和歌山県田辺市|道がつなぐ、過去と未来。再発見と新発見の待つ街へ
2026.01.31
「モロッコ」と聞いて多くの日本人がイメージするのはタジン鍋、幾何学模様が描かれた美しい建物、そして狭い路地が迷宮のように入り組んだカラフルな街並み……といったところではないでしょうか。具体的にどこのこと? と訊かれると答えに詰まるものの、少なくともそれら全てが揃っている街があります。
その街の名は「フェズ」……モロッコに興味がある人ならば、1度は耳にしたことがあるでしょう。モロッコ北部に位置するフェズは、「世界一の迷宮都市」の異名を持つエキゾチックな街。アフリカ大陸にありつつヨーロッパから近いので、比較的安心して訪れることができます。
本記事では、モロッコのランドオペレーターを務める旅サラダガイドの大西さんが教える、フェズで絶対に訪れるべきオススメポイントをご紹介。これまでモロッコ旅行に二の足を踏んでいた方も、思い切って出かけたくなるはずです。
— モロッコ在住ガイドの紹介 —

大西 久恵さん
モロッコとドバイのランドオペレーター、株式会社サラムモロッコの代表取締役。ランドオペレーターと同時にモロッコでのテレビや撮影のコーディネートにも多数携わっている。福岡在住で年に数回モロッコと日本を行き来しながら、常に情報のアップデートをしている。モロッコのガイドブック「サラムモロッコ」も出版(https://salammorocco.com/)。

フェズの旧市街(メディナ)は街全体が世界遺産に登録されています。その迷路のように複雑に入り組んだ街並みは、かつて外敵の侵略から街を守るために築かれたもの。迷子にならないよう注意が必要ですが、中世の面影が今に残るこの場所は、モロッコを代表する風景といえます。

そんなフェズ旧市街にある「Rainbow Street」は、左右の壁いっぱいに絵画が飾られている通り。ここは12年前、ある家族が始めたもので、今も家族で描いた絵を通りに飾って販売しているのだそう。
通り沿いで営業する店舗へ入ると、中にも所狭しと絵画が並んでいます。家族それぞれに絵のタッチが違うので、1枚1枚眺めているうち、だんだん自分好みのスタイルが見えてくるでしょう。じっくり時間をかけてお気に入りを探してみてください。

旅サラダガイドの大西さんのお話しでは「無造作に置かれた小さな絵に惹かれて、私もそれを4つ買おうと値段交渉しましたが一切値下げしてくれず。でもフェズの街並みなど素敵すぎてどうしても欲しかったのでそのままの値段、1枚500DH(約8500円)で買いました。」との事。
店舗にはいつも家族の誰かがいるので、絵の説明を聞くことも可能。 Rainbow Streetは短い通りですが、たくさんの絵を眺めながら歩いていると、あっという間に時間が過ぎています。旧市街に突如出現するカラフルな通り。マップを片手に探してみて。

「CAFÉ CLOCK」はモロッコ国内でマラケシュ、シェフシャウエン、フェズに計3店舗を展開するレストラン。ここを訪れたらぜひ食べておきたいのが「ラクダ肉を使ったハンバーガー」です。雄大なサハラ砂漠をラクダが闊歩するモロッコでは、ラクダの肉を食べる習慣もあるのですが、提供している飲食店は意外と少ないんです。

ラクダ肉のパティは臭みもなく、知らなければビーフバーガーだと思って食べてしまいそうな美味しさ。 ボリューム満点のラクダバーガーセット110DH(約1900円)。帰国後の思い出のひとつとしてチャレンジしてみては?

暗く細い通路を抜けた先にある CAFÉ CLOCK は料理の味もさることながら、こじんまりとした空間、モロッコらしいインテリア、天井から明かりが差し込む落ち着いた雰囲気が人気です。クッキングレッスン、カリグラフィーのワークショップ、バンドの生演奏など様々なイベントを開催しているので、タイミングが良ければ現地の人との交流も楽しめるかも?
世界一の迷宮たる旧市街内にありつつ、ブジュルード門から徒歩3分ほど、かつ観光名所となっているブーイナニアマドラサ(神学校)のそばにあるため、道に迷う心配はありません。知る人ぞ知るモロッコの人気レストランを体感してみて。
●ラクダバーガー(フライドポテト付)110DH
●ビーフチーズバーガー(サラダ+フライドポテト付)100DH
●ラムタジン105DH
●デザート(キャロットケーキなど)40DH~
●ソフトドリンク20DH~
※ アルコールなし

『アマジグ(ベルベル)絨毯』は、モロッコの先住民族アマジグ(ベルベル)が羊毛を使って手織りする、モロッコを代表する伝統工芸品。生産者はアマジグ人(ベルベル人)の女性で、作り手たちの地元で作られたものをブローカーが仕入れて販売するのが通例です。
しかしながらブローカーを通した場合、生産者に販売値の4%しか渡らないという問題がありました。ここANOUは生産者が自立し、直接購入者に届けるフェアトレードの仕組みを作ることで、生産者の支援をしている団体が運営するショップとなっています。

全国から集められたアマジグ(ベルベル)絨毯を見学・購入できるだけではなく、観光客向けのワークショップも随時開催。4時間400DHのちょっとした体験から、本格的な製作まで、本場の絨毯づくりを学ぶことができます。
店舗の屋上にはカラフルな染料が並ぶ染色場があり、毛糸を染めるところから体験可能。長い人になると10日間泊まり込み(1日600DH)で作ることもあるのだとか。1泊3食付き500DHで泊まれるシンプルな宿泊施設もあるので、絨毯づくりに興味がある方は、ぜひ。

なおショップに置いている絨毯はごく一部で、行くたびに品揃えが変わるため「気に入ったものがあれば買うべき」と旅サラダガイド談。オンラインで生産者の顔を見て購入するという、画期的なシステムも導入されています。
日本からモロッコへの直行便は現在のところ運行しておらず、中東やヨーロッパを経由して行くのが一般的。所要時間は15〜25時間ほどと長めですが、それだけの時間をかけて訪れる興奮と驚きがあなたを待っています。
フェズは「青い街」として知られるシャウエン、ヨーロッパへの玄関口であるタンジェなど、同じくモロッコを代表する観光地まで片道4時間ほどの距離。時間のある人はヨーロッパから船で渡り、モロッコ北部を周遊するスケジュールもおすすめです。
迷路のような路地、古い石壁、職人の営みが静かに、賑やかに息づく街フェズ。もし「いつかモロッコへ」と思ったことがあるのなら、その “いつか” は意外と遠くないのかもしれません。地図の向こうに広がるノスタルジックな世界を、ぜひご自分の足で歩いてみてください。
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