• トップ
  • おでかけ
  • 光に浮かぶ国宝の社殿、名庭の紅葉、深山の滝。静岡市で巡る1泊2日の大人の秋旅!久能山東照宮の夜間特別拝観は11月29日まで

光に浮かぶ国宝の社殿、名庭の紅葉、深山の滝。静岡市で巡る1泊2日の大人の秋旅!久能山東照宮の夜間特別拝観は11月29日まで

徳川家康公ゆかりの歴史文化と、豊かな自然が育む美食、引湯された名湯が揃う静岡市。2026年9月19日(土)、国宝の社殿で知られる久能山東照宮で、完全予約制の夜間特別拝観「光彩-IRODORI-」が開幕。会期は11月29日(日)までです。

日が落ちてから国宝の社殿を拝観できる機会は、そう多くありません。しかも境内を照らす光のモチーフは、楼門に彫られた「獏(ばく)」という霊獣。家康公が願った平和の象徴だと、ご存知でしょうか?

本記事では、駿府城下町の歴史が薫る「紅葉山庭園」の端麗な色づきから、駿河湾を見晴らす久能山の「海の絶景×紅葉」、そして深山を染め上げる奥静岡(オクシズ)の名瀑ライトアップまで、静岡市が誇る多彩な秋の色彩を一挙ご紹介します。都心から新幹線ですぐの好アクセスながら、慌ただしい日帰りではもったいない。1泊2日で五感を優雅に整える、洗練された静岡の秋旅です。

駿河の名勝を四つの庭に写した回遊式庭園「紅葉山庭園」

駿府城下町として栄えた歴史の面影を色濃く残す、駿府城公園。その一角にひっそりと佇む格調高い庭園が、駿府城の歴史的背景を活かして創られた回遊式の大名庭園「紅葉山庭園」です。園内は駿河の名勝を表現した「4つの庭」で構成されています。富士山を模した築山、安倍川を表した水面、色鮮やかな紅葉谷——豊かな自然の中を、ゆったりと歩いて巡れます。

園内にはモダンな雰囲気の茶室(立礼席)も備わり、お茶と和菓子を味わいながら静謐な時間を過ごせるのも大きな魅力です。静岡の豊かな茶文化に触れ、知的好奇心を静かに満たすひととき。大人の秋旅は、この一服から始めてみませんか。

※ 立礼席(りゅうれいせき)……正座をせず、椅子とテーブルで抹茶をいただける茶席

駿府城公園 紅葉山庭園

◆お茶の健康講話から名店の日本料理まで、庭園茶室で開かれる特別ランチ会

その紅葉山庭園の茶室で、一日限りの特別な催しが開かれます。静岡大学「茶学総合研究センター長」によるお茶の健康講話に始まり、地元のお茶農家に教わる美味しい入れ方、そして静岡の名店「椿亭」の特別日本料理へ。静岡のお茶文化の知恵と、熟練の和食料理人の「職人技」が、三時間のうちに次々と重なります。事前予約制で、応募多数の場合は抽選。旅の日程より先に、申し込みを済ませておきましょう。

お茶の美学と職人技が出会う贅沢なランチ会(事前予約制)

街角のデザインを約300点でたどる、芹沢銈介美術館の開館45周年記念展

駿府城公園から車で約10分、登呂エリアに建つ「静岡市立芹沢銈介美術館」では、10月10日(土)より開館45周年記念展が始まります。人間国宝・芹沢銈介(せりざわ けいすけ)が手掛けた色彩豊かな型染作品をはじめ、飲食店の看板やメニュー、茶や酒のラベル、緞帳やステンドグラスに至るまで、約300点の芹沢デザインが並びます。10月には庭の金木犀が開花。駿府の歴史散策とあわせて、秋のアートにも触れてみてはいかがでしょうか。

開館45周年記念展 街角に息づく芹沢デザイン

駿河湾を見晴らす久能山、国宝の社殿を包む紅葉

駿河湾を眼下に、東は伊豆半島、西は御前崎までを一望する雄大な景勝地・久能山。秋が深まるにつれ、社殿を囲む森が一斉に赤や黄金色に染まり、この地ならではの圧倒的な「海の絶景×紅葉」が広がります。

久能山東照宮は、徳川家康公をご祭神としてお祀りする全国東照宮の創祀です。権現造、総漆塗、極彩色が施された豪華絢爛な「御社殿」は、江戸初期の代表的建造物として国宝に指定されています。歴史の奥深さを感じさせる彫刻や模様をまとった社殿が、秋の柔らかな木漏れ日と紅葉に包まれ、神聖な輝きを一段と増していきます。

参拝ルートは二通りあります。ひとつは久能山下から続く1159段の石段を、自らの足で上っていく道。「いちいちご苦労さん」の語呂で親しまれる長い石段です。もうひとつは日本平から所要約5分の日本平ロープウェイで、ゴンドラの窓には切り立つ絶壁「屏風谷」や久能海岸が迫ります。体力と時間に合わせて、好きなほうを選んでください。

久能山東照宮

◆家康公の「平和への願い」を光に写す夜間特別拝観「光彩-IRODORI-」

そして今年の秋、久能山は夜にも扉を開きます。楼門に彫られた「獏(ばく)」——家康公の「平和への願い」の象徴であるこの彫刻をモチーフに、アート・コレクティブ「YouRuMaru」が境内を幻想的な光で彩ります。日中は極彩色の社殿に目を奪われる境内が、日が落ちると光のアートの舞台へと変わります。

注意したいのは、開催日が曜日で限られていること。加えて神事による休止日もあり、料金も購入場所も前売券と当日券とで異なります。完全予約制ですので、行く日を決めたらまず前売券を押さえておくのが安心です。

※ 獏(ばく)……金属を食べるとされる空想上の動物。戦が起これば金属は武器になり獏は生きられないことから、平和の象徴とされている

国宝・久能山東照宮 夜間特別拝観 光彩-IRODORI-(事前予約制)

深山を染める奥静岡(オクシズ)の紅葉、見ごろは10月下旬から11月上旬

市街地から少し足を延ばしたオクシズは、豊かな森と渓谷が織りなす極上の紅葉スポットが点在する、大人の隠れ家的なエリアです。見ごろを迎えるのは10月下旬から11月上旬。街なかの木々が色づくのとは、そもそもスケールが違います。

◆名瀑の夜間ライトアップと真っ赤な街道、梅ケ島エリア

落差50メートルを誇るダイナミックな名瀑が、赤水の滝です。色づいた木々に囲まれたこの滝は、11月中旬になると紅葉シーズンに合わせた特別な夜間ライトアップで照らし出されます。暗闇に浮かび上がる滝と紅葉のコントラストは、この時期にしか出会えない光景です。

市内を流れる安倍川沿いにある静かな温泉地が、梅ケ島コンヤの里です。テニスコート周辺の街道が真っ赤に彩られ、抜けるような青空を背にした山肌が、ひときわ艶やかに見えてきます。染まった街道を、のんびり歩いてみてください。

◆吊り橋・ダム湖・廃線跡、南アルプスの懐を歩く井川エリア

南アルプスへ向かう登山ルートの起点に架かるのが、長さ181メートルの畑薙大吊橋です。スリルを感じながら渡る橋の上からは、深く刻まれた渓谷と、眼下一面に広がる南アルプスならではの壮大な色づきを望めます。県内有数の紅葉スポットですが、沼平ゲートから先は一般車両が通行できず、橋までは徒歩40分。歩く時間をしっかり見込んで出かけましょう。

井川湖からさらに南アルプス方面へ北上した先に現れるのが、畑薙第一ダムがつくる畑薙湖です。知る人ぞ知る紅葉の名所で、湖を囲む山々が一斉に燃え立つように色づきます。ダム湖の雄大なスケールと、斜面を埋め尽くす赤や黄。そのまま絵になる眺めに出会えます。

新緑と紅葉、どちらの季節にも人を惹きつけるのが井川湖です。水面と紅葉の色の対比が鮮やかに広がり、湖上には「井川湖渡船」が行き来しています。船から見上げる紅葉は、まさに格別の美しさです。

大井川鐵道の廃線部分を、線路を残した状態で遊歩道として整備したウォーキングコースが廃線小路。トンネルを抜けたり、ノスタルジックな線路の上を歩いたりしながら、井川湖の紅葉を眺められます。歩く速さでしか気づけない景色を、ぜひ味わってみてください。

井川の紅葉スポットを巡ったPR動画も公開中です。InstagramYouTube

富士山を望む「風景美術館」と、徳川の奥座敷の湯

喧騒から完全に離れ、富士山を眺めながら極上の和食に舌鼓を打つ。1泊2日の旅の満足度を決定づけるのは、やはり「宿時間」です。「風景美術館」の名にふさわしい日本平ホテルは、駿河湾越しに富士山を望む圧倒的なロケーションを誇るラグジュアリーホテル。パノラマウィンドウを備えた客室からは、見飽きることのない絶景を独占できます。秋の澄んだ空気の中で迎える美しい「朝焼けの富士山」は、1泊するからこそ出会える眺めです。

同ホテル1階の日本料理 富貴庵は、大人のための和のダイニング。窓の外には美しい水盤が配され、その向こうに富士山と駿河湾の秀麗な姿が広がります。料理長が厳選した駿河湾の旬の海の幸を“巧”の技で握る寿司をはじめ、季節の移ろいと和のエッセンスが込められた日本料理を、落ち着いた空間で心ゆくまで楽しめます。

日本平ホテル/日本料理 富貴庵

湯に身を委ねて旅を締めくくるなら、徳川の奥座敷 久能宿<LIBERTY RESORT>という選択も。古き良き日本を感じる美しい町並みを再現したエリアに建つ、プライベートな滞在にふさわしい格式高い温泉宿です。日常の慌ただしさを完全に忘れて名湯に浸かる、何もしない贅沢を極めてみてはいかがでしょう。

徳川の奥座敷 久能宿<LIBERTY RESORT>

街と海と深山、静岡市で重ねる三つの秋

一日目は駿府城下の庭園で茶を一服し、日が落ちてから国宝の社殿を光の中に訪ねる。二日目は富士山を望む朝の眺めから始めて、南アルプスへ続く渓谷へ。街と海と深山、性格のまるで違う三つの秋を、同じ市内で続けて味わえます。

庭園の紅葉谷、夜に浮かぶ社殿、深山の滝。同じ秋の赤でも、静岡市で出会う色はひとつとして同じではありません。予約が要るもの、開催日が曜日で限られるもの、見ごろが短いもの。カレンダーを開いて、まずはひとつ目の予定から埋めてみてはいかがでしょうか。

RECOMMENDED

おすすめ