と合わせる。次はどの一皿を合わせようか――。そんな贅沢な悩みに浸る時間は、夜が更けるのを忘れてしまうほど豊かなものです。
ディナーの余韻に浸りながら、夜のラウンジへ。暖炉の火が爆ぜる音と、柔らかい灯りに包まれた空間は、昼間の開放的な印象と打って変わります。ピアノやサックス、ギターなど日替わりのアーティストのライブ演奏が奏でる上質な音楽。ピアノの旋律が静かにラウンジへ溶け込んだ場所でいただくバーカウンターでの一杯は、何物にも代えがたいひとときです。

もう少し気分を変えたければ、懐かしいソウルミュージックが流れるダーツを楽しめるスペースへ。静かに音楽に浸るのもよし、軽く一杯楽しむのもよし。
どこで過ごすかも、そのときの気分次第。夜の時間まで、思い思いに過ごせるのが心地よく感じられます。

一日の締めくくりには、月明かりに照らされた静かな水面が見下ろせる、展望露天風呂へ。湯船に身を沈めれば、ちょうど目線の高さに松島の海が広がります。身体をゆっくりと温めながら、そのまま静かな時間を過ごします。


松島の穏やかな朝にふさわしい目覚めは、光が降り注ぐダイニング会場での朝食ビュッフェから始まります。目の前で焼き上げられる出汁巻き卵の香ばしい香りや、地元の新鮮な野菜をたっぷり使ったサラダ。そして何より、宮城の豊かな食材を知り尽くしたシェフが作る、一皿ひと皿に込められた温かさが身体に染み渡ります。

チェックアウトまで、最後に向かうのはやわらかな朝の光に満ちたラウンジ。
淹れたてのコーヒーを片手に、静かに輝く水庭を眺めながら、この二日間の出来事をゆっくりと振り返ります。スパで汗を流し、庭園の美しさに浸り、松島の絶景に癒やされた時間。心なしか、訪れた時よりも身体が軽く、視界がクリアになっているのを感じます。


旅の締めくくりは、自分への、そして大切な人へのお土産選び。館内のショップには、一の坊オリジナルアイテムや美味しい地元の味、昨日の美術館で心を動かされたガラスの工芸品など、一の坊の空気感をそのまま持ち帰れるような品々が並んでいました。

名残惜しさを抱えながら松島一の坊をあとにし、最後に向かったのは、宿から車で15分ほどの場所にある「馬の背」です。木々に囲まれた細い道の先に現れるのは、松島湾に突き出した細長い天然の桟橋。長年の波の浸食によって削られたその姿は、文字通り馬の背中のように波打っています。
潮風を全身に浴びながら、この旅を締めくくりました。日常に戻っても、ふとした瞬間にあの穏やかな海を思い出す――。そんな、心の拠り所になるような再訪を誓いたくなる滞在でした。
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