【勝俣州和の推しのイッピン】安政3年創業『うなぎ桜家』。富士山の伏流水と焼きの技術、家伝のタレ「かるみ」が美味しさの秘密
2023.08.12
勝俣州和さんの推しのイッピンは、静岡県三島市にある『うなぎ桜家』のうなぎです。三島市は美味しいうなぎ屋さんが多いまちですが、中でも『うなぎ桜家』は安政3年(1856年)創業の名店です。わざわざ東京から新幹線に乗って食べにくる人も珍しくないほど、その味は評判。いつも開店前から行列ができていますが、その人気店の味が並ばずに自宅で食べられます。
勝俣州和さん
「僕はうなぎが大好物。『桜家』さんは三島を代表する名店です。人気店なので長時間待たないと食べられません。そこで取り寄せてみたところ、身はふっくら! 秘伝のタレがかかったうなぎはお店で食べるものと同レベルの極上の美味しさでした。ほかほかご飯にのせて食べてください。」
【コレうまポイント】
②1200度で焼いたふっくら香ばしい身に家伝「かるみ」のタレ伏流水
③たった5~7分湯煎するだけ。自宅で食べられる名店の味伏流水
【コレうまポイント①】臭みを取り、身を引き締めてくれる富士山の伏流水
静岡県三島では、富士山の伏流水がいたるところで湧き出ています。三島のうなぎの美味しさも、この伏流水がポイント。
『うなぎ桜家』でも店の裏手に立て場と呼ばれるスペースがあり、地下40メートルからくみ上げた井戸水にうなぎを3~4日も晒しています。これによって、うなぎがもつ独特の臭みが取れるだけでなく、冷たい伏流水のおかげで脂肪の量もほどよく、身が締まって美味しくなります。『うなぎ桜家』ではこの、うなぎを水にさらす時間から料理が始まっていると考えています。
【コレうまポイント②】1200度で焼いたふっくら香ばしい身に家伝「かるみ」のタレ
締めたうなぎは関東風に背開きにされ、金串で刺して白焼きに。炭はウバメガシという木からできた備長炭を使っていて、1200度という高温になります。6代目主人の鈴木潮さんはこの道40年以上で、うちわで絶えず扇ぎながら、素早く何度もひっくり返し、その時の金串から伝わる感覚と表面の脂を見ながら焼き具合を判断しています。味の8割が決まるという白焼きの後、銅製のせいろで蒸してから、長年継ぎ足してきたタレにつけて焼くと、香ばしくふっくらしたうなぎの出来上がりです。
タレの味は「かるみ」と呼ばれ、『うなぎ桜家』の代名詞とされています。さらりとしていて、甘味は控えめです。微かに苦く、軽いのに複雑な深みがあるタレの味は遠方から通うファンがいることにも納得です。
【コレうまポイント③】たった5~7分湯煎するだけ。自宅で食べられる名店の味
高温でしっかり焼いて、ほどよい加減で脂を残している『うなぎ桜家』。お取り寄せ用のうなぎは、発送する日に焼いて真空パックにしています。自宅での食べ方はそのパックを90度ぐらいのお湯で5〜7分湯煎するだけ。うなぎが柔らかくなって、崩れやすいのでフライ返しなどを使って取り出してください。
「湯煎した後、オーブントースターで焼いてもいいですよ」と勝俣さん。取り出したうなぎからは、炭火の香りも感じられて、食欲が湧いてきます。美味しさの要素、タレはもちろん、香りのよい山椒もついていて、お店さながらの味が自宅で楽しめます。
「団扇で微妙に加減しながら、味を整えるのが焼き手の腕です」と話す店主の鈴木さん。老舗として引き継いできた味とご自身が築いてきた経験とで、おいしいうなぎを焼き続けてきた結果、『うなぎ桜家』は連日行列ができています。その美味しさをぜひ、自宅で食べるという特別感ごと堪能してみてはいかがでしょうか?